先輩達の掲げた目標尾張優勝・県大会ベスト八以上を引き継いだ平成14年度チームは5月よりスタートしました。初陣となる7月の国体予選では、他チームに3年生チームが残るなか、5位で県大会出場を果たしました。8月1日に横須賀高校で行われた県大会では、西三河1位の岡崎高校に完敗し県大会初勝利はなりませんでした。そしてまた県の壁の厚さを知り、もう一度正月に県大会のコートで勝利をあげることが選手たちの意識の中に植え付けられました。
その後も猛暑のなかで練習をつみ迎えた尾張地区大会では、けが人が続出する中、前大会を上回る4位に入り、チームの層の厚さ、全体のレベルアップがはかれました。選手たちにもいい意味でポジション争いの競争意識が芽生え、チーム一丸となって新人戦を迎えることができました。
秋の深まり行く10月から新人戦が開幕しました。シードで2回戦からの出場となったが、順当に勝ち上がり、準決勝でも大差で勝利、なんなく県大会出場を決めました。この大会は「優勝」の2文字目指して取り組んできました。準決勝の起工業戦では、前半の緊張からか9−1まで点差を広げられました。後半追い上げたものの追いつかず、3位決定戦にまわりました。この試合では、後半残り30秒で追いつかれ延長戦となり延長残り15秒で逆転を許す、衝撃的な試合を経験してしまいました。この試合の悔しさが冬を乗り切る糧となりました。
正月の県大会では、試合巧者の旭丘高校に「うまさの差」で敗戦。県大会初勝利はなりませんでした。しかし、尾張地区のウインターカップでは、これまで最高位の3位入賞。平成15年度のインターハイ予選に弾みをつけました。
平成15年4月27日から、インターハイ予選が幕を開けました。尾張地区の登録校数は、滝が登録した平成12年度以降最多の30校を数え、5枚の県大会出場権をめぐって熾烈な戦いを繰り広げました。滝高校は1・2回戦を順当に勝ち上がり、県大会出場をかけた準々決勝で昨年度優勝校の津島東高校と対戦しました。前半立ち上がりで相手に先攻を許す苦しい立ち上がりとなりましたが、徐々に自分たちのペースをつかみ1点差で前半を折り返しました。後半はお互いの持てる力を出し合い死闘を演じ、残り5分でリードを広げた滝が県大会出場権を獲得しました。夏・秋と接戦をものにできなかった悔しさを見事に晴らし、チームの成長が感じられました。
準決勝は、宿敵起工業で、後半粘り一時2点差に詰め寄るチャンスもありましたが、試合巧者の起に軍配が上がり、尾張優勝の夢は消えました。しかし、夏の大会で20点差をつけられていたチームに互角に戦えるチームに成長していました。
平成15年5月18日。またまた滝のミラクルが起きました。愛知県大会初戦は強豪春日井南高校。前半からエースのロング、ポスト、速攻と持てる力を出し切りペースをつかみ、前半を7−9と2点差で折り返しました。後半はディフェンスがさえ相手を5点に抑え、また、攻撃もロング、ポスト、サイド速攻が決まり7−5、14−14で延長戦に突入しました。延長戦も相手に先制される苦しい展開となりましたが、粘りに粘り追いすがっていきました。会場内も自然と滝の得点のたびに大歓声が上がるようになるほど、滝のプレーが観衆を魅了しました。残り20秒で奇跡的な同点ゴール。だれもが7mtコンテストと思った矢先、相手エースのシュートがゴールネットを揺らし、無情のタイムアップ、選手一同その場に泣き崩れる劇的な幕切れとなってしまいました。試合後のミーティングでは、だれもが「持てるちからを全てだしきった。悔いはない」と。ベスト8という目標には届かなかったけれど、ベスト8校にこれだけの試合ができたことは誇りに思える結果だと思います。