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顧問の練習日記です。

2007/5/27 (Sun) 自分を最後まで信じること
　最後の試合。選手への指示は「試合終了の合図まで全力を尽くせ。」であった。ハンドボールの指導者としては失格かも知れない。しかし、最初から負けを覚悟していたわけではもちろんない。最後の最後まで選手を信じた結果の指示であった。
　この指示の背景にはこのチームの3年間の長い蓄積があった。キリスト教では悔い改める必要のない99匹の羊よりも悔い改める1匹の羊に大きな喜びがあるという。今年のチームはまさにオンリーワンの素晴らしいチームであった。3年間をこの日記だけで書きつくすことは到底できない。不本意な思いでいる選手もいることだろう。力のない顧問で本当に申し訳ない思いで一杯だ。
　主将に言われた流さない涙は、人に見せないだけで、今チームでも人知れず枯れるほど流させてもらった。悔しい思いよりも感謝の涙のほうが多い。後輩たちが人前で号泣させてくれる結果を残してくれると信じよう。
　(人知れずだが）たくさんの感動をありがとう。ゴールには何があったか。試合で負けることよりも辛い経験を乗り越えた過去最大の選手たち。19名の選手はこの先にある多くのハードルも自分の力で越えていけると確信している。
　人生には時間という期限がある。40,50歳になっても君たちとハンドボールを続けていたいが、人生には節目がある。迷える子羊の君たちを棺おけに足が突っ込むまで面倒見ていたいが、今が惜別のときである。これからは自分の足で自分の道を切り開き、自分の定めた目標を是が非でも達成してほしい。
　自分を最後の最後まで命の限り信じること。最後の言葉としてお別れしたい。滝高ハンドボール部8代目に幸あれ。
2007/5/26 (Sat) いよいよ決戦
　いよいよ決戦が明日にせまった。選手たちは大会前最後の練習を普段と変わらず平常心で取り組んだ。
　とにかく、気負う必要は全くない。すべてが挑戦なのだ。１回戦からアクセル全開で戦っていけばよい。３年間培ってきた技術や精神、魂をすべてそこに出すだけでよい。
　奇跡を起こす１日にしよう。
2007/5/25 (Fri) 力を結集する
　県大会まで残り２日。大切な練習機会であったが、天気予報は不運にも裏切らず朝から雨にたたられた。テストと特別練習のためか疲労がたまる選手も多く見受けられ、思い切って今日はトレーニングをせず、ビデオを見るミーティングとした。ビデオといっても「試合」のビデオではない。顧問がかつて見たスポーツものの映画「クールランニング」。映画の一場面で技術はあるのに本番で力が発揮できないというところがあった。テスト期間中の特別練習を含め今週の練習では、そういった状況が見られた。
　朝の読書で読んでいるニューヨークヤンキースの監督ジョー・トーリの著書『覇者の条件』に、「子どもたちや若い選手にはいつもこう言っている。勝つことがすべてではない。まずは持っている力を精一杯に発揮すること。勝利はその副産物に過ぎないのだ。まだ芽が出ないからといって、自分を信じることをやめてはいけない。」という一説があった。
　もちろん、目標を掲げ勝つことを目的として１年間戦ってきた。そして明日の練習を最後にいよいよ決戦の舞台に臨む。最後の最後、チーム全員の力を結集し、持っている力を思う存分発揮しようではないか。
　明日、最後の全体練習。調整ではない。力を結集するのだ。
2007/5/24 (Thu) 自分に目を向ける
　木曜日の定例の会議の日。晴天に恵まれ、大会までのそして何よりも３年生との限られた時間をともに過ごしたかったのだが、グランドについたのは６時近くとなっていた。
　その後、プレーの最終チェック。随所にいいプレーも見られる。今、一番必要なのは、自分に目を向けることであろう。自分に目を向けるとは、自分の技量を知り、可能性を追求することだ。どうすれば自分が気持ちよくプレーすることができるか。自分自身で自己コントロールすることも必要だ。練習量も滝高校という環境の中でMAXやり遂げた。大会当日、自己の持てる力をどうすれば最大限発揮することができるか。自分をしっかりとみつめてみよう。
2007/5/23 (Wed) 頭の整理
　今日からテストが空け、焼け付くような日差しの中、全員での練習を再開した。考査中の特別練習のおかげか登録メンバーの士気は高かったが、今日から2週間ぶりの練習開始のメンバーには少しその差が感じられた。チームスポーツは、ありきたりだが「チームで一つ」である。時には自己を犠牲にしてチームに貢献することが望まれる。つらい時こそ、チームを思い率先して動ける人間になってほしい。
　大会を控えたメンバーは、これからはより頭を使ったプレーが必要とされる。体調管理からゲームプランまで、ありとあらゆることを想定しなければならない。インターハイは夏の大会や新人戦とは違った一番の重みがある。オーバーヒートすれすれまで頭をつかうハンドボールを心がけてほしい。
2007/5/22 (Tue) 理想と現実のはざまに
　テスト4日目の特別練習。18名で実施した。夢や希望を追い求めること、現実を見て計算すること、人それぞれの感じ方があり、価値観があることだろう。僕たちが追い求めていることはちょうどそのはざまにあるものかもしれない。目標を掲げた以上はそれに向かって自分を研鑽していく責務がある。最後の最後までだ。明日からはテストがあける。全員のメンバーで練習できる日も限られている。3年生は試合での勝利を目指して、これからのメンバーは3年生から少しでも多くのことを吸収できるように、自分の課題をもって明日から練習に取り組もう。
2007/5/21 (Mon) 日常は急ぎ、プレーはゆとり
　土日をはさんで定期テストが再開された。テスト監督中、頭を悩ます選手たち、練習後、教室や図書館で勉強する選手たち。時間は有限だ。必死の様子が伺える。受験は自己責任、親や教師が“浪人”してくれるわけではない。練習から勉強までもメリハリをつけてがんばってほしいと願う。
　しかし、プレーは急げばよいというものではない。むしろゆとりが必要とされる。あわてて、キーパーの位置取りを確認せずにシュートを打てば一、二の三でシャットアウトを食らう。緩慢なプレーを奨励しているわけでは決してない。局面局面では、駆け引きを楽しむゆとりが必要なのだ。まだまだ、得点も伸びるし、失点も減らせる余地がある。明日も厳しい時間は続くがゆとりをもってプレーしよう。
2007/5/20 (Sun) 知的生活から実戦へ
　土日があける。この間、テスト勉強に打ち込むことができたであろうか。受験生である３年生にとっては、これからは毎日がテスト週間のような生活になる。こころしてかかってもらいたい。
　まだまだ定期考査は続くが週明けから、特別練習が再開される。何としてでもベストな状態で県大会を迎えてもらいたい。どんなすごし方をしても残り時間は２４時間×７日間しか残されていない。
2007/5/19 (Sat) 人のために　自分のために
　朝刊のコラム「家族のことを話そう」にリレハンメル五輪スキージャンプ選手の葛西紀明選手の記事が興味を引いた。恵まれた家庭環境ではなかったそうだが、その思いが競技への情熱へと昇華された。酒におぼれた父のため貧しい生活だったが、母親は昼夜を問わない仕事で新品のスキーを買い与えた。父親の泥酔が原因の放火事件の際に母親が皮膚移植が必要なほどの火傷をおった。５歳下の妹が突然の難病に侵された。不遇な人生の中で、スキーにうちこんだ。３４歳の現在も現役を続けるのは、母と妹のためだという。
　なぜ勉強するのか？これだけ豊かな社会に暮らせるのは、先人たちの勉強の蓄積のおかげである。『不勉強が身にしみる』（長山靖生著）では、勉強の目的は、社会への恩返しであるという。そしてそれが自分の魂を向上させることにもなるのである。
　今、やれることをやろう。来週の日曜日、いよいよ決戦だ。
2007/5/18 (Fri) 競争、刺激、レベルアップ
　週末のため、「勉強強化選手」数名を除いて登録メンバー18名で特別練習1時間を実施した。20名の登録から最終的には14名までメンバーは絞られる。全力を尽くしてがんばったならばたとえ、登録選手からもれてしまったとしても、コートには魂が乗り移った選手が立つことになるであろう。そういう心境になるまで切磋琢磨を続けてもらいたい。
　今年度滝学園土曜講座の記念講演演者、鎌田實氏の『行き方のコツ死に方の選択』を読んだ。今、医療の世界ではQOL（クオリティ　オブ　ライフ）という言葉がある。これまでのLOL（レングス　オブ　ライフ）と対立する概念だ。とにかく長生きをさせようという医療からその人にあった人生を送らせようという発想に変わりつつある。最後に輝ける人生を送るためには、懸命に生きたというその人の勇気や人生観が必要だという。人生とハンドボールを同一に扱うのは不謹慎かもしれないが、あえて言いたい。どんなことがあっても最後の最後まであきらめない粘り、どんな逆境をも跳ね返す勇気、人生をかけて、県大会を戦い抜いてほしい。たかがハンドボールではない。ハンドボールは人生そのものなのだ。質の高いハンドボール人生を全うしようではないか。
2007/5/17 (Thu) 集中力を高める期間
　５年連続総体県大会出場のため、顧問としてはこの定期考査中の練習もペースがつかめてきた。しかし、選手は１年１年入れ替わり、引退前の最大の大会を前にした練習には変わりない。かつては、わずか１時間の練習で何ができるのか？現状維持だけではないか？不安もつきまとったが、歴代の部員たちはその１時間の練習ですさまじい集中力を発揮し、尾張予選よりのときよりも一皮向けた状態で本選に入っていった。その伸びしろ分で、強豪校との好試合を演出したといってもいいぐらいである。
　無駄にできる時間はない。とにかく、集中あるのみだ。勉強でも高みを目指せば集中力は沸いてくる。明日も土日練習できない分を埋めるような集中した練習を期待したい。
2007/5/16 (Wed) 組合せ届く
　定期考査前日のため、午前中で授業は終了。今日から５日間のみの、１時間の特別練習を開始した。勉強との両立をはかる上でこれ以上ない厳しい時間を強いられるが、勉強もハンドボールも人生をかけた戦いといっても大げさでない。充実したテスト週間をすごそう。
　組合せ表が郵送で送られてきた。県大会レベルでは１回戦から気が抜けない。ベスト４という大きな目標を先輩から引き継いだ今チームにとっては、１回戦を勝ち上がると２回戦で大きな壁が立ちはだかった。この試練をどうとらえるか？
　この先の人生、肩書きのある人や社会的地位の高い人とも渡り合っていくこともあろう。ときには、毅然として自己の意志を貫き通さない時もある。そんな時、大切なのは正義という原理原則とともに、自分を信じる勇気をもつことだろう。
　どんな試合になろうとも最後の最後の試合だ。試合終了のホイッスルがなるまで執念を燃やして戦い続けたい。そして勝利に結び付けたい。
　そのように考えれば、この組合せはチャンスにも見えてくる。その準備をするためには、限られた時間の中で自己を向上させていくしかない。明日もまた、濃密な練習を。
2007/5/15 (Tue) どんな相手でも
　今日は県大会、運命の組合せ抽選会の日。そわそわした部員が職員室に顔をのぞかせる。
　どんな相手とでも、そのめぐり合わせに感謝したい。３年生にとっては最後の試合。最後の最後まで自分を高め、持てる力を発揮できればそれでよい。
　明日からは１時間のみの特別練習が始まる。気持ちを高めていこう。
2007/5/14 (Mon) 夢を心に描く　カラーで
　今朝の新聞１面には、０８年就航予定の米ボーイング社の次世代旅客機７８７の初号機に使われる主翼の完成式の記念式典の様子が掲載されていた。米ボ社が主翼の生産を外部に委託するのは初めてだそうだ。かつての人気番組NHKのプロジェクトXでも取り上げられそうな日本の航空技術界で画期的なことなのだろう。関係者の歓喜の声が響いてきそうである。
　夢を実現する。言葉でいうのは簡単だが、現実は試練の連続である。しかし、夢を心に描かなければ、実現することは決してない。
　さあ、２週間後の２７日。２勝をあげ、翌週の準々決勝に進む姿を想像しよう。そして、準々決勝で接戦の末、目標を達成する姿を心に描こう。ぼんやりとした映像ではない。カラーでくっきりとみるのだ。
2007/5/13 (Sun) 戦いの感性を研ぎ澄ませ
　テスト週間のため２週間土日の練習ができない。３年生は最後の決戦だけに目標達成への決意が鈍ることは考えにくいが、問題は勝負勘が鈍ることだ。しかし、この時期、ほとんどの高校がテスト期間で練習が制限されている。同じ条件であるならば、勝ちたい思い、執念、精神、魂が強いチームが、実力以上に勝敗を有利に進めることができるであろう。
　勝負勘は、ちょっとした意識で高めることができる。数学の問題１問でも、または勉強で限界を感じたその先の５分でも自分自身との戦いでも鍛えられるであろう。精神を研ぎ澄ませ。すべての生活を戦いに集中せよ。
2007/5/12 (Sat) 自主性は育てるもの育つもの
　テスト期間中の土曜講座。高校3年生は過去最高といっていいほどの賑わいをみせていた。受験勉強にむけてお尻に火がついた生徒も多くなってきたのであろう。多くのハンド部員をみかけるとやはりうれしい。土曜日は普段の学校と違って自主的に登校する日だからだ。勉強にも積極的に取り組む生徒は何にでも一生懸命取り組めるだろう。当然ハンドボールにもいかせる。その自主性はどうすれば育めるだろうか？フランスの思想家ルソーは「世界でいちばん有能な先生によってよりも、分別のある平凡な父親によってこそ、子どもは立派に教育される」と述べた。平凡な教師として、勝負どころで発揮する自主性が育ってくれることを切に願っている。
2007/5/11 (Fri) 注目される誇り
　練習休暇２日目。焦りがないといえばうそになるが、選手たちの必死な勉強への取り組みを見ると少し待ってみようかと信頼感が芽生える。頭の中で必死に努力していると信頼している。
　作成途中の滝学園紹介ビデオを試写した。先日撮影に来ていた第４グランドも練習風景も盛り込まれていた。第４グランドはいわば「ハンドボール部の聖地」なだけに校内で認知されることは非常にうれしい。
　これからいろいろな学校説明会などで流されることになると社会的にも注目をされることになるであろう。
　ちなみにテロップではハンドボール部を「知的スポーツ」と紹介されていた（試作のため変更されるかもしれないが）。ノーブルバーバリアン（知的野生人）。知性ある野生人に。
2007/5/10 (Thu) 小さな努力の積み重ね
　今日からテスト週間に入った。授業で見る選手の様子は少し疲れた模様。１週間部活ができないのは淋しいが、勉強に集中することと心身をリフレッシュする時期と前向きに考えている。
　毎日楽しみにしている朝刊の小説菊池寛の「恩讐の彼方に」で、感動する一説があった。市九郎は、悪行の限りを尽くし、仏門に入り、贖罪の念にかられているところである。以下引用。

「身のほどを知らぬたわけじゃ」と、市九郎の努力を眼中におかなかった。
　が、市九郎は一心不乱に槌を振った。槌を振っていさえすれば、彼の心には何の雑念も起らなかった。人を殺した悔恨も、そこには無かった。極楽に生れようという、欣求（ごんぐ）もなかった。ただそこに、晴々した精進の心があるばかりであった。彼は出家して以来、夜ごとの寝覚めに、身を苦しめた自分の悪業の記憶が、日に薄らいでいくのを感じた。彼はますます勇猛の心を振い起して、ひたすら専念に槌を振った。
　新しい年が来た。春が来て、夏が来て、早くも一年が経った。市九郎の努力は、空しくはなかった。大絶壁の一端に、深さ一丈に近い洞窟が穿（うが）たれていた。それは、ほんの小さい洞窟ではあったが、市九郎の強い意志は、最初の爪痕（そうこん）を明らかに止めていた。
　が、近郷の人々はまた市九郎を嗤った。
「あれ見られい！　狂人坊主が、あれだけ掘りおった。一年の間、もがいて、たったあれだけじゃ……」と、嗤った。が、市九郎は自分の掘り穿った穴を見ると、涙の出るほど嬉しかった。それはいかに浅くとも、自分が精進の力の如実（にょじつ）に現れているものに、相違なかった。

昔みた映画「ショーシャンクの空に」でも何十年もの間、スプーンで脱出口をほり、夢を実現させるシーンに感動した。
小さな努力の積み重ねはやがて大きな壁をも打ち砕くのだろう。
2007/5/9 (Wed) ホームランを打てというサインはない
　明日からテスト発表のため、その前全員でできる最後の練習。与えられた課題も思いのほかはやくクリアするほどの充実した練習になったと思う。完璧な練習ということはありえないことだが、ミスは自分たちで減らしていかねばならない。気の緩みなのか技術的問題なのか、ベンチでは手のとどかない選手が修正しなければならないところもある。野球ではここで「ホームランを打て」というサインはない。サインでうてたらベンチは常にそのサインを出すだろう。1点を取れ、エラーをするなというサインはないのだ。選手自身の主体的な行動がチームの勝敗を左右する。
　明日から1週間は練習ができない。テスト中には1時間のみだが特別練習が許される。その日のために勉強貯金を貯めておこう。
2007/5/8 (Tue) あくなき欲求
　世の中一番があれば最下位もある。1番だけがすぐれているかといえばそうではない。自分のなかで自分を高めようとする意思や努力が尊ばれる。多くの部員のなかでレギュラーになれる選手だけが優れているわけではない。最後の最後まであきらめずにひたむきに努力するところに引退後の生活、もっと言えばその後の人生が左右されるような気がする。
　愛知県は他の県に比べて人口も多くチームの登録数も多い。しかし、どの競技も全国では勝てないこともある。激しすぎる予選のために、そこ（予選）で勝つことで満足感を覚えてしまうことも要因の1つではないだろうか。地区予選でも同じことが言える。ここで満足してしまっては、元も子もない。酷なようだが予選のことはきれいさっぱり忘れて、次なる目標に向かって進む。現状に満足することなく、次に進むのだ。最も高次の欲求である自己の実現をめざして。
2007/5/7 (Mon) 地力をつける
　滝学園の月曜日は、終業時間が4時25分と通常よりも1時間遅い。下校時間が6時、グランドまでの移動時間を考えると1時間も練習できない曜日だ。しかし、木曜日からテスト週間に入り活動ができなくなるため、短時間だが全員で練習を行った。メインはもちろん、高3生。しかし、県大会に出る尾張の5チーム以外はほとんど新チームに代替わりしており、夏の大会に向けての戦いはすでに始まっている。ともに地力をつけなければならない。
　正規の練習もあと2日できる。日々の練習の積み重ねがここまでの成長であったならば、また、明日からの練習もより大切にしていこう。
2007/5/6 (Sun) 晴“送”雨読　〜わが身を振り返る
　大型連休最終日。練習を休みとし、学習日とした。今週木曜日からテスト週間に入るため、特別練習を除いて２週間通常練習ができない。決戦は、テスト明けの日曜日２７日。最後の最後の大会だけに万全の体制で臨みたい。
　朝から雨模様。たまった本を読んですごした。学生時代の不勉強が身にしみ、はっとわが身を振り返る。３年生の選手たちとの残された時間はあとわずかだが、自分は何を伝えることができたのか？また、残された時間に何を伝えたいのか？
　西遊記の天竺かエルドラド(理想郷)か桃源郷か、３年生が目指したゴールには、きっと何か自分なりの答えがあると信じている。ゴールとは引退する日を意味しない。新チーム結成当初に掲げた目標のことだ。さあ、明日からまた練習だ。
2007/5/5 (Sat) 自分を信じる
　ゴールデンウィークの練習も３日目。疲れもたまる。思うような結果が出ないと心がくじけそうになることもあるだろう。｢自分を信じる」とは精神論だけでなく勝つための技術でもある。どんな試合でもあきらめないことだ。実際に互角のチームであっても大差のつく試合もあれば、勝敗が逆転することもある。いかにして、最後の自分の試合で有利な試合状況をつくるかであろう。
　県大会に出場してくるチームは、みなが同じ思いで戦ってくる。そういう状況で勝ち抜くためには、一番勝ちたいという執念を持つことが必要だ。
　明日は１日練習休み。来週からはテスト週間に入る。勝つ準備は練習だけではない。やるべきことをしっかりやって愛知一勝ちたい思いの強いチームとなろう。
2007/5/4 (Fri) 雑草という草はない
　今年から５月４日は緑の日。練習に向かう道にも緑が茂り朝の目覚めをさわやかにする。「雑草という草はない」は昭和天皇のお言葉。選手一人一人も精一杯に成長しようとしている。最後の最後まで力を尽くして決戦に備えての準備を進めていきたい。
　戦いは正真正銘のデスマッチとなる。敗戦は引退となる。技術的には５分のチームでも試合運びで勝利をもぎ取れるような知性も鍛錬していかなければならない。
　どんな練習も集中して取り組むこと。それが目標達成への唯一の道だろう。
2007/5/3 (Thu) 憲法記念日に
　60年前の5月3日、日本国憲法が施行された。憲法は今年還暦を迎えた。そもそも憲法は国の最高法規であって、いかなる法律や規則も憲法には逆らえない。つまりそれは、国民に向けられたものではなく、いかなる政府(政党、政権)であっても守らなければならない権力者に向けられたものである。こうした考え方を立憲主義という。

　現代社会の授業のような堅苦しい話はさておき、わがチームも憲法ならぬチームの目標をたてた。夏の大会でも新人戦でも、どんなチーム状況であろうとどんな対戦相手であろうと、その目標にむかってひた走ってきた。たとえ順風でも逆風でもだ。最後の望みをかけて戦う県大会。残された限りある練習時間を使って望みある限り目標達成を目指さなければなるまい。

　多くの部員の中からレギュラーの座を勝ち取るためには、きらりと光る個性が必要だ。チームについても同じことがいえる。県大会出場校２６校の中で、生き残るには｢滝のチームカラー」（=個性）が光らなければならないであろう。どんなに点差を離そうとしてもしつこくついてくる、勝負をあきらめない、最後まで全力を尽くす、そういう精神も個性の１つだと信じる。
2007/5/2 (Wed) 目標再確認
　1年前に掲げた目標。尾張優勝、県ベスト４。残念ながら一つ目の目標は達成できなかった。試合中でももうダメかもと思う場面はある。しかし、最後の最後まであきらめない姿勢を滝は貫きたい。
　過去の栄光にすがるわけではないが、2代前の君たちの先輩たちは、県ベスト８という目標を達成した後も当時全国選抜でベスト８のチームに対して、ひるむことなく果敢に挑戦を続けた。勝負は勝たねば意味がないというが、その試合は負はしたものの意味あるものとなった。それは最後まであきらめない姿勢を貫いたからだ。
　今日から練習を再開した。準決勝・決勝で負傷した選手もいるが他のメンバーは、上を目指し挑戦していく姿勢が見られた。
　最後の大会は本当の意味でドラマが生れる。全てをかけて戦う価値あるものだと僕は思う。限られた時間、押し迫る受験勉強へのあせり、定期考査の重圧、全てを受け入れて戦いに挑もう。自分を奮い立たせる糧にかえて。
2007/5/1 (Tue) 満身創痍でも
　決戦から一夜明け、ゴールデンウィークの真っ只中だが、今日は平常授業が行われた。昨日の日を1年間の目標達成ととらえ、しゃにむにがんばってきただけに、今日は早退や保健室に行く者が多かった。満身創痍だったのだろう。今日は練習は休み。わずかな休息だが、しっかり羽を休め、最後の県大会に向けて英気を養ってほしい。５月中旬に定期考査をはさむため、ゴールデンウィーク後半が飛躍のチャンスだろう。
　選手には酷かも知れないが、明日からまた練習再開。1試合の結果が絶対的なものではない。さらに力を蓄えれば、県大会での目標達成も実現可能だろう。夏・正月の県大会では１勝をあげベスト１６まで進んだ。県大会では愛知、岡崎城西と戦うことができた。２勝をあげれば１段ステップアップできる。そして、その先まで進むことがわれわれの目標だ。再スタートの準備を。
　
2007/4/30 (Mon) さあ、最後の決戦だ
準決勝
滝17(8-7,9-5)12津島東

互いに決め手をかく重苦しい展開に。前半は8-7と1点差で折り返す。後半も1次同点とされる場面とあったがすぐに取り返し、後半じわりと引き離して決勝進出を決めた。

決勝
滝16(8-10,8-9)19起工業

滝のポストシュートで先制、しかしすぐに相手1年生センター、エースに取られる。７ｍｔのチャンスをキーパーに阻まれなかなか追いつけず序盤に主導権をとられる。起工業＃１１、＃１８に得点を許すもミドルシュートで追いすがり10-8の2点差で折り返す。後半も2人に連続得点を許し苦しい展開に。20分過ぎから滝の反撃で4連取したが、最大7点差まで開いた得点差を生めることができず16-19で悲願の優勝はならなかった。

　1年間の目標が達成できなかったことは確かに辛い。しかし、今日の試合でもミスで負けたわけではなく、後味の悪くない敗北であった。昨年からの試合経験を持つ選手との経験の差があったかもしれない。だとすれば最後の大会となる県大会までにその足りない部分を埋めて試合に臨まなければならない。シュート力のある選手へのディフェンス、そして何よりシュート技術。課題を浮き彫りとし目標達成へひた走ろう。
　県大会、更なる高い壁が立ちはだかることになるだろう。しかし、あえてそこに挑んでいきたい。あきらめるのは簡単だ。しかし、最後の最後まで残り1秒まで執念を燃やすのが滝高ハンド部の伝統だ。さあ、最後の決戦だ。
2007/4/29 (Sun) いよいよ決戦
準々決勝
滝40(22-7,18-10)17美和

前半で試合を決める理想的展開。新メンバーも奮闘した。

さあ、いよいよ決戦だ。気負うことなく平常心で戦えそうな雰囲気だ。ここまできたら、無心に突き進むだけだろう。全力を出しつくそう。
2007/4/28 (Sat) 気を抜かず一歩一歩
2回戦
滝38(22-2,16-11)13一宮北

　立ち上がりからほぼノーミスの展開。ミスも積極的なものが多く十分合格点だ。後半のメンバーも失点は多かったものの得点力でカバーできた。新1年生の活躍も目を引いた。

　次の準々決勝は、鬼門の１つ。昨年の総体でも、新人戦でも苦い思い出が残る。払拭できるよう気を引き締めて取り掛かろう。頂点に上り詰めるまでは。

【女子】
1回戦
滝５（3-9,2-11)２０津島

前半15分までは３−４と大接戦を演じるが、残り3分をきって5連取をゆるす。後半も奮闘するも2点をとるのがやっと。残念ながら初戦突破はならなかった。3年生2名はこれで引退となった。ぎりぎりの7名で夏の大会にのぞむ。
2007/4/27 (Fri) 感謝の心
　いよいよ明日からインターハイ予選が始まる。選手に何を伝えたらよいか、思考をめぐらす。頭にふっと浮かんだのは、感謝の気持ちだった。戦いを前にして平常心に望むにはこれしかないと。余計な力が抜ける。無心で勝利に迎える。つらいこともあったであろう。思い通りにならないこともあっただろう。これからもあるだろうし、その方がこの先多いのかもしれない。しかし、全てのことに感謝の念を表すと、全ての視点が変わる。全てのことがありがたいことに思えてくるから不思議だ。目を閉じ、3年を振り返り感謝の気持ちで試合に臨もう。信は力なりだ。
2007/4/26 (Thu) チームTAKI
　突然のスコールや強風に悩まされながらも、PTA総会の都合で少し長めの練習時間を確保することができた。大会まであと2日、何ができるか。
　ジョン・F.ケネディ大統領の大統領就任演説は「Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.（祖国があなたに何をしてくれるかを尋ねてはなりません、あなたが祖国のために何をできるか考えて欲しい）」という名演説であった。アメリカ人にアクティブ・シチズンたれと説いている。ケネディがキューバ危機を13日間の命を削る交渉で回避した映画「１３days」を見ると、大統領や首相の功績とされるものも多くの国を思う人の集う組織によってなされていることがよく分かる。
　アテネ五輪で水泳金メダリストの北島康介選手の「チーム北島」が有名である。北島に金メダルと取らせるという目的のもと、水泳コーチのみならず、映像分析、コンディショニング、肉体改造など多くのスペシャリストが集まった。
　尾張の優勝カップ奪還の目的のもと、今こそチーム47人（赤穂浪士も47人）の力を結集しよう。われらこそチームTAKIだ。
2007/4/25 (Wed) イメージを高める
　猫の目のように変わる天候だったが、午後からは晴れ間も見え、心地よく練習することができた。大会前の気負いもなく、よい練習ができたように思う。
　よく「身のこなしがいい」とか「状況判断が優れている」「球捌きがよい」などと言われる選手がいる。いわゆるセンスがある選手だ。スポーツ科学では「コーディネーション」と呼ぶそうだが、昔の子どもたちは野山や田んぼのあぜ道などアップダウンのある場所を駆け回り、自然と体の調整能力を身に付けていたという。現在の選手はどうかといえば、確かにバランス感覚が少し欠如する選手はいるものの少なくともわれわれの世代（1970年代生まれ）とはそれほど変わらないように思う。同じスタートラインで始めた選手でも早く身に付けるものもいれば、少し時間のかかるものもいる。経験のあるなしだけでもなさそうだ。頭のなかでどういう場面かを想定して練習する、すなわちイメージを高めて練習することがセンスを磨くことになるのだ。指導者がよく「考えてプレーしろ！」といわれるのはこのためであろう。
　試合が近づくにつれ、（勝ちたい思いが強くなることが前提だが）自然とイメージが高まる。今こそセンスを磨くチャンスの時期だと考える。岩倉の体育館で決勝を戦い勝利する。そのイメージを胸に明日も練習をしよう。
2007/4/24 (Tue) 「勝たねばならない」でなくてよい。「勝ちたい」でよい。
　滝学園中高６学年の遠足の日。高校３年生は長島スパーランドへ。高３生にとっては受験へのプレッシャーが高まる中でほどよい気分転換ができたように思う。
　学校に帰ってからは３学年そろっての練習。大会までにできることを確認する。体は物理的化学的変化が必要なため、上達にはそれなりの時間が必要だが、意識や知恵や考え方は果てしなく高めることができる。それは個人的なもののみならずチームとしても高められる。よくいう１＋１を２で終わらせない、無限大に広がるチームワークだ。
　大会１週間前。とくに決戦を前にすれば、緊張するに決まっている。試合当日に緊張するよりも今からイメージを想定していくことが必要だろう。ただ、現実を見つめれば滝は、チャレンジャーである。「勝たねばならない」と義務感で考える必要はない。「勝ちたい」「優勝したい」と主体的な思いだけでよい。負けはすべて監督の責任だ。選手はこれ以上できないほど練習してきたのだから。
　自分の誇りをかけて「勝ちたい」と心から思おう。
2007/4/23 (Mon) いろんなドラマ
　他地区では、土日で予選が行われたところもある。激戦やドラマが生れたようだ。
　男子は練習休養日であったが、グランドでは普段なかなか指導できない女子の練習を行った。高３生2名はこの大会が最後の大会となる。なかなか思うような練習ができなかったかもしれないが、満足のいく試合をしてほしいと願っている。すばらしいドラマの主人公を最後は演じてほしい。
2007/4/22 (Sun) 成熟した個が強い組織をつくる
　本日も午前中、滝学園体育館で実施された滝中学の試合を観戦した。本日は危なげない試合であった。
　いろんなレベルの試合を見ると、普段見えないものも見えてきて興味深い。非常に組織化されたチーム、選手の個人技で勝負するチーム、それぞれに特性がある。サッカー日本代表で例えるならば、組織のトルシエ、個重視のジーコといったところか。ドイツW杯の結果のみを取り上げて後者が誤りであるとは到底思えない。
　高校の試合でも伝統ある強豪校には、ディフェンスシステム、速攻の形、セットのフォーメーションなどシステムを持っており、なおかつ、強い個が高確率でシュートを決めてくる。両者を併せ持つチーム独自のスタイルがある。
　大会までのわがチームを考えると、まだまだ個が伸びる可能性を秘めていると思う。この時期から個は伸びないと思われるかもしれない。しかし、勝利を強く意識し、自分を省みるならば、コートの中での任務や役割が今にもまして明確になってくるだろう。歴代のチームもここから地区予選まで、地区予選から県大会まで、数時間での成長はすさまじかった。賢者、滝高生の本領を今こそ発揮せよ。
2007/4/21 (Sat) 軍師のような知略を
　今日は午前中、滝学園体育館で初の公式戦が行われた。中学の春の菅内大会だ。尾北地区６チームによる総当たり戦で実施された。地の利を活かすことができず３連敗と苦しいスタート。明日の残り２試合は白星で飾り、夏へとつなげてほしいと願っている。成長過程の中学生は、自分で自分をコントロールすることが難しい。高校生だってそうかもしれない。普段、となりのコートで見る練習は、まだ、自分を高めようとする意志が揺らぐことも見受けられる。敗戦は悔しい。そう思えば、練習への取り組みは変わるだろう。敗戦の試合後の目がそれを物語っていたのが頼もしい。
　午後からは第４グランドで高校生の練習。大会に向けてのつめの練習が続く。普段の制服を着た選手たちは、素直で人間的にも素晴らしい生徒たちばかりだ。しかし、勝負の世界では言われたことを忠実に実行するだけでは一定レベルまでは進歩するもののその先に進むことはできない。蜀の国の諸葛孔明、武田信玄の山本勘助、時には敵を欺き、時には謀略をはかり主君の勝利に貢献してきた。相手のディフェンス隊形や攻撃のパターン、いろんな情報を入手し、相手の嫌がる攻撃や防御をしていかなければならない。
　よくある戦力分析ダイヤモンド。パワーやスピード、シュート力やフェイント力も大切な要素だ。しかし、知力・先見性・判断力・調整力なども戦力となる。
2007/4/20 (Fri) 組合せ
　本日の顧問会議で組合せも決まり、いよいよ頂点に向けての戦いが本格的に始まった。他地区では明日から大会を迎えるところもあり、今日の夜は、いろんな思いで高校生は布団の中にいるのであろう。中学での経験、チームメイトの力量、顧問の先生の指導、いろんな事情がそれぞれのチームにはあるのだろうが、どんなチームでも、一生懸命やってきたチームには、それまでの自分の奮闘に誇りを持ってほしい。ひたむきに目的に向かって努力したことは大きな財産になるからである。
　勝負である。これからの戦いは、滝高校も含めてそういう思いのチーム同士の戦いが続いていくわけである。正々堂々と力の限り戦うことが自分にも相手にも誇りを与えるのだ。与えられた時間、まだまだ自分を高めていこう。
2007/4/19 (Thu) 締め切りのうまい使い方
　日本晴れというにふさわしい好天に恵まれて、通常の練習を行った。気持ちのよい練習日和であった。
　毎年、つくづく思うのだが、大会の日程が迫るにつれその日をピークに持っていこう、１００％力が出せるようにようにしようと意気込む。しかし、現実的には、その日の「締め切り」が逆にプレッシャーとなり、存分に力が発揮できないタイプの人間も多いことだろう。人生に節目は必要だ。だらだらと日々をすごすよりも節目、締め切りがある人生のほうがはりがある。その締め切りまでに完璧主義者になる必要はない。勝負は時の運ともいうが、ハンドボールは強いものが勝つようにできているし、無駄な力が勝敗に影響するわけでもない。かといって準備をしなければ結果はやる前からわかってしまう。大会は４月２８日から始まる。第一の目標達成の期日は４月３０日だ。力まず、緩めず、その日までを迎えたい。明日は抽選会。一週間後に大会前日を迎える。決勝に勝って胴上げをされる場面をイメージしている。その光景しか思い浮かばない。
2007/4/18 (Wed) 独立心
　授業の合間にインターネットの雲の様子とにらめっこの1日だった。５限3時25分を回った頃に雨がぽつぽつと降り始める恨めしい天気だったが、何とか小雨にとどまり、5時30分ごろまで練習をすることができた。
　高1のクラブ本登録の日でもあった。公立中からの進学組は4名から1名へと減ってしまったが、それでも19名の「新入部員」が登録した。総勢47名で5月の県大会までを戦うことになる。
　大会までの期間を逆算して今はチームの組織固めの時期であるが、レギュラーメンバーのみの狭義の組織固めだけではなく、47名の広義の組織固めも重視した練習メニューを組んでいる。人数が多い中で重要なのは独立心だろう。
　鉄鋼王とよばれたカーネギーが成功の秘訣を聞かれた時に、こういうことを言ったという。「それは、まず貧しい家に生まれることである。というのは、この社会の荒波に身を投じるにあたっては、やはり自分の力で泳ぎきる覚悟がなくてはならない。最初は一個の浮き袋、一個の救命具、一粒の食物といえども携帯せずに進まなくてはいけない。さもないと依頼心が起こってくる。大切なのは独立心だが、貧しい家の子は、最初からそういう境遇にあるわけで、むしろ金持ちの子ははなはな不幸だといえる。」
　大勢仲間がいると、誰かがやってくれるという依存心が生まれてしまう。誰もがそう思えば誰もやらないということも起こりうる。「独立の気力なき者は国を思うこと深切ならず」は福沢諭吉の言葉。独立心なきものが50名集まっても烏合の衆のそしりをまぬかれない。独立心をもって練習に臨もう。
2007/4/17 (Tue) ポジティブシンキングは感謝の心から
　今年から高校３年生の理�供憤綮�薬コース）の担任となり、毎週火曜日は通常５限（６５分）終了後さらに６５分の授業を受けた後の終礼がある。グランドに誰よりも早くが信条の私もさすがに、火曜日は誰よりも早くグランドにいくことはできなくなった。さらに、新高１の部員数名が昨年に引き続き、火曜日呼び出し授業に引っかかりましたと頭を下げに来た。勉強は「させていただくもの」と感謝の気持ちで考えれば、その時間は、同じ授業料を払う他の生徒よりもよく勉強できるとも思える。グランドにいけないことも「選手を信じることを学びなさい。」という試練を与えていただいているとも考えられる。
　選手の怪我や病気にも監督は悩まされる。それも感謝の気持ちで物事をみれば、選手にとっても監督にとっても自己を反省し学ぶべき教材を与えてくれる。
　悩みのない人間はいない。悩みの根源は、現状を変えようとする前向きな心の現われでもある。大事な試合前、受験の前、入社試験や資格試験の前、さらにうまくやろうとすると余計なプレッシャーもかかる。そのような時は、まず、感謝の気持ちをもう一度思い出すことだろう。考え方を変えるきっかけがつかめる。
2007/4/16 (Mon) 集中するには集中するな
　大会が近づいてきた。あと２週間で開幕する。毎年、体調管理、コンディショニングとともに気をつけねばならぬことに心の問題がある。試合中は集中しなければミスが生まれ、チームにとってよい結果は生まない。しかし、２４時間常に大会のことを考え、常に緊張感を持続することは不可能であるし、ぴんと張った弓矢の弦のようにふとしたことできれてしまう危険もあるだろう。往年の女子マラソンランナーのノルウェーのイングリッド・クリスチャンセン選手は、結婚して子どもが生まれてから急に記録が伸びたという。その理由を彼女はこう語る。「それまでは競技のことばかり考えていた。十分にリラックスすることもなかったし、レースでは逆に精神集中ができなかった。子どもができてからは練習時間は減ったけど、すごく集中できるようになった。」
　仕事でももったいないとか無駄な時間と考えがちだが、たわいもない雑談がリフレッシュに効果的なこともある。（試合で）集中するには、普段はリラックスをして気持ちの切り替えをすることが大切だ。試合で平常心を作り出すには、今日の日を贅沢に過ごしてほしい。
2007/4/15 (Sun) 軍勝は五分を以って上となす
　NHK大河ドラマ「風林火山」の武田信玄の有名な言葉、「人は城、人は石垣、人は掘」。歴代最多人数の現チームにとっては、一人一人の部員は城であり、石垣であり、堀である。下の句は「情けは味方、あだは敵なり」と続く。プレーにおいては調子のよいとき悪いときがあるし、コンビネーションがあわないときもあるだろう。味方にいらいらした感情をぶつけてもなんにもならない。ミスをしたら「気にするな」、ナイスプレーには賞賛の声を。自己を反省し、チームのために自己を鼓舞するようになれば、チームはもっと強固な城になるであろう。
　「軍勝は五分を以って上となす」も信玄の言葉。七分勝つと怠りが生じ、十分勝つと驕（おご）りが生じるという。本当は練習試合を含めてすべての試合を勝ちたいのだが、大会までの日々、怠り、驕りを戒め、優勝までひた走ろう。
2007/4/14 (Sat) 何でもないことの積み重ね
　平常授業が始まってはじめての週末を迎えた。毎年この時期は慌しく過ぎていくが、今年は大会の日程が１週遅く始まるため、じっくりと構えてチームを仕上げていく。振り返れば１年間、長いようであっという間に過ぎたとしみじみ思う。日々の積み重ねが選手たちを成長させてきたのだろう。
　好きな中国の格言に「１００里を行くものは９０里を半ばとせよ」がある。ここからが特にコンディションを整えたり、体のケアをしたり細心の注意を要する時期なのだ。気がはやってピークが早すぎてもいけないし、スローペースで頂点が遅すぎてもいけない。４月３０日の決戦の日を頂点にしなければならない。
　松下幸之助の「何でもないこと」というエッセイ。「焼き芋屋のような簡単な商売でも、一日の商いが終われば、いくらの売り上げがあったか、やっぱり計算し、売れれば売れたでその成果を、売れなければ売れないかをいろいろ検討してみる。そして、仕入れを吟味し、焼き方をくふうし、サービスの欠陥を反省して、明日への新しい意欲を盛り上げる。これが焼き芋屋繁盛の秘訣というものであろう。」
　今、滝高ハンド部はこのように日々反省し、明日への活力を引き出していく時期だろう。尾張の頂点までたゆまぬ努力を。