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顧問の練習日記です。

2006/10/2 (Mon) メディアの力
 月曜日。今日も練習は休み。テストも近い。選手も計画的に勉強を進めていることと思う。
 国体情報などをチェックしようと協会ホームページを閲覧したら、偶然、ハンドボールが少年ジャンプに掲載されるという情報をみた。業後に学校近くの本屋さんに行き、数年ぶりに漫画を購入した。
 内容は、ギャンブルに狂い借金取りに追われる、ハンドボール元日本代表の父をもつ、小学生橘大吾が英雄への道を歩むストーリーを描くものであった。ハンドボールは「空の競技」と強調されていた。
 新聞では、1面に世界レスリングの伊調馨の世界一のニュースが写真入りであった。メディアの力は本当に大きい。そのメディアに取り上げられるには、実力が何よりの宣伝材料であろう。
 有名になるために戦うわけではないが、滝の選手には、ハンドボール選手という誇りを持って日々を送ってほしい。
2006/10/1 (Sun) 「仲間を信じ」るということ
 得点には魅力もあるが魔力もある。得点は勢いを与えるが、得点でプレーに重圧を与えられることもある。得点は自分を鼓舞するが、得点で仲間を見失うこともある。
 得点で劣勢にたたされるとプレーの質がかわる。焦りが普段のプレーを奪う。「百戦錬磨」のつわものは、自分たちの力を理解しているため、あせることなく冷静にことをすすめていくであろう。
 自分で点を取ったあとは、ディフェンスも厚くなる。その分、次の選択の幅が広がるはずだが。
 仲間を信じるということは、精神的な意味だけでなく、試合の流れや勝負する配球など技術的な意味を含んでいる。今一度、言葉の力を心にとめよう。
 相手退場時など、優勢時に確実に試合をものにできる堅実で賢明なチームになろう。
2006/9/30 (Sat) 苦しい状況のときに
高校2年生の現代国語のプリントで心に響く詩が目に留まった。

無名の詩

大きな事を成し遂げるために力を与えて欲しいと
神に求めたのに
謙遜を学ぶようにと弱さを授かった
偉大なことができるように健康を求めたのに
よりよき事をするようにと病気を賜った
幸せになろうとし富を求めたのに
賢明であるようにと貧困を授かった
世の人々の賞賛を得ようと成功を求めたのに
得意にならないようにと失敗を授かった
求めたものは1つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた

わたしはもっと豊かに祝福されたのだ
(ニューヨーク大学リハビリテーション研究所の壁)

 文才のない私には論評することなどできない。しかし、心に奥底に響く詩だった。この滝高校でハンドボールをする、そして県下でも上位を目指すということは過酷なことである。それでもそのことによって得るものはまさにこの詩の意味するものと同じであると思う。
 そして、1つの試合、1つのプレーの中にも表出する。絶対に負けられない試合、絶対に課題をクリアせねばならない試合、苦しいのは当然だが、その試練をこえることで自分は成長する。今日も課題をクリアしようと懸命な選手の姿が印象に残った。
 みんなの進む道は間違っていない。過酷だが、その先にあるものを求めて明日も自分と勝負。
 勉強も頑張れ!(テスト2週間前だ)
2006/9/29 (Fri) 道程
中3メンバーがほぼフルに参加。高校生にもよい刺激を与えている。現チームは新人戦4連覇、そしてその先に進もうとしている。

僕の前に道はない
僕の後ろに道はできる
ああ、自然よ
父よ
僕を一人立ちさせた広大な父よ
僕から目を離さないで守ることをせよ
常に父の気魄(はく)を僕に満たせよ
この遠い道程のため
この遠い道程のため
(高村光太郎)

みんなで切り開こう。前人未到の世界を。3学年にわたる力を結集しよう。
中3生は自分の殻に閉じこもっている時間はない。1年からレギュラーを奪うつもりで果敢にチャレンジして欲しい。高1は眠っている自分の才能を開花させるよう日々鍛錬する。高2は目標到達のため、とにかく前へ前へ進むことだ。「勝ちたい」「負けたくない」という思いを魂に点火せよ。自ずと何をすべきかが分かるであろう。
2006/9/28 (Thu) 事上磨錬
 グランドには、所狭しと選手があふれるようになった。昨日に引き続き喜ばしいことに中3生が20名弱参加してくれた。まだまだ全員ではないので、これからまた増える予定である。女子同好会も試合ができるほどの人数が常時集まるようになり、高校部員28名(1名怪我)をあわせる40m×20mのコートに60名近くが活動することになる。現高2のチームを伸ばすことが一番だが、1年生のレベルアップ、中3生の高校プレーへの脱皮、女子の指導、とやりたいことが山ほどある。教師冥利に尽きるとはこのことだ。
 「事上磨錬」(王陽明)。日々の物事に当たって、その一つ一つに真剣に取り組むことが大切であり、それが自分を磨くことになる。
 選手も顧問もチームが自分に課題に対し真剣に取り組んでいこう。
 
2006/9/27 (Wed) パスしたら走る(パス&ラン)
 秋晴れの好天に恵まれ、心地よい気温の中で練習することができた。今日から中学生の体験入部が始まり、3名の「滝中創部メンバー」が初日から参加してくれた。今後の黄金期を築く期待のメンバーだ。明日はより多くの選手が「体験入部」してくれるという。早く3号球や高校のスピードやパワーになれて欲しい。未来のライバルは、これからJOCメンバーとして幾多の修羅場を経験していくであろう。その意味でもこの時期の練習を大切してほしい。
 中学生を交えての練習。高校生は見本を示すことができたであろうか。単純なことだが、まだ、パス&ランが徹底しない。ノーマークやアウトオブナンバー(人数勝ち)をつくるために、ディフェンスと対峙して1対1で抜くのと、走りで抜くのは同じだ。パス&ランを徹底しよう。
2006/9/26 (Tue) わずかな進歩
 5限終了後、雨が降り始める最悪の空模様。グランドで練習するか体育館で体力トレーニングするか、迷ったが、小雨になりグランド練習を強行した。少し雨も小康状態となり、1時間のみ練習することができた。練習メニューはオールコートを基礎練習。先週から継続して行っている練習だ。良い時悪いときまだまだ不安定だが、少しずつ進歩の兆しがみられる。結果として時間内での得点が増えている。地道にトレーニングをしていけば進歩していく証であろう。
 あいにく5時過ぎに雨が強くなり練習を中断せざるをえなかったが、この1時間の積み重ねが大きな進歩に繋がると信じている。明日から天気は回復しそうだ。しっかり練習して手応えをつかんで、テスト週間に入っていきたい。
2006/9/25 (Mon) 週の始まりはオセロの一手
練習試合をすると、「まだまだこれでは」と課題が浮き彫りとなり、早く練習をしてその穴埋めをせねばと気があせる。しかし、今チームははやる気持ちを抑えて、月曜日を休息日としている。月曜日、ハンドボール部員のいるクラスの授業にいくのだが、疲労が蓄積している生徒の様子も垣間見せる。しかし、顧問である自分は、月曜日こそ大切だと考えて朝のHRや授業にでかける。「はじめが肝心」とか「終わりよければ全てよし」というが、それを統合したのが「オセロの理論」であると何かの本で読んだことがある。○●●●●ときても最後の一手で○がくれば、全てひっくり返るという理屈である。決して間の力を抜いてもよいという意味ではないと思うのだが、はじめと最後はやはり全体を決める上でも重要なのである。ハンドボールの解説者がかつて「はじめの5分、終わりの5分」といっていたことを思い出す。主導権争いと、勝敗を行方を左右する終盤は、特に注意を払わなければならないという意味だと思う。
練習が休みであるハンド部員には月曜日こそ自分自身に白星であるような1日を過ごして欲しい。
2006/9/24 (Sun) 安定性、正確性
 6月に新チームに移行してから4ヶ月。歴代のチームにはないチームの「性格(個性)」が浮き彫りになってきた。もちろん、それぞれの代で特徴があり、その代ごとに長所と短所はあった。とくに短所(課題)を克服したとき、または短所を逆手にとって武器に変えたとき、一人一人の力がチームのハーモニーとなって最大限の力を発揮することができた。
 新チームの長所はパワー。おそらく歴代最高のパワーを秘めているであろう。しかし、短所は、そのパワーを制御できなくなることによる不正確なプレーである。同じ対戦相手でも大勝すると大敗を喫するときがある。ベンチにいてもどうやって点をとられたか分からぬまま、失点を繰り返していることが多い。よくよく考えれば、本来取れるはずの得点(+1)を相手にわたし逆速攻を食らって失点(−1)しているので一瞬のうちに2点差がついているのである。経験不足、練習不足、選手のパーソナリティ、などいろいろな要因が考えられる。ものには必ず原因があり結果がある。その原因を追究し、徹底して解明していけば、その短所も克服することができる。得点チャンスに失敗をするということは、味方が見えている証でもある。今は、そこにパスを通す技術がないだけ。ディフェンスのタイミングをはずしたり、パスの技術を上げたりすれば、点と点がつながる。今は新しい「繋がり」を生み出す際の「産みの苦しみ」のときかもしれない。その繋がり=ラインが形成されれば、歴代最強のチームになることができるのだが。
2006/9/23 (Sat) 男らしいハンドボール
 昨日届いた新刊宮崎大輔選手の「FLY HIGH」を読んだ。宮崎選手の幼少時代から大分電波(国際情報)時代、スペイン留学時代から、アテネ予選、スポーツナンバーワン決定戦、現在に至るまで詳細に書かれており、あっという間に読破した。自分自身、高校顧問ということもあり、大分電波時代の冨松監督の言葉「男らしく」が印象に残った。もちろん大監督との面識はないが、今年の大阪インターハイ準々決勝で、岡崎城西を破った北陸高校に劇的な「サヨナラ勝ち」でベスト4進出の瞬間を拝見しただけに、その言葉の意味深さを想像した。技術や練習量もさることながら、その精神性も指導者には欠かせないものだと思う。
 今日は、横須賀高校の大練習会に参加した。1試合目、文化祭の練習不足がたたったのか、20分ゲームで7点差をつけられる大敗。相手の前に出てくる組織的なディフェンスの前にたじたじとなって自分を失った。しかし、それ以上に失敗を取り返そうとしない選手に危機を感じた。新チームになって「失敗をおそれるな」を合言葉のように使ってきた。それは、積極的なプレーをせよ、という意で、責任を取らなくてよいという意味ではない。真剣勝負の世界で、負けて何も感じなくなったらそれはユニホームを脱ぐときだ。その言葉の後、少し選手の目つきも変わったと思った。思いが変われば勝てるほどハンドボールは甘くはない。それは承知している。しかし、そこに思いがなければ何も始まらないのである。
「仲間を信じ、己を信じ」(believe in your teammate, believe in yourself)初のベスト8に輝いた6代目に頂いた言葉だ。九州男児の冨松監督のいう「男らしさ」とは、仲間を信じ、そして許す寛容性と己と戦う勇気を含んだ意味ではないかと思う。

その後、試合はB戦も含めて全勝した。まだまだ、それほど練習試合で勝敗にこだわる時期ではないかも知れないが、「思い」だけは忘れないで戦いたい。
2006/9/22 (Fri) 心のスタミナ
 文化祭の代休で幸運にも今日は休み。先週三連休がなかった分、滝学園は今日から3連休となる。その初日、午後から学校で練習をした。夏の大会が終わり約1ヶ月、そして新人戦までも40日ちょっとの時間のなかで、力をつける一番大切な時期である。スポーツは勉強以上に一夜漬けがきかない。毎日の鍛錬が結果として実を結ぶ。
 モチーベションという言葉は、とかく自分を「他者」のように扱う。「モチベーションが上がらない自分」の原因を他に求める逃げ道に使われる便利な言葉だ。プロの世界では、報酬や名声などを追求し競技する一面もあり、モチベーションという言葉を使う意味も理解はできる。しかし、高校スポーツにおいては、やはり日々鍛錬で、すべて己のため、チームのために戦っている。打算はいらない。あくなき自己への挑戦なのだと思う。「モチベーションがあがらない」、と他人事のように自己評価するのではなく、毎日毎日が自分との戦いであって欲しい。
 チーム全体で心のスタミナを養おう。
2006/9/21 (Thu) プレーの「論語」
 己の欲せざるところ人に施す事なかれ。自分のして欲しくないことを他人はしてはならない。これは、自分のしてほしいことを他人にもしようということと表と裏の関係にある。オフェンスとディフェンスを表と裏とするならば、味方の選手は表の動きをすればよい。すなわち、自分がして欲しいプレーを状況が変わったときに自分がする。ディフェンスは裏にあたるので、自分が攻撃選手だった時にしてほしくないプレーをディフェンダーとしてすればよいのである。自分の思い込みで、状況判断ができず、勝手なパスでミスが出る。高確率のシューターをノーマークしてしまうディフェンス。ミスには要因があり、いろいろ考えなければならない。それもめまぐるしく変わる状況下で瞬時に最適な判断が求められる。少し、自分の視点をずらして(広げてみよう)みよう。速攻で一次にでている時にどんなパスを要求するか。一次の速攻の選手にディフェンスを抜いてどんな位置に走って欲しいか。
プレーの中でも『論語』の精神を忘れないように。「己の欲せざるところ人に施すことなかれ」である。
2006/9/20 (Wed) 切り替え
 今日で体育祭が終了し、長かった学園祭がすべて終了した。今日も文字通り雲ひとつない青空の下、1日体育祭で奮闘した。クラブ対抗のリレーは、オール2年生で出場し、結果は6チーム中5位。少し残念な結果であったが、出場した選手は全力を尽くしたと思うので、ねぎらってやりたい。走力は早いに越したことはないが、40mを5秒で走っても勝てないということだ。その分、周りの状況を判断してスタートを切る判断力が必要ということだろう。やはり「考える」ことが重要なのだ。
 今日は1日休み。我がホームルームにも4名のハンド部員がいるが、終礼での様子を見ると少し疲れもでてきているように思う。この休みをうまく活用して明日からの練習の英気を養って欲しい。明日1日授業の後、他校にはない3連休が待っている。みっちり練習を積んで、1歩2歩でも先に進んでいこう。県ベスト4のゴールはまだまだ先にある。
 
2006/9/19 (Tue) まだまだ反復
 日曜日と祝日を使っての文化祭だったため、今日は代休。グランドでは中学生が体育大会を実施していた。高校生は明日体育祭を実施予定である。その休日ではあったが、練習を実施した。久しぶりの休日練習で、スタミナ面で課題があったが、概ねよい練習ができたのではないか。やはりじっくり時間をかけた練習の必要性を認識させられた。
 今日もまた、一昨日、昨日と同じ練習メニュー。日々発展的なプレーが見られ、技術の向上があるが、同じようなミスも多くある。とにかく、反復練習しかない。とかく、スタミナ切れのとき、集中力をかくケースがみられ、視野が狭くなっていく。試合は50分間、せめてその間は集中して視野を広げる意識だけでも持っていて欲しい。
 週1休みの原則で明日は、特別に練習を休みにした。体育祭で疲れた体をしっかり休め、そして滝高生の本分である学習にいそしんで欲しい。クラブ対抗は威信をかけて戦うように。
2006/9/18 (Mon) 少ない時間でも反復練習
文化祭が終わった。心配された台風もかすめていき、2日間存分に楽しめたのではないか。準備もあれば片付けもある。しかし、ほとんどのクラスが手際よく片付け作業を行った。おかげで予定よりも練習時間をわずかばかり増やすことができた。といっても、時間は1時間。限られた時間の中で、今日も昨日に引き続き、同じメニューで終わった。攻撃と防御の勝負の中で、確実に得点に結び付けていくためには、自分の判断力と味方とのコミュニケーションが不可欠だ。外から口で言っても、中の選手はなかなか気づかないもので、視野を広げる、タイミング合わせるためには、時間も必要だ。反復練習を繰り返し、自分の判断力とコミュニケーション能力を高めていこう。顧問の助言もヒントに。やるのは自分だ。
2006/9/17 (Sun) 全員練習再開
 文化祭初日が終了した。心配された雨も行事の終了までは持ち、外部の方も日曜日ということもあって大勢の方が来校された。各クラスの企画も行列ができるほどで大盛況であった。選手も普段の授業から解放されてよい経験ができたのではないか。楽しいのか楽しくないかはどれだけ主体的に動けたかどうかで決まる。
 文化祭が終了した後、雨が降り始めたため、急遽体育館に練習場所を移し練習した。わずか1時間強の練習であったが、新人戦が体育館で行われることを考えると有効な練習であったと思う。企画の補修で参加できない選手はいたが、ほぼ全員で練習を再開することができた。先週1週間はまともに全員揃って練習できなかったため、これからその分を取り返さなければならない。
 プレーでも緩急は必要だ。生活においてもメリハリが大切である。遊ぶ時はよく遊び、練習する時はよく練習しよう。そしてよく学ぼう。
 
 
2006/9/16 (Sat) 明日から文化祭
 今日は文化祭前日で準備も大詰めを迎えることから予め練習は休みとしていた。朝から登校し、作業現場を見るとハンド部員も登校し、作業に追われているものもいた。どんな経験でも一生懸命やれば、グランド上の視野を広げることにつながるであろう。そう信じている。

 午後からは、稲沢市総合体育館に急ぎ移動し、日本リーグ稲沢大会の運営手伝いをした。午前中は、地元中学生女子を中心に豊田合成の選手がハンドボールの指導会を行っており、その生徒らが最後の試合まで残って選手を応援していた。こうした地域への地道な活動がやがてハンドボールをメジャースポーツに変えてくれることを願って止まない。試合は、1試合目新規参入の三重花菖蒲と北國銀行の試合であってが、これまでのキャリアの差か好プレーはあったが前半で大きく差が開いてしまった。2試合目は豊田合成対ホンダ。名門ホンダのパワーの前に前半に差を開かれるも、後半には豊田合成もサイドシュート、速攻で反撃し、見せ場をつくったが、前半の失点が響き敗戦した。

 さあ、いよいよ明日から文化祭。普段の生活では味わえない経験をさまざまな場所でしてきてほしい。そして、準備の期間は終わり、いよいよ、全体練習の復活の日でもある。天候が心配されるが、メリハリをつけて、無駄のない時間を過ごそう。
2006/9/15 (Fri) 楽しい!が基本
 午前中授業の後、4時から準備の終わった選手から試合形式の練習を始めた。グランドには高校生5名、中1が4名いたが、いるメンバーで4対4から行っていった。5分、10分たつとグランドに駆けつける選手も多くなり、次第に6対6でもあふれるほどに人数が膨らんでいった。中1には、高校生のプレーに参加を躊躇する選手もいたが、シュートをうったりポストパスを通したり、積極的なプレーをするようになった。試合後中2の選手に聞くと「試合は楽しい!」と笑みをこぼした。当然高校生も中学生相手では、思い通りのプレーができることが多く、裏をかくプレーなど勝負の楽しみを体感しているようであった。
 楽しいがすべての始まり。勝負の深い楽しみを味わおう。
2006/9/14 (Thu) 仲間が増える、交流を図る、指導力が育つ
今日は、クラスの企画のめどが立ったためか、多くの部員がグランドに足を運んだ。おまけに、中学2年生もチームができるほどの人数がグランドに顔を出した。ボールを中学ボールにして、中高合同のチームで練習試合を行った。中学が新チームになってまだ1ヶ月ほどで、まだ中高の交流が図れていないためか、中学生の顔と名前が一致しない。しかし、試合になればコミュニケーションは必ずとらなければならない。中学生が点を決めたら2点という特別ルールを採用したため、特に中学生にパスをつなげば勝つ要素が増える。自然と交流を図るようになっていった。さまざまな場面で高校生のリーダーシップが磨かれていく。中高一貫校ならではのすばらしいチャンスだ。こういう機会をうまく使って、TAKI HANDBALL TEAMのチーム力をあげていこう。
2006/9/13 (Wed) 母校の誇り
 今日から3日間は、文化祭準備のため変則的な午前授業になり、午後からは各クラスで作業を行う時間となる。いよいよあと3日。今年は滝学園創立80周年のため、17日(日)18日(月)の休日を使ってさまざまな催し物を行うため、学校をあげて例年以上に熱がこもっているように思う。多くの学外者、OBが来校するのではないかと聞いている。滝の文化レベルが評価にさらされる。 空は朝から雨模様。ハンド部員のいる1年生のあるクラスでは、すでに完成しているところもあったが、残念ながら今日は練習をすることができなかった。天気予報をみると、傘マークが並んでおり台風も心配される。みんなで作り上げた文化祭の日は何とか天気が持ってほしいと祈るばかりである。
 世間からは進学校と評価される滝学園。しかし、卒業後、勉強した思い出しかないのではあまりに淋しい。全力で学びもし、そして友と語らい、何か心に残るものを作り上げてほしい。母校を誇りに思えるようにするには、自分自身の働きかけがなくてはならない。ユニホームの胸にある「TAKI」のマークを誇りに代え、その名に恥じぬ選手になるため、今、全力投球。  
2006/9/12 (Tue) できることをコツコツと
 クラスの面談も今日で終了。明日からは変則的な時間割(40分×5コマ)で、午後からは文化祭準備の時間にあてられる。文化祭まで大詰めの作業が続いていく。
 今日は面談も終わり、クラスの企画も生徒にまかせ、気になるグランドを少し見に行った。2年生が4名、1年生が5名、9名で元気に練習していた。練習はやはり楽しい。少人数の練習でも、真剣にやれば身につくものも多い。明日は何人参加できるか分からないが、2人いれば7mtcもできる。くどいようだがクラスの持ち場が第一。もてあました時間があればの話であることは忘れずに。
 春先に使い古したボールをとある高校にプレゼントした。自分の恩師が赴任されている学校に新しくハンドボール同好会が設立されると聞いたからだ。今朝の新聞にその高校がある大会で3位に入賞するという記事が目に留まった。創部当初は滝もボールを頂き、現在のチームにまで成長させていただくことができた。次はぜひ、県大会でその高校の勇姿をみてみたい。

追伸:7代目の父母からビブスを寄贈していただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。心より感謝しております。
2006/9/11 (Mon) 躍進するチーム
 今日は、土日の練習と文化祭準備のため練習は休み。新チームになって原則月曜休みを取ることにしているが、今日はクラスの手伝いで、「休み」はもらえなかったようである。部活とは違う「汗」。いい意味でのリフレッシュになったのではないか。うれしく思うのは、ハンド部員でクラスの室長や中心的な役職を兼ねる選手が増えてきたこと。クラブ活動だけではなく、いろんな場面で信頼され、統率をはかっていくことは、ハンドボールにも人生にも役立つ。
 今朝は新聞が休刊日であったが、夕刊のスポーツ欄を見て、はっと目に付く記事(スポーツ結果)が2つあった。地元尾張の豊田合成が、昨年まで1部で戦っていた元日本代表の池辺擁するホンダ熊本に勝利。2勝1敗で白星先行。現時点で10チーム中6位に入る大健闘。9月16日地元稲沢大会が稲沢市総合体育館で開催されるが、その試合振りが非常に楽しみになった。もう一つは、先週観戦にいった東海学生リーグで大同工大、中京を破って勢いに乗る愛大(豊橋)が春王者の名城大とも引き分けていた。プレーオフ進出はほぼ確定。プレーオフ進出をかけ大同工大対中京大の戦いも注目が集まるところであろう。
 躍進するチームは新加入選手の活躍が大きいが、チームスポーツではその歯車がかみ合わないと、結果も残せない。それへのチームの選手や関係者の努力の賜物であろう。
 「他は己ならず」(道元)。躍進するチームにあやかりたいが、努力なくして躍進はない。己を磨き、滝も躍進を。
2006/9/10 (Sun) オフェンス力
 昨日に引き続き文化祭準備期間中の練習。午前中は、学校に来てクラスの準備にいそしみ、午後から練習する部員もいた。来週は、授業もカットされ準備にあたる。こういう日の練習を大切にしたい。
 ディフェンス、オフェンスはバランスが必要だが、接戦で状況を打開するのはオフェンス力だ。個々のシュート力、ディフェンスをかわす力、パスの技術、どれをとってもまだまだ決定力にかける。鍛え上げるには「ハンドボール」の練習しかないであろう。切磋琢磨して個人技をみがこう。この時期だからこそ百戦錬磨である。
2006/9/9 (Sat) 注意力、言葉の力
 久し振りの全員そろっての練習。昨日から始まった文化祭準備期間のさなかではあるが、気持ちを切り替えてハンドボールだけに集中できたと思う。夏休み中の怪我で戦列を離れていた副将も本格的に復帰。その間に成長して選手もやすやすとポジションを渡さないとプレーに燃え、チーム内の競争意識も高まってきた。試合は役職でなく結果を残せる選手、チームで最大の力の発揮できる選手が出場するもの。でないと、同じように苦しい練習に耐えている仲間も納得できないし、相手チームに対しても失礼だ。正々堂々とチーム内で技を磨き、競争してほしい。
 今日の課題は「後ろの目」であった。マークやボール、フォローの前の目は少しずつ視界が広がってきたが、ポストを見る後ろの目が開眼しない。ポストのブロックを怖がるあまり、チームのディフェンスが崩れ、反対にそこから失点を許すケースがあった。自分の周辺の視野を広げること。味方の声(聴覚)を視野に代えること。高度な技術かもしれないが、あらゆる力をつかってディフェンス力を強化しよう。
 
2006/9/8 (Fri) 遊び、楽しみから喜びへ
 毎年のことであるし、どこの学校でもあることだが、例に漏れず滝高校も文化祭シーズンが到来した。クラブ顧問であると同時にクラス担任でもあるし、選手であると同時にクラスの一員でもある。普段、部活と勉強の両立を心がけている分、文化祭と部活も(勉強も)両立させて欲しいと願う。忙しいことは当然。ようは自分自身が完全燃焼したかどうか。気持ちの切り替えをしっかりして充実した文化祭期間を送って欲しい。中途半端だけはごめんだ。
 今日は10名ほどがグランドで練習をした。日替わりの活動人数で顧問を悩ますが、その練習をいかに楽しいものにするかを考えることもまた楽しい。「楽しみ」とは、もちろん、「適当にやる」という意味ではない。スポーツの根源的な喜びを体感することだ。たとえ少人数でも全力を尽くし、ときには相手をだまして点を競うことだ。その駆け引きがのちのち大きな勝利への財産になることもある。
 土日は少し時間をいただいて、全体練習をする予定だ。メリハリをつけて集中してグランドに集合して欲しい。
2006/9/7 (Thu) 人を思いやる心が自分を成長させる
 昨日に引き続き、雨。なかなか、ハンドボールは出来ないが、選手たちは課せられた雨天メニューを自分なりにやっていると信じている。雨が小降りになり、窓からのぞいたグランドのランニングコースには黙々と走る1年生部員が目に入った。信じることしか出来ないが部員は確実に成長しているように思う。
 NHKの番組「プロフェッショナル」をみた。プロジェクトXのころから、スポーツ関係や教育問題については欠かさず見てきた番組だ。今日は島根県で英語を教える公立中学の先生が「プロフェッショナル」であった。スパルタ教育の失敗など試行錯誤を繰り返しながら、今の「楽しませる」英語教育の方法論にたどりついたという。印象に残ったのは「英語よりも大切なことがある」と一人の生徒に他人の気持ちを分からせる「教育」をしたことだ。勉強にもスポーツにも共通している「思いやりの心」。
 かつて東京中野区で母親と子ども3人が何物かに殺害される事件があった。長男は母と弟を守ろうと110番通報したが、そこで賊の刃の餌食となった。死亡解剖の結果母の死体の背中には1つの傷もなく、腕や手のひらに無数の傷が残されていた。か弱い女性の身で子どもを最後まで必死に守ろうとしたでのあろう。
 性善説、性悪説をいうつもりはないが、人間は他人のため、愛するもののために生きる本性を持っているのではないか。親の子、子の親、教師と生徒、チームメイト。己一身の幸せはない。
 6代目にもらった「仲間を信じ、己を信じ」を思い返した。思いやりがハンドボールを強くし、ハンドボールを通じて思いやりを身に付けて欲しい。
 明日は晴れそうだ。さあ、練習。
2006/9/6 (Wed) いいことだけを考えよう
宿題テストが終わると、今日から5時間目をカットして、担任と生徒との面談が始まる。その最中に文化祭の準備期間が始まり、9月は慌しくすぎていく。練習もなかなか全員揃うことが難しくなってしまう季節でもある。今日は、水曜日で会議のない「クラブ優先日」で朝からわくわくしていたが、昼前から雨が降り始めた。せっかくの練習日にと天を恨む気持ちもあったが、くよくよしてもはじまらない。その分晴れの日にしっかり練習すればよいではないかと考えた。90をこえてベストセラーを書き続ける斉藤茂太(斉藤茂吉の長男)さんは、長生きの秘訣にとにかく「くよくよしないこと」をあげている。マラソンは人生の縮図だとか、ラグビーは人生の縮図など、よくスポーツは人生にたとえられる。いいときもあれば悪いときもあるし、山あり谷ありなのがスポーツの試合であり、人生である。試合中にノーミスの選手はほとんどいない。であるならば、そのミスも監督やコーチからの罵声も「あっけらかん」と忘れられる強い(図太い)精神のほうが人生は楽しく生きられる。次に好プレーをし、試合に勝つことを考えた方がプラスになるであろう。雨で練習ができなくストレスがたまりそうな季節になったが、いいことだけを考えて生活しようと思う。
2006/9/5 (Tue) 日常から
 宿題テストも今日で終わり。1日4教科、5教科当たり前の過密スケジュールのテストも終わり明日からいよいよ日常の生活がはじまる。今日も2時15分に試験が終了したため、いつもよりは少し長めの練習をすることができた。あいにくの会議でグランドには1時間足らずしかいることは出来なかった。怪我で戦列を離れていた副将も復帰し、秋の気配のせいか、みんなの動きにも切れが出てきたように思われた。
 基本に立ち返りシュートや1対1の駆け引きを重点的にトレーニング。すこし、意識をするだけでこころなしかシュートスピードも上ってきたように思われるし、駆け引きも単なるシュートから裏をかいたシュートを打てる選手もできたように思う。オフェンスもディフェンスも上達するという意思を持つのと持たないのでは、この「日常」での練習の積み重ねにより、数日後に大きな差になるであろう。差をつけるのか、つけられるのかは本人次第。休日練習も大切だが、日常の1日1日をますます意識して練習していこう。
2006/9/4 (Mon) メジャースポーツ
 今日は、宿題テスト初日。明日の試験のため、今日も練習は休み。選手たちは本業の学業に集中してほしいが、自分の教科の採点をするとハンド部員の芳しくない成績も目にしてしまう。他の教科に力を注いでいたと考えよう。
 土曜日から日本リーグも開幕した。ここ尾張の地にも「豊田合成ブルーファルコン」がある。数年前から日本リーグに参戦し、今年は1部・2部統合で、すべての試合が有料大会となる。尾張の中学・高校の顧問の先生が運営委員となり、今日はその打ち合わせ会が開かれた。一番の課題はなんといっても「観客動員」。愛知県は実業団の数では日本一だし、大学や高校、中学もトップレベルに迫るチームを要するが、全国的にはマイナースポーツの部類とされてしまう。知恵と工夫を凝らし、何とかメジャースポーツになってほしいと願う。一番の魅力は「強さ」である。尾張のチーム「滝」が県下でも全国でも常勝チームとなりその名を轟かせれば、尾張のハンドもメジャーになるのではないだろうか。尾張の看板を背負って立ち全国区にする。それぐらいの気概をもって練習に臨みたいものである。
2006/9/3 (Sun) 東海学生リーグ観戦
 夏休みはあけたが、明日から宿題テストが始まるため、大切な休日練習も今日はお休み。午前中、東海学生リーグの観戦にでかけた。母校の応援もあるが、新聞で愛知大学が「四強」の一角大同工大を1点差で下したという結果をみて会場の中部大学に足を運ぶ思いにいたった。第1試合の中部対愛知学院は、前半で中部が圧倒。同じく名城大対愛知学泉は、前半4点差で愛知学泉が食らいついていたが、後半引き離されていった。安定感では中部大だが、春優勝の名城大との直接対決(プレーオフがあり2試合)は、好ゲームが期待できそうだ。2試合目は、教え子が両コートで活躍した。パンフレットにも「滝」の名前が増えてくるとうれしく思う。3試合目が本日の目玉カードといってよい愛知大学対中京大学。両チーム新加入選手が大活躍し一進一退の大激戦。残念ながら前半で会場をあとにしたが、1点差で愛知大学が中京大をやぶった。愛知の強さはフロックではないようだ。大同工大対名古屋文理も前半同点。「四強」とはいえない戦国時代の東海学生リーグになったようだ。
 数年ぶりの東海学生観戦であったが、会場は高校の大会とは違う雰囲気で、関係者やOB、学生、保護者の方が多く詰め掛けていた。なかなか、時間は取れないが機会があればまた教え子の応援にかけつけたい。
 高校の部活動とは違う大学学生リーグ。その歳、その時代に応じた学ぶステージがそこにはあると思う。自由な大学生活だが、あえて規律と目標のある世界を選ぶ学生はすがすがしい。
2006/9/2 (Sat) だますかだまされるか
新学期がはじまって最初の土曜日。これから、約2ヵ月後に新人戦が始まる。この間の時間をどう使うか。結果は「優勝」しか、考えていない。コップの水のたとえではないが、「あと2ヶ月しかない」と考えるか、「まだ2ヶ月ある」と考えるか。夏の大会で優勝という結果が得られなかったがあえて、後者の考え方をとりたい。じっくり腰をすえて、個々の能力を高めていきたい。物理的な「力負け」もあった。しかし、裏をかかれるプレーにもやられた。フェイント、シュート、ポストパス、ハンドボールは、誤解を恐れずにいえば「だますかだまされるか」が勝敗を分ける要素にもなる。もちろんスポーツマンシップに反するプレーではない。個々の的確な判断力がなければ、相手をだますことはできない。その判断力を養いたいと思う。
2006/9/1 (Fri) 正確性から創造性へ
今日から新学期がスタートした。あいにくの雨空でグランド練習は行えなかったが、体育館の空きスペースで基礎練習を2時間ほど行った。基礎練習と聞くと「走る」などの体力系、筋力系のトレーニングと思いがちだが、今日は「正確性」を向上させるためのトレーニングを行った。試合で「ミスを減らす」という意味もあるが、正確な身のこなしによる新しいパスや新しいシュートを創造するためだ。試合に出ているメンバーでもまだ、無駄な動きが自分のプレーを狭めているところがある。確かなフォームから新たなプレーを創造するように。
2006/8/31 (Thu) 原点
 夏休み最後の日。頭の中は明日からの練習再開で、どんなことを新人戦までにしていくか?ばかりが占める。目標を「夏優勝」と設定しておいてそれを達成できなかったのは、監督である自分の責任でもある。決勝での敗戦。「経験の差」だけで片付けては進歩がない。絶対に勝つ道があったはずだ。考えれば考えるほど、「決定力の差」という考えが頭に浮かぶ。決定力を生み出すパスフォームやシュートフォームを選手に徹底できていなかったのではないか。また、フォームのみならず、形式にこだわり、ディフェンスとの駆け引き、キーパーとの駆け引きなど、「相手より巧く」のコンタクトスポーツの原点をとことん追及していなかったのではないか。
 明日からは学校が始まり時間的制約のなかで、練習が行われる。「相手より巧く」の原点から始めようと思う。
2006/8/29 (Tue) 主体的な勉強
 滝に新卒で赴任してもう10年以上がたち、高校3年生も2学年、担任として送り出してきたが、受験に成功するタイプの生徒、失敗してしまうタイプの生徒、何となくその分類が分かってきた。成功するタイプの生徒は、ふとしたきっかけか、明確な目標設定があり、早い段階で「自分のために」勉強を始めるタイプ。反対に、塾に行かされ、目標もあいまいなまま何となく勉強をするタイプの生徒は(100%とはいわないが)時間切れになって翌年再チャレンジとなってしまうことが少なくない。
 自分のために何かを知ろう、身に付けようと思うと不思議なことに勉強がものすごく楽しくなる。自分にとっては今ハンドボールがまさにそうだ。どうせなら楽しんで生きたほうがよいではないか。
 一つのことに集中すると視野が狭くなるといわれるかもしれない。ある友人に聞いた話であるが、会社の経営者が将棋の羽生名人に会社の問題点を世間話として愚痴をこぼしたところ、問題の本質を的確に指摘したという。究極の世界には、普遍的なものがあるのであろう。
 勉強は自分のため、そして、勉強は究極的には社会のため。主体的にいろんなものを勉強しよう。
2006/8/28 (Mon) 宿題
 夏の対戦から一夜明けた。選手のみんなも宿題に追われていると思うが、顧問も例外ではない。新学期の準備は山済みで、今日は休日返上で朝からその片付けにとりかかった。午前中には、先日に引き続き5代目OBがTシャツを引き取りにわざわざ学校を訪れてくれた。新しい生活がそれぞれに始まり、つかの間の帰省でまた、各地で日常生活をおくることであろう。その生活の中でも滝高ハンドボールを思い出してくれることは顧問冥利に尽きる。
 机の上の「宿題」も一段落。第4グランドの中学生の様子を見に行った。少しぬかるんだグランドで元気に練習をしていた。ゲームに参加させてもらい、15分×2本のゲーム。1,2年生とも、ミスをおそれずひたむきにプレーをしていた。ゲームの中でボディーバランスやゲームの駆け引き、勝つことの喜びを1つ1つに身に付けていくのであろう。
 彼らの夢は僕の夢。いつの日か、TAKIのユニホームを着た選手が全国大会のコートを駆け回る。それを実現させることが、自分の宿題であり宿命だと思っている。
2006/8/27 (Sun) 自分を見失わず再チャレンジ
準決勝
滝26(13-7,13-5)12一宮南

 相手左利きエースの豪快なミドルシュートで幕開け。しかし、その後は滝の速攻が決まり、9分で5-1と主導権を握る。両チーム1点ずつ取り合ったあと連取を許し12分で6-4と詰められるが、すぐさま2連取で突き放しにかかる。左エースのミドルなどで詰め寄られ18分で8-5となるが、滝の3連取11-7。相手7mをセーブするキーパーの好守もあり、13-7で折り返した。
 後半も滝のペースで開始。2分で2点連取し15-7。滝の退場、7mTの場面も1点にとどめ5連取で勝負を決めた。2度目の滝退場後も、5人の場面でミドルシュートが決まり、完全に滝のペースに。相手は、センターのミドルで追いすがるも滝の速攻が冴え、26-12で大勝した。

決勝
滝14(6-12,8-16)28起工業

 起工業#18のミドル2連取で幕開け。警告7MTもきっちり決められ0−4と起のペースでスタート。滝センターのカットインで1点返したが、反対に滝の7mtはキーパーに阻まれなかなかペースに乗れない。16分過ぎ、起の4連取で4−11と苦しい展開に。終了間際速攻で追いすがり2連取、しかし、最後のキーパーからの球出しが不運にも相手ディフェンスの手にあたり、そのまま押し込まれて6-12で前半を折り返した。
 後半、滝の得点で始まったが、#18のミドルですぐさま奪い返される。滝も得点をあげるが、その間に失点も増え、結局14-28のダブルスコアで「夏優勝」はまた来年の課題に持ち越しとなった。

 この夏をこの大会で総括すれば、けが人が出る中で、前回7月と同じ順位はまずまず。しかし、目標を達成できなかったことは、やはり「課題」だ。とくに決勝では、見た目にはミスに見えないが、簡単な飛ばしパスによる失点やフォーメーションに「だまされる」など、ディフェンスの「視野」「予測」が課題であろう。トリッキーなパスやパスフェイクにだまされない「目」を養わなければならない。エースに打ち込まれているのも、視野外の走りこみに対応できていなかったり、フォーメーションを逆読みして先に動き、その裏で打たれるケースが多々あった。
 攻撃力もまだまだこれからである。攻めあぐねるということはほとんどなかったが、形はできているのにシュートが決まらないというケースもあった。
 ディフェンス・速攻・セットオフェンス、優勝できるまでの力がなかった。こちらのミスで負けたわけではないので、今日の敗戦は必ずや次にいきてくる。ディフェンス・速攻・セットオフェンス(特にシュート力)の精度を上げることが何よりの課題。来た道に迷うことなく、その先にある道を信じてひたすら進めばよい。
 新人戦は4連覇がかかる。しかし、その重圧など気にしなくてよいと思う。自分を信じ、目標に向かってひた走るのみ。
2006/8/26 (Sat) 2試合勝ち上がるまで
滝41(24−3,17−10)13美和

準々決勝はおそらく過去最高得点の試合であった。
しかし、すぐに気持ちを切り替えて明日に備えるように。

準決勝で力尽きてもいけない。決勝の前半で勝負を決められてもいけない。とにかく、何が何でも2試合続けて勝利すること。1戦1戦に思いを込めて戦うこと。集中力の持続。精神的耐性。あらゆることに、ひいては「生きる」ことに必要な要素だ。心を落ち着けて、明日を迎えよう。夏の奇跡をおこそう。
2006/8/25 (Fri) 優勝まで1つ1つのプレー大切に
滝25(15-3,10-6)9五条

2回戦危なげなく勝利。
昨日の日記にも書いたとおり、今大会は「自分との戦い」。ミスを減らし、貪欲に点数を取るためのプレーを遂行するのみ。1つ1つのプレーを大切にして、試合をしながら上達することを目指そう。

今大会は県大会につながる大会ではないが、新人戦では、準々決勝は「県大会出場権」をかけた試合で、準決勝、決勝とは違う独特のムードの戦いとなる。かつては優勝したときも苦しんで勝ち上がったこともあった。緊張感もしっかり経験するように。その緊張感の中で、自分のプレーを磨くこと。それが頂点への道につながる。
2006/8/24 (Thu) 2度目のチャンピオン・チャレンジに向けて
 7月の大会からはや1ヶ月。この夏も例年以上に過酷な練習の中、「優勝」の2文字にむけて、頑張ってきた。やりたいことや休みなど犠牲にし、練習してきたのは、明日からの大会で優勝するためである。
 この大会まで他校の3年生の参加が認められている。今まで、あと一歩、あと1点というところまでいって優勝を逃すことはあるが、優勝はない。
 6月に3年生から滝のユニホームを引き継ぎ、また、同時に、目標の「県ベスト4」も引き継いだ。県下で強化する私学が増える状況の中で、あえてその目標を修正しなかった。これは、過去の壁を越えなければならないことを意味する。
 その意味で、今大会の「優勝」は、歴代チームがなしえなかったことを目指すわけで、壁を越えることと同意義と考えられる。すなわち、この優勝の意味は「自分への挑戦」なのだ。秋の新人戦、そして春の総体と、まだまだ戦いの行程は長い。しかし、今、勝負の時なのだ。
2006/8/23 (Wed) 仲間の力
 今日も午後からグランドで練習。今日は多くの仲間がグランドに駆けつけてくれた。
 練習前には、5代目OBが4名、現役が作成したTシャツの購入のため、グランドに駆けつけてくれた。卒業後もチームを大切にしてくれるOBに感謝している。
 その後、中3生が全員、あいさつのため、グランドに来てくれた。すでに高校Tシャツを購入し、高校でもやるき満々の選手もおり、非常に頼もしく感じた。創部当時中学1年生だった選手。まだ、無邪気で時にはしかったこともあったが、今ではこうしてあいさつに来てくれるまで心も体も成長している。多くの部員に仲間に加わってもらい、本気で全国を目指したいという思いが自然とわいてきた。
 練習の合間に行った女子同好会と男子1年生の試合で、今まで点を取ったことのない女子1年生が始めて得点した。その笑顔はスポーツの原点なのかもしれない。
 怪我で歩行も困難であった部員2名が久しぶりにグランドに顔をだした。全員揃っての滝高校ハンド部だ。練習できないつらさは痛いほどわかる。しかし、今は自分の役目(怪我の完治)が何よりの練習になるであろう。
 仲間の力を結集し、栄冠を。

追伸:Tシャツはまだ若干在庫があります。
2006/8/22 (Tue) 真剣勝負
今日から大会までの3日間はグランドでの最終調整となる。練習試合のメリットは「見える敵」がいることで、内容にこだわりながらも、その相手に勝つことで、自身のモチベーションを持続できる。チーム内の練習は、「敵」が「チームメイト」であり、本番の試合を想定できる高い意識を持たないと「練習のための練習」になってしまいがちである。つまり、敵は己の中にあるのだ。高い意識を持って、練習の臨めば、おのずから真剣になる。勝ちたい思いが魂に乗り移るのである。戦う選手は、その域までの精神性が練習でも求められる。紅白戦で大差をつけても、準決勝や決勝を想定すれば、「勝ち負け」以上のものが当然求められるのである。29名全員が真剣勝負をしよう。全力を尽くさぬものに勝利はない。
2006/8/21 (Mon) 確かな手応えをつかんで
 今日も午前中、全員参加の特別授業であったが、強行スケジュールで午後から犬山線沿線の高校にお邪魔して練習試合を行った。夏の大会は近いものの、この時期、結果よりも内容が問われる。
 この夏は、怪我などもあり、満点とはいえないし県ベスト4まではまだまだだが、目標としていた「尾張優勝」を狙うといっても恥ずかしくない水準までは、チーム力が上がってきたとみる。当然、ライバル校もレベルアップを図っているであろうし、戦いは戦ってみないと分からない。
 練習もこれからは、学校のグランドでの練習のみとなった。大会まで最後の最後まで自分たちの実力を高めていきたい。今朝の中日春秋には、駒大苫小牧と早実の2人のエースが「大会ナンバーワン」「すごい投手」と互いの力を認め合ったところに、スポーツマンシップがあるとある。デ杯選手で早大庭球部監督を務めた故・福田雅之助氏の「いかにプレーしたかが大事で、相手を尊敬し、真剣にベストをつくし、フェアプレーに終始する、この体験は人をつくる」と続けた。
 確かな手応えをつかんで、いざ、勝負。
2006/8/20 (Sun) トレードオフからウィン・ウィンへ
 朝、晩は少し秋の気配を感じる季節になったが、日中は真夏日が続く。8月25日から始まる大会はグランドで行われる。最終日の準決勝、決勝は2試合ある。学校で聞けば、熱中症指数は湿度の関係か今夏最高に近い値を示していたという。その大会で勝ち上がることを想定して今日は朝からグランドで練習をした。
 チーム事情から新しい戦術やポジション変更を取り入れた。チームに浸透するには少し時間がかかるかもしれない。しかし、不慣れな戦術でも試合は勝たねばならない。お金も貯めたい。でも、欲しいものも買いたい。買えばお金が減る。あちらを立てればこちらがたたず。このことを経済学ではトレードオフという。経営者も消費者も、このトレードオフの葛藤の中から最適な選択を迫られる。
 ところが、世の中には、トレードオフの関係にない第三の道がある。両者が利益を得るウィン・ウィンの関係だ。新しい戦術は自分の首を絞めるためのものではない。むしろ、勝利のために使うものだ。トレードオフからウィン・ウィンへ。勝利を手繰り寄せる手段と考え、徹底してチームに浸透させよう。
2006/8/19 (Sat) 百戦錬磨
 今日は顧問の学校公務の都合もあり、大会までの日程も考慮に入れ、練習を休みとした。選手は、一息ついて大会までの英気を養ってほしい。
 今年度は、選手の自主的な働きかけによって、早いうちから滝高ハンド部オリジナルTシャツの作成の話が持ち上がった。デザインや色、魂ともいえる言葉もすべて選手が考え出したものだ。29名の部員。怪我による休部中の選手など、多種多様な意見をまとめる選手の姿を垣間見ると、プレー以外にも様々な場面で成長している。聖書の黄金律にも「己の欲するところを人にもこれを施せ」(マタイ伝、7:12)とある。

「百戦錬磨」−たびたびの戦いで鍛えられていること。また、経験が豊かで処理能力にすぐれていること。(大辞林)

これまでの、また、これからの戦いで己を磨き鍛え、社会のリーダーたる人間に成長していこう。
2006/8/18 (Fri) 知性を武器に変えよう。
 今日から、後期特別授業がはじまった。午前中の授業の後に練習をする生活リズムで大会を迎えることになる。今日はOBが20名ほどグランドに来てくれ、現役と試合をして指導してくれた。プレーから遠ざかっているOBもいるが、激戦の中で身に付けた「間」は健在で、がむしゃらに頑張る現役をうまくいなしていた。
 彼らが身に付けた「間」は工夫の「間」である。中学での経験のない選手たちが本気で尾張優勝を目指す過程で試行錯誤を繰り返しながら会得したものである。失うものは何もない挑戦者精神から生まれたものかも知れない。貪欲にハンドボールに対する情熱から進んでハンドの知識を得ようと勤めていたようにも思う。
 現チームは、好むと好まざるにかかわらず、勝たねばならない伝統がある。そのためか、かつての自主的な研究心が薄れてしまっているようにも思う。決して選手の意識が劣っているわけではなく(むしろ勝ちたい意識は強いと感じるのだが)作られた規定路線がそうさせているのかもしれない。指導者のいうことや先輩の助言を聞いていれば、それなりの結果は残せるかもしれない。しかし、それでは、先代の壁を破ることはできない。自分の頭で「考えて、考えて、考えて」滝高ハンドボール部を刷新していこう。
 速いシュートや切れるフェンイントも武器だ。しかし、知性もまた武器になる。頭をフル回転させて、ハンドボールをしよう。
 
2006/8/17 (Thu) 根気
夏休み、2度の大会を経て、最後の8月25日からはじまる「尾張大会」の優勝を短期的な目標において、耐えてきた。新人戦のシード決めではなく、あくまでも優勝を目指すところに意義を見出す。昨日の怪我で、チームのメンバー変更を余儀なくされるが、目標を下方修正するつもりは毛頭ない。強い目標や目的をもつ以上、悩みから解放されることはない。常に課題が突きつけられてくる。1つ1つ根気よく問題を解決していくだけだ。波のように押し寄せる困難にうちかってこそ、真の力がついてくる。砂上の楼閣ではない。真の尾張チャンピオンになるのだ。
2006/8/16 (Wed) 道は険し、されど不屈の精神
わずか4日間の休みであったが、選手にとっては吉とでるか凶とでるか、不安な1日であった。開始20分で、エースの負傷(捻挫)。一生懸命プレーした結果だけに、何ともいえないが、尾張優勝に向けてお盆前に着々と準備を進めてきただけに、チームにとっても痛い怪我だ。「まだ、簡単には勝たせない」という神の思召しなのだろう。しかし、その試練を乗り越えられる力が、現チームにはあると信じたい。明日から気分を一新し、現有勢力で優勝できるレベルまで持ち上げていきたい。当然、練習はハードになるかもしれないが、不屈の精神で乗り越えていこう。
2006/8/15 (Tue) 後半戦へ
つかの間の休みも空け、明日からは夏休み後半戦のスタートである。夏の宿題は明確で「尾張優勝」だ。例年以上にポイントを絞ってこの夏勝負をかけている。それが、このあとのこのチームの大きな力になるとしんじているからだ。メリハリをつけ、目標に向け規律正しい生活を明日から心がけよう。
2006/8/12 (Sat) プレーできる感謝の気持ち、生きている感謝の気持ち
 お盆休みに入って1日目。怪我で戦列を離れている二人の2年生からメールや電話で連絡があった。二人とも愛知県選手権には出場できなかったが、思いは選手と共にある。ディフェンスエースは、冷静に現チームを分析し、自分なりに勝つ方法を模索している。復帰後はバックプレーヤー(45、センター)を狙うと意気込む。GKは目の負傷の乗り越えて、8月中の復帰を目指す。コンタクトレンズはドクターストップがかかり、高価な度入りのGK用のゴーグルを特注したと言う。プレーしたくても出来ない選手。何とか自分なりに復帰への道を目指す思いに胸が熱くなった。プレーできる幸せを選手はかみ締めて欲しい。
 日本のお盆は先祖を迎え入れる年中行事。自分の命を粗末にしたり、お金や地位や形に見えるものだけを求める「自分が幸せであれば」の時代において、今、生きていることに「お陰様で」と感謝をしながら、自分を見つめなおすチャンスととらえて有効に時間を過ごそう。
2006/8/11 (Fri) 夏休み折り返し
 予定していた夏の練習が今日で折り返した。明日からしばらくお盆休み。この夏もいろいろな学校の先生とお話する機会をいただいたが、お盆も返上で練習に勤しむチームも多いと聞く。わがチームは明日から4日間の休みに入る。
 今年の夏の目標は「優勝」を掲げている。7月のリベンジを果たさなければならない。滝高校生としてやるべきことを休み期間にやり、8月の大会にむけて全力を尽くせる体制を作っておこう。
2006/8/10 (Thu) 技術も少しずつ向上
夏休みは、各校の厚誼によりいろんな会場で練習させていただく機会も多い。体育館をお借りすることもあれば、グランドで練習させていただくこともある。今日は、グランドでの練習であった。台風一過の影響か、名古屋の気温は午前中からぐんぐん上がっていった。「心頭滅却すれば火もまた涼し(どんな苦難に出会っても、これを超越して心にとめなければ、苦しさを感じない)」というが、37度の暑さの中でも、プレーに集中して練習することができた。1年生の熱中症対策もお手のもの。たくましく成長しているようである。それに伴い技術の進歩もゆっくりだが見られる。ありとキリギリスではないが、暑い夏にこつこつと蓄えをしておけば、きっと花開くときが来るであろう。夏にもまけず明日も頑張ろう。
2006/8/9 (Wed) 求められる知性のスタミナ
夏休みの練習は今日も続く。パスミス、シュートミスで顔をしかめることが多かったが、ここにきて少しミスも少なくなってきたように感じる。選手もミスをしたくてしているわけではないのだが、もう少し敵の状況、味方の状況や自分のスピードなどを考えればミスはしなくなる。幼い子が箸の使い方を覚えたての頃は、食べ物を(落としたくなくても)落としてしまうのに似ている。だからコツをつかむまではその状況で反復練習をするしかない。ただ、その幼子もこのたべものが最後というとき、悠長に練習をしている暇はない。「必死さ」が求められる。有名なオシム語録に「ライオンに襲われた野ウサギが逃げ出すとき、肉離れをしますか?準備が足りないのです」がある。勝敗の決するその瞬間にミスは許されないのである。また、オシムは「体力的に疲れている中で、どれだけ頭を使えるかが求められる。」ともいう。過酷な練習は明日も続くであろう。「知性」のスタミナも必要だ。
2006/8/8 (Tue) 今日1日をがんばる。
 なかなか、思い通りにことが進まない。取りたいときに点を取り、守りたいときに守りたいと思うのは、ベンチだけではなく選手も同じであろう。みんな勝ちたい一心で練習している。そう思わない選手はコートに立つ資格はない。勝ちたい思いをできる限り形にしよう。最大限の努力をしてもうまくいかないのがスポーツの世界。しかし、努力しなければうまくいくはずもない。
 29名の部員のいる現滝高校ハンドボール部。当然試合に出られない選手もいる。試合に出る選手は、みんなの期待を背負ってコートに立つことを忘れてはならない。その上での技術習得である。

ある先生が町に来て禁酒を遊説した。こんなおいしいものを排斥するとは何事かと会場に乗り込んだ男が、聞けば聞くほどに納得させられ、とうとう断酒を決意した。その先生に揮毫を懇願する。「何と書こうか。」「死ぬまで禁酒はいかがでしょうか」。先生いわく「死ぬまでは大変だろう。今日一日でどうか。」男が「今日一日でいいですか?」と訪ねると、先生は「さよう、今日一日でいいのだよ。」と。
”今日一日禁酒”の張り紙の前で一升瓶を片手に12時を待ちわびていた男は12時の時計の合図に「さあ飲むぞ」と息巻いたが、壁紙をみて、「今日も禁酒か」とため息をついた。

今日一日をがんばろう。
2006/8/7 (Mon) 全員が司令塔
 夏休みは日常の学校生活とは異なり、多くのチームと公式戦、練習試合含めて対戦することができる。ハンドボールに限らず、どのスポーツでも強いチームには精神的支柱となる主将以外に、技術的な「司令塔」がチームをコントロールする。もちろん、「キャプテンでエースで4番」のような存在がいるに越したことはないが、現チームには、技術的な「司令塔」が未だ定まらずという感がある。よくいえば、それだけ選手の力が拮抗しているということでもある。ならば、それを使う手はない。全員がゲームを支配する司令塔たればいいわけだ。そのためにはゲームを熟知し、チームメイトから信頼されうる人間性を養わねばならない。失敗を繰り返し、成長していけばよい。あせらずじっくりチームをつくっていこう。
2006/8/6 (Sun) 目を開くしかない
 豊橋の県大会が終わり、次の8月25日からはじまる尾張大会に向けての練習がはじまった。目指すべきチームにむけて1日1日積み上げていく。
 7月の予選では準優勝、県大会では2年ぶりの勝利とまずまずの結果は残せたが、あえてその「結果」は忘れなければならない。ゲームでは、ミスからの逆速攻の失点パターンが続いている。なぜミスをするのか、必ず原因があるはずだ。大きな原因はプレーの選択肢の少なさだ。速攻3対2の局面で無理打ちしてシュートミス。ポストノーマークなのに無理打ちしてシュートミス。いろんな場面が考えられる。目を開き選択肢を広げるのは、「意識」と「経験」だと思う。試合形式のスピードのなかでいかに選択の幅を広げるのか。もちろん、最初はミスもあるだろう。へこたれず、チャレンジしていくしかない。目を開こう。
2006/8/5 (Sat) インターハイ「観戦」
 昨日までの豊橋から、今日は西の大阪まで移動先を変えた。インターハイ準々決勝を観戦しに住吉スポーツセンターまで出かけた。全4試合をみた。
 
 1試合目は選抜優勝の藤代紫水(ふじしろしすい)と四日市工業の試合。超高校級の選手を揃える藤代紫水に対し、四工も敢然と立ち向かい前半は互角の勝負。しかし、後半、体格差がボディブローのようにきき出し、四工の打つシュートが紫水の高い壁に阻まれ速攻に持ち込まれ、一気に引き離された。
 2試合目は岡崎城西を破った北陸と大分国際情報の伝統校対決。前半、動きの固かった北陸のミスにつけこみ、大分が1次10点差ほどの差をつけるが、自力ある北陸が盛り返し前半は2,3点差の接戦に。後半も残り5分を切って、勢いづいた北陸が逆転に成功するが、すぐに大分センターのカットインで同点。残り50秒でドラマが待っていた。北陸セット攻撃を失敗し、大分の残り10秒の攻撃、角度のないサイドシュートを放つがキーパーに阻まれ北陸ボール。ところが不運にもスリップしボールは大分に、そのボールをゴール叩き込み決勝ゴール。
 3試合目は沖縄の興南対地元の此花学院。じりじりと興南の身体能力の高さから得点が開き始め、興南の勝利。身体能力のみならずピンチでも同ぜず繰り出す高い技術に驚かされた。
 4試合目は選抜準優勝の法政二高と浦和学院の関東勢同士の対戦。紫水に劣らぬ体格をもつ法政に対し、浦和はスピードで勝負といった感じ。速攻時にディフェンスの間隙を縫って放つミドルシュートがことごとく決まり、終始ペースを離さなかった浦和が勝利を収めた。

全国の8強の対戦はどの試合も見ごたえがあった。明日の準決勝、明後日の決勝も気になってしょうがないが、会場をあとにした。

今日はインターハイの「観戦」ではなく「下見」に来たつもりでいる。近い将来、あのコートに選手たちとたちたいと願っている。夢ではない。目標だ。
2006/8/4 (Fri) 準決勝・決勝観戦
 3日連続の豊橋。今日まで残れるのは男女各4チーム。3年生の集大成のチーム、新チームで挑むチーム、それぞれのチームの思いはあるが、インターハイ出場チームを除く愛知県登録チーム全チームが参加する大きな大会である。
 新チームの愛知が他を寄せ付けず準決勝・決勝を圧勝し優勝した。準決勝の大同対市工芸は後半数分までどちらに転ぶか分からない接戦であった。3位決定戦の市工芸対明和は延長(大会特別ルールで準決勝以上は延長がある)の末、残り6秒から市工芸のフリースローからのミドルシュートが決まり、劇的な勝利を収めた。ベスト4のうち、愛知以外は横一線といったところであろう。これにインターハイにいっている岡崎城西が加わる。ベスト4への道は険しいことは間違いない。しかし、ここでたじろいではいけない。黙々と目の前の課題を克服していくだけだ。とくに、トーナメント戦は1試合1試合、目には見えない「勢い」のあるチームが突破していく。勝利への執念、試合運び、経験。この夏、あらゆるものを自分のものに変えていこう。
2006/8/3 (Thu) 実り多き豊橋大会
滝9(6-13,3-15)28愛知

点数的には完敗。しかし、内容は悪くはなかった。

 スピード、パワー、テクニックで勝る愛知のミドルや速攻で8分過ぎまでで0−7と開かれる。昨年のこの大会の岡崎城西戦の悪夢がふと頭をよぎる。しかし、主将の速攻で初得点すると、1点奪い返されたあと、怒涛の3連取で4−8と試合を立て直す。その後も失点を許すがサイドカットからの速攻、サイドシュートなどで加点し前半を6−13で折り返す。
 攻め手を緩めない愛知は後半6連取で勝負を決め、付け入る隙を与えられなかった。滝の得点も後半3点にとどまった。

 1回戦が40点ゲーム、3回戦の春日丘戦も30点を越える得点のなかで、キーパーの好守や、カットによるターンオーバーもあり、ディフェンス面の収穫は大きかった。
 攻撃面は課題が多い。この夏に鍛え甲斐があるというものだ。とにかく、全国でもトップのチームと公式戦で対戦できた意義は大きい。正月、春の2回のチャレンジで必ずや目標達成をしよう。

 目を転じれば、8月25日から再び尾張の大会が始まる。「夏優勝」という宿題が残っている。一歩一歩前進するのみ。
2006/8/2 (Wed) 前だけ向いて
滝17(8−10、6−4、7mtc3−2)16豊田北

 前半、滝の速攻チャンスからはじまったが、ことごとくキーパーに阻まれ、たち上がり苦戦する。地に足がつかない様子は両チームともだったが、滝に警告2枚が出される。相手に2点先行されるが、速攻ですぐに追いつき取って取られての攻防。4−5から連取され4−7。1点反すがすぐに3連取され5−10と最大点差の5点が開いた。しかし、終了間際に粘り3連取して8−10で折り返した。
 後半、滝が2連取で同点に追いつく。しかし、その後逆転のサイドシュートをはずすと流れは完全に豊田北へ。後半14分で一気に4連取され、10−14
と最大のピンチに。2点反し、相手退場、一時4人になる場面もあったが、痛恨のミスで点差は縮まらない。相手退場がとけ、残り3分50秒で速攻が決まり1点差。残り2分でサイドの切り替えしからのカットインが決まり同点。相手の攻撃を抑え、残り30秒でマイボールのチャンスはあったが、シュートは決まらず。最後の相手の攻撃を体を張って守り抜き、大会特別ルールで延長なしの7mtcへ突入した。

7mtcは二人ずつ決め、最後先攻の豊田北の左腕がはずし、落ち着いて滝の最後のシューターが決め、辛くも愛知高校への挑戦権をもぎ取った。

薄氷の勝利だった。内容の反省をすれば、山ほど出てくる。しかし、それは、このあとの夏休みで練習して克服しよう。

とにかく、明日の試合のことのみ考えよう。
2006/8/1 (Tue) 胃液が出るほどの緊張感を楽しめ
 午前中は雲がかかり過ごしやすい1日になるかと思いきや、練習が始まる午後からは日差しが厳しくなり真夏日になった。初の尾張制覇を成し遂げた代の元主将が大学の仲間を連れ、試合前の激励にきてくれた。
 大会前の最終調整も兼ね、ゲームをしてもらったが、結果はとったりとられたり。プレーがうまくいかないときの精神的もろさはまだまだ鍛えていかねばならない。そもそも試合はお互い勝ちたいもの同士が戦うのだ。思い通りに進む試合は、圧倒的に力のあるチームぐらいの数試合で少なくとも県大会レベルでは、つらい、うまくいかない時間をいかに我慢するか忍耐するかにかかってくる。一人ではつらいときはみんなで力を結集すればよい。抜かれた仲間のフォローをすれば、精神論が技術に変わる。経験の浅いチーム。精神論だけでは勝てないし、技術だけでも勝てない。心技体の、そして個と組織の調和が生まれたときに、勝利の女神は微笑むと、試合を通じて1つ1つ確認していこう。
 目標においている県ベスト4に進出するためには、「愛知」「岡崎城西」との戦いは避けて通れない。「2年前の再来の上(善戦でなく勝利)」を行くには、今大会で愛知の力を知ることが絶対条件だ。その意味でも明日は絶対に負けられない試合である。あえて自分を追い込んだ上で胃液が出るほどの緊張感さえも楽しめる精神力を身につけていこう。
2006/7/31 (Mon) 笑顔
 高校2年生と滝中進学組みは今日が特別授業最後の日。県大会に向けての連日の練習で休日も返上しているが、解放感からか選手の表情は明るい。今日は、2時間程度の軽めの調整で練習を終えたが、グランドでは、自主練習に励む姿が見られた。
 悲壮感ただよう表情よりも笑顔で臨む方がよい。緊張感にさいなまれるのではなく、また、注意力が散漫になっているのでもなく、程よい心のバランスがはかられているように感じる。明日も笑顔で練習し、8月3日は心の底から喜びがあふれる試合をしたい。試合まであと1日。
2006/7/30 (Sun) 後退も前進への弾みに
県大会まで3日にせまった。選手の疲労もピークに達している。しかし、今日は大会に向けての練習を行った。疲労という鎧を背負っての練習で、昨日のような結果が一夜にして出なくなった。しかし、あせる必要はない。しっかりと目標を定め、それに向けって確実にステップを踏むまでだ。時に結果が出ない苛立ちが、ショートカット(近道)を通ろうという心理を産むかもしれない。それは指導者も選手も同じであろう。「学問に王道なし」というようにハンドボールにも王道はない。地道に練習して技術を習得していくしかないのである。負けには勝っていたら見過ごしていたものを見つけてくれる力がある。シュートのミスは、次にどうすれば決まるかを考えさせてくれる力を与えてくれる。後退さえも前進の弾みに変えていこう。