私が、ハンドボール部に入部した当時は、まだ部活ではなく同好会でした。当然、ハンドボールをするための満足な設備はなく、あるのは草で覆われ荒れ果てていた第四グランドだけでした。
初めての練習はグランドの草刈。炎天下の中、坂野先生と草刈の道具をホームセンターまで買いに行き、それらを使って先輩方と全員で黙々と草むしりをしていたことを覚えています。この頃の練習といえば、もっぱら授業が終わってから日が暮れるまで草刈をし、その後少しだけ学校のグランドでボールを投げる…、ハンドボールの練習とは程遠いものでした。しかし、全員「ハンドボールがしたい!」という気持ちだけで、黙々と草刈をしていました。今のハンドボール部の原点がそこにはありました。
グランドの草刈がおわると、次はゴールやボール、消耗品などをそろえなければなりませんでした。しかし、同好会であったため学校からお金がもらえず、ゴールをはじめとするハンドボールに必要なほとんどの物を坂野先生に買っていただきました。また、私たち部員も、消耗品などお金を出し合って買い集め、少しずつ部活らしい活動ができるようになりました。
結成から半年後、私たちはインターハイ予選に参加しました。私たちにとって初めての公式戦であり、当然、それに向けて練習をしたのですが、結果は残念ながら一回戦敗退でした。とても悔しかったです。しかし、それ以上に、「ハンドボールがしたい!」という気持ちをハンドボール部という形にした充実感がありました。
昨今のハンド部の活躍はめざましく、年を重ねるごとに成長しています。このハンド部の創部に関われたことは、私の誇りです。坂野先生をはじめとする関係者の方々に、この場をかりて深く感謝の意を申し上げます。