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顧問の練習日記です。

2008/4/14 (Mon) 「試合」後の練習
　新学期生活が2週目に突入した。先週は宿題テストやオリエンテーションがあり、本格的な1週間は今週から始まる。クラスの学級日誌にも月曜日は眠いと書いてある。確かに、土日のオフモードから月曜日のオンモードに切り替えるには時間が必要かも知れない。常にオンの状態にしておけば、そういう心配はないのかも知れないのだが、実際それは難しい。
　月曜日は練習がオフモードの日。ハンドボール以外のものからハンドボールに役立つものを漁る。あるプロゴルファーは試合前の練習はアップ（調整）に過ぎないと断言する。試合後の練習こそ本当の練習だと。完璧なプレーの修正点を見つけ出し、それを確認しなければならないと。漠然とした「修正点」とは違う。頭に描く明確なビジョンだ。それには、自分自身にプレーに対する深い洞察が必要とされる。
　体を休めるオフの日。この深い洞察に頭を使ってみてもよい。有効な時間を勝利に結びつけるために。
2008/4/13 (Sun) 間合い
　剣道、柔道などの１対１で戦う武道には、お互い会い対峙する距離がある。微妙な空間と時間、互いに相手よりも有利な状況になるようにかけひきが生れる。６人が横一線、一人が前に出る、さまざまな隊形であっても究極は一人一殺の「間合い」で勝負が決まる。
　味方にパスを出したい状況。しかし、その味方も将棋の駒ではない。理屈の上ではノーマークでもボールを見ているか、捕球する準備はできているか、など受け手の状況でチャンスがピンチに転じる。そこでも確認する「間合い」が必要となる。
　ハンドボールではその「間」が３秒間保障されている。０秒でも、１．３秒でも２・９秒でもよい。判断は無限大だ。チームの勝利のためには味方を活かさねばならない。味方の選手にとっては自分も他者に他ならない。そこでは自分が活きることが大切だ。間合いを使って自分を活かし他人を活かせ、チームはそこで活性化する。
2008/4/12 (Sat) 無力ではない、微力だ
　教員になり１０年以上が経過した。曲がりなりにも人にものを教える立場にたって、わずかばかりだが、本を読むようになり「言葉」の力をしみじみ感じている。自分自身も言葉によってものを考え、行動し、言葉によって励まされ、傷つくこともあるからだ。午前中の講演会で強く印象に残った「われわれは無力ではない、微力だ」という言葉に、謙虚だが卑下しない強さを感じた。そして微力も結集すれば大きな力になることを示唆している。
　チームはみながこの思いで戦えば、持っている力以上のものを出すことができる。
　私の持つ力も本当に些細な微力だ。しかし、選手をめまぐるしく変化する状況の中で自らの判断で動かすことができるよう言葉をかけていきたい。
2008/4/11 (Fri) 個人技と組織力
　晴天と強風の中での練習。少し寒さも残るが選手の情熱で寒さも吹き飛ぶ練習であった。ラグビーの基本精神「One for All All for One」の関係はチームスポーツにおいて個人技と組織力の関係にピタリとあてはまる。新１年生は、組織の仕組みを覚えていないため、自分の力を発揮できない場面がある。その仕組みを覚えることによってさらに自分の力を引き出すことができるであろう。一方、上級生は２年若しくは３年間同じシステムでハンドボールをしてきてそのしくみは血肉となって身についている。そのため、「マニュアルどおり」の攻撃になってしまうきらいもある。時にその枠を超えるプレーをすることで新たな得点を生み出すこともある。まさに「個人は組織のために、組織は個人のために」である。チーム一丸となることは精神的にも技術的にも向上できる。
2008/4/10 (Thu) 浩然の気
　高１のオリエンテーションも今日が最終日。他学年は今日から通常授業が開始され、日常に舞い戻った。あいにく天気は雨模様。４月にはいるとめまぐるしい日常の中で、いよいよ（インターハイ予選）と焦りにも似た緊張感にさいなまれるが、現チームのリズムを守り、今日は勉強会を実施した。黄金週間や第１回定期テスト直後の県大会に備えるためだ。やるべきことをやっていけばあせりは生じない。これぞ浩然の気というものだろう。
　明日は天気も回復傾向。絶好のハンドボール日和になることを祈る。
2008/4/9 (Wed) 紡ぐ
　新２・３年生は今日で宿題テストも終わり、練習再開。高１は明日までオリエンテーションが続く。行事終了後急ぎ選手の声がするグランドへ。やはり日常の中のグランドはいい。ここで成長していると実感する。
　プレーの面では本当に成長した。ここから大切なのはプレーの成長とともに、心の成長やチームの絆を深めることなど目に見えないものを育てていくことだ。組織内に不平や不満がはびこればそこから糸はほころびてしまう。慢心やおごりも同様だ。常に公平に公正に、そして謙虚に。三本の矢ではないは、一人ひとりの糸を紡いで綱に変えよ。切れない太い綱に。
2008/4/8 (Tue) ひたすらに
　1年生のオリエンテーション、2・3年生の宿題テストであわただしく過ぎる花祭りの日。クリスマスは祝うが今日はお釈迦様の誕生日。以下新聞夕刊に掲載されていた記事。

お釈迦様にいたって物覚えの悪い弟子がいた。秀才の兄に「お前は僧になるのはむり」といわれて泣いていた。そこへお釈迦さまが通りかかって聞いた。「お前には得意なことがあるのかね？」。
　「誰でも必ず得意なことがあるはずだよ」とお釈迦様。「掃除です」と弟は答えた。「ではなにも覚えなくていい。みんなの履物をきれいにしなさい」と布を手渡した。彼は懸命に磨いた。
　弟は毎日が自信に満ちて楽しげだった。僧たちみんなが感謝する。兄はそんな弟に手を合わせた。

　愚直といわれようがひたすらにまっすぐに生きる。明日からはまた、練習再開。
2008/4/7 (Mon) 自分の足で歩く
　今日は始業式。6学年が一堂に会し新しい年度がスタートを切った。学園の中では劇的変化はないかもしれないが、新入学や新社会人で新境地に赴くものは期待よりも不安が大きいこともある。社会経済生産性本部は今年度の新入社員を「カーリング型」と名付けた。「就職氷河期」だった数年上の会社の先輩とは異なり今年の新入社員は「氷の上を滑走する石のごとくスムーズに就職できた」と同本部は説明する。また、会社や仕事への執着が薄く「少しでもこするのをやめると、減速したり、止まったりしかねない」とも揶揄している。
　厳しい勝負の世界では、飴でも鞭でも他人に動かされているうちは勝つことは難しい。自力で力強く歩めるように。
2008/4/6 (Sun) 日常のなかへ
　文字通り朝から晩までハンド三昧の生活が数日続いたが、豊富な練習時間を確保できる春休みは今日で終わった。明日は始業式。新しい年度の始まりだ。朝の読書から始まり平日６５分×５コマの日常生活が始まる。それぞれが新しい学年、新しいクラスのステージで。朝の読書の静寂、放課後を待ち少しざわつく５限後。またあの日常に戻る。
　教師という建前でいっているわけではないが、僕は「日常」が好きだ。何よりも生活のリズムができる。そしてその小気味好いテンポの中でハンドボールにもリズムやパワーを与えてくるような気がする。日々の積み重ねが大きな力となる。各チームに平等に与えられた大会までの残り時間。有効に使えるチームが生き残るような気がする。リズムにのって日常に帰る。
2008/4/5 (Sat) 意志→実行
　練習の成果を試す場面。やってきたことを試そうとする意志を持ち実際にやってみる。すぐにできてしまえば練習の必要はない。練習ではうまくできたのに実戦形式になるとできないのは何が問題なのか考える。そしてまた、トライしと試行錯誤を繰り返しながら自分のプレーの幅を広げていく。簡単なようだが、意外と高校生に難しい。個人の性格やチームの環境などその考えを排除してしまうものがあるのかもしれない。大人のチームはすべての選手がプレーを組み立て、クロスやフォーメーションがなくてもスムーズにゲームを作り上げる。当たり前のことだが、攻防の中で交錯する選手は多くはいない。むしろその間隙さえもチャンスを探っている。
　コート上には自分と仲間と相手がいる。うまく空間を使い時間（間）を使い有利な状況を作り出すことだ。作り出そうとする「意志」は自分の頭の中にしかない。
2008/4/4 (Fri) 入学式
　午前中、中学、午後から高校の入学式のため、午前中グランドで短時間の練習をした。ポイントを絞り実戦形式の練習。選手の表情は連戦の疲れをものともせず明るい。思えば、例年この時期は疲労のピークを迎えており精神的プレッシャーも重なり、重苦しい雰囲気で練習したことも少なくなかった。新人戦・ウインターカップ優勝の自信が安定剤になっているのであろうか。この先大会が迫るにつれ、重圧も強くなる。他校も負ければ引退の捨て身で戦ってくる。しかし、この明るさを最後まで持ち続けていけば強さも本物となるであろう。
　午後からは入学式に参加。この日記も滞る日々が続くが、すべては栄冠のため、そしてその先の「目標達成（自己実現）」のため。すべての道はハンドに通じる。
2008/4/3 (Thu) 変わるものと変わらないもの
　在校生の出校日で新学年の新クラスが発表された。なかなか3年生、2年生の呼称になれないが、心機一転して変わりたいものを変えていって欲しい。
　練習では、1年間培ってきたチームの集大成の時期に入ってきている。これまでのチームの戦術、戦略を理解し、目指すものを再確認してほしい。これは変わってはならないものだ。
　陽気な天候に恵まれてよく体も動く。しかし、あせりは禁物で、疲労からくるスポーツ障害、怪我には細心の注意が必要だ。明日もグランドでの練習が続く。入学式もある。入学式後、多くの仲間がハンド部に入ってくれることを期待する。
2008/4/2 (Wed) 弛緩（しかん）
　久々の学校でのトレーニング。時間のゆとりの中で状況判断のトレーニングを中心に練習を行う。長い時間練習すれば集中力が途切れる。しかし、肉体的な疲労を少し抑え、頭を使うことに重点をおいた。強弱、緩急、高低、さまざまな対立する概念がある中で、勝負の世界では、強や急（スピード）、高が望まれる。しかし、あえて弱、緩、低の世界に視野を広げようという試みだ。だらだら練習を奨励しているわけではない。学校での練習では何も考えず決まってしまったシュートよりも考えた結果のミスを重視したい。スピードのあるチームにスピードで対応できても、「間」のチームに対応できなくては勝利は得られない。小さなカットインプレーヤーにも大きなシュート力のある選手にも適応したディフェンスをしなければならない。この弛緩の意味は、選手の幅を広げるためのものだ。目的意識が明確ならこの練習から新たな力が生み出されると信じる。
2008/4/1(Tue) 新学期スタート
　校門の桜も満開だ。４月が始まった。わが身を引き締めて校門をくぐる。長く続いた３月の練習も一区切りで、１日の休息をはさみ明日から残りわずかな春休みのなかで、自らを磨く。出校日、入学式など学校行事があるなかで、ホームグランドでの練習。他校の事情とは違い、ここからはチーム内で切磋琢磨していく。
　さあ、黄金週間の栄冠まで突き進むぞ。
2008/3/31 (Mon) 柔よく剛を制す
　リズムがよい攻撃は、型にはまると面白いように得点がとれ、さらにリズムがよくなるという好循環を生み出す。しかし、いったん歯車が狂うとちぐはぐな攻撃となりエラーなどを誘発しまたリズムが取れないという悪循環に陥る。しかし、視点をディフェンス面に移してみると、リズムよい攻撃は、そのリズムに合せれば的を絞ることができる。意図的なまたは独特のリズムで攻撃をするチームには対応するのに少し頭を使わねばならない。今の課題はその間合いをいかにつぶすかにあるように思う。形・システムをこえた個人のしなやかな判断力が必要とされるのである。
　明日からはいよいよ学年が上がる。それぞれの新学年が自覚を持って目標達成に突き進む。
2008/3/29 (Sat) 中庸
　絶対に落とせない試合でも逆境にたたされることがある。残り時間は刻一刻と少なくなっていく。そんな時、選手は何を思いプレーするだろうか。あせり、いらだち、味方への叱責、自己嫌悪、さまざまなマイナスのオーラを発するものもいれば、冷静に状況を分析し、勝つための一縷の望みを探り、チームを奇跡的に救うもののいるであろう。
　世には耳に心地よい甘い言葉もあれば、激しい怒声もある。まじめにくそがつくほど厳格なもののいれば、ぬかに釘のような芯のないものもいる。古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、人間の徳のなかで、過不足のない状態を「中庸」とよんだ。無謀と臆病の中間が勇気であるというように。
　自己を中庸に置くと見上げたり見下したりしない。等身大の自己がみつかる。まだまだ足りないものがある。貪欲に追求するのみ。
2008/3/28 (Fri) 根性は勝つためのもの
　試合で負けたとき「根性がない」「気合が足りない」で片付けてしまうと、根性や気合だけを追求し、ものを考えることをやめてしまう。根性や気合を否定するものでは決してない。むしろそれが試合を優位に進める上で必要不可欠なものだ。しかし、劣勢にたたされたとき、それだけで乗り切ろうとすると冷静さを欠き、力みが生まれ、プレーの幅を狭めてしまうこともある。勝ちたい欲望を力だけに還元してはならない。頭脳にもエネルギーを注ぐことを忘れてはならない。欲望を勝利への欲求に変え、知的に勝利をものにしたい。滝高ハンドの生命線はそこにある。
2008/3/27 (Thu) 先輩から学ぶもの
　今年卒業したＯＢの約８割が集まり、ＯＢ会を実施した。進路の報告では、現役合格者も多く、文武両道を実践した元選手たちを誇らしく思う。その努力は将来、絶対に報われると確信している。
　さて、現役チーム。個々の能力は補習中、学校での練習で十分鍛えた。しかし、ゲームの中でそれを発揮することが真の実力であり、まだまだゲームの中での力不足を痛感した内容であった。引退したＯＢによくあることだが、プレッシャーのない、しかし現役には負けたくない程よい精神状態の中で幅広いプレーで現役を翻弄することがある。一生懸命やることは、強く打て、早く走れということではない。やわらかいシュートでも点は取れるし、タイミングの異なる全力疾走は無益である。程よい精神状態（ゾーン）に保つことは学ぶべきことではないか。
2008/3/26 (Wed) 真の結果主義はプロセス重視
　総体予選までちょうど１ヶ月。まだまだ時間はある。色々試しながらチームを作り上げる楽しみが選手にはある。勝てば官軍という言葉があるが、結果、勝ったからすべてオッケーではない。滝高ハンド部が目指すのは、その過程（プロセス）を重視することだ。どれだけ考えてプレーをしたか。どれだけ自分と戦って勝負したか。どれだけ人一倍努力をしたか。プロセスを重視することで伴う結果を求めるのである。闇雲にプレーしたら勝ってしまった、ではその先の人生は暗い。考えずにプレーしたけど勝ってしまったでは次ぎ勝てる見込みはない。結果は大切だ。勝利には蜜の味がある。しかし、プロセスを重視しなければその勝利は毒と化す。プロセス重視の結果主義は矛盾するものではない。
2008/3/25 (Tue) 飛躍のチャンス
　本日は春の特別授業最終日。こころなしか、選手の表情も明るく感じる。同じ練習メニューでも、ゴールの見えた練習だと体も軽くなる。目的意識で人間はこれだけ自分を操れる。明日からも、その日その日の目標を定め、１日を大切に過ごしていきたい。
　ひと時、授業から解放され、いよいよ飛躍のチャンス到来である。例年この時期が高校ハンドボール人生において最も伸びる時期だとされる。技術面だけではなく、精神的にも強くなれるからであろう。いろいろな人とのふれあいを大切にし、４月３日の出校日までに一回り、ハンドボール選手としてのみならず、人間的にも成長してほしい。文字通り「ハンドボール漬け」の毎日。生涯の財産になると確信している。
2008/3/24 (Mon) のめりこむ
　朝からの雨を気にして午前中が過ぎた。春の日差しは時に選手の体力を奪うが、グランドに向けられれば選手を救ってくれる。今日は日差しに助けられ、３時から練習を開始した。グランドが乾くまでの間は、時間を有効に使うため恒例の勉強会を実施。その間に『脳を活かす勉強法』（茂木健一郎著PHP研究所）を読んだが、勉強とスポーツの世界は似ていると改めて思った。そのなかで集中力を高めるための勉強法として「鶴の恩返し勉強法」というものがあった。自分を助けてくれた人のために、鶴が全身全霊をかけて反物を仕上げるような勉強法だ。ポイントは３つ。�‖�さ−作業のスピードを極限状態まで速くすること�∧�量−とにかく圧倒的な作業量をこなすこと�Ｋ彳�感−周囲の雑音が入らないほど夢中になることだ。局面の判断力、練習回数、集中力をつけるためには欠かせない。そして没入感。今日の練習も開始時間が遅かったとはいえあっという間に終わってしまったように思う。選手もそう感じてくれれば集中して練習したことになるであろう。練習にのめりこむことは何よりの教材なのだろう。
2008/3/23 (Sun) 一所懸命
　今日も春休み特別授業は続く。日曜日なのにと嘆いてもはじまらない。ありがたく勉強させていただいているのだ。練習は休養日であった。明日の天気も気になるが、体を休めることも練習のうち、宿題を片付けるのもチーム強化の一貫になる。
　春休みのこういう生活もはや9年がたった。ハンドボール部ができて9年目の春だからだ。同じグランドで同じ競技を繰り返す。しかし、そのたびに新しい発見、新しい学びがあり、新しい出会いもある。職人も奥義を究めれば世界のすべてに通じる。一所に踏みとどまり懸命に生きることで、世界が広がることは逆説ではない。さあ、明日も滝学園に踏みとどまり、懸命に生きるのだ。
2008/3/22 (Sat) 己を強くする
　春の紫外線を浴び、皮膚が痛む。そんな陽気ななかで練習を実施した。今日は特別授業はなかったが、滝高校から入学する「外進生」の新入生登校日となっており、行事終了後の一番暑い１１時からの変則時間での練習であった。途中昼食休憩を入れたが、午後には足がいうことをきかなくなる。
　世間で言う「自分探し」「自分らしさ」の自分とは何か。疲労も蓄積し体が言うことをきかなくなる。しかし、勝利のためにはもう一踏ん張り。自分に鞭打ちチームに貢献しようと懸命となる。どのチームも現在同じような状況にいたっている。栄冠を手に入れることができるのはわずかに一チーム。つまり、この状況をみんなで乗り切ったチームが勝者となるのである。チームの強化とは自己の鍛錬に他ならない。
2008/3/21 (Fri) 春、桜咲け
　今日からは新学年での特別授業がはじまった。教室ではハンド部員の顔もある。グランドの表情とは違う顔が見られるのは顧問として非常にうれしい。
　午後からは、春の到来を肌で感じる暖かさ。半そででも汗ばむ陽気に体も軽くなったように感じる。５日間はグランドで地道な練習が続くが、基礎的な練習や組織の確認ができる有用な時間にもなる。この陽気な気分を大切にしたい。まもなく桜も花を開く。我がチームも花開けるよう努力あるのみ。
2008/3/20 (Thu) 柔弱謙下
　終業式後の休日。明日からは特別授業が25日まで続く。限りある時間の中でわが身を磨くチャンスの日でもある。
　柔弱謙下。中国の思想家老子の言葉。人間にとって必要なことは、いっさいの作為を捨て去り自然に帰ることである。小手先のテクニックだけでなく、勝ちたい思いをプレーに伝えること。己を捨て自然とチームのための縁の下にまわれること。現チームには身につまされる言葉だ。老子は「作為」を排することから「努力」や「根性」をも排すると解されることもあるが、ある訳にハッとするものがあった。

新しいことを一つ始めるよりも
余分なことを一つ減らしなさい
有益なことを一つ始めるよりも
無益なことを一つ減らしなさい

いろんな組織に当てはまる有益な言葉に思えた。
2008/3/19 (Wed) ペースを守る
　終業式が行われた。行事終了後にすぐに練習を開始したが、約１時間で天気予報どおり雨に見舞われた。さあ、これから春休みというときに水を差されたという思いもあるが、慌てずわずかでも練習できたことに感謝する。今後も練習計画が思い通り進まないことも多々あると思うが、あせらずにペースを守ることにも利がある。
　ディフェンス練習では、早いボール回しに対応するよう指示をした。案の定、ペースを乱され思うように守れない選手もいた。先読みしはやく動きすぎてしまうことで隙が生れた。
　点数も早く相手よりも点差をつけ優位に試合を運びたいとどのチームも思う。しかし、それをあせるあまり重苦しい立ち上がりになってしまうこともある。ペース、リズムは自分で作り出すもの。そのペースを一定に保つことは意外に難しい。もちろん波に乗ることは必要だ。しかし、トータルで考えて、５０分間で勝利を得られるよう、その勝利が積み重なり目標達成できるよう自分たちのペースを守っていこう。
2008/3/18 (Tue) 狭き門
　中学卒業式の日。すでにチーム入りが「内定」している選手の門出の日。翌日には出校日が控えており、卒業式の開催の是非はさておき、いよいよ名実ともに滝高校のハンドボール選手になる日は近い。進学校という伝統とハンドの尾張の雄としての誇りを胸に新生活への準備を進めてほしい。
　夕方から中学の練習に参加。授業後の練習とは違い、長い時間の練習が続き疲労の蓄積があるのは、中高共通。しかし、この山を乗り越えなければゴールへの門は閉ざされる。
　「狭き門より入れ、滅にいたる門は大きく、その路は廣く、之より入る者おほし。」（新約聖書のマタイ福音書第7章第13節）
　楽をしようとすれば、いつでもできる。しかし、この狭き門から入った者のみ人生の栄冠を体現できる。
2008/3/17 (Mon) 心の支えは
　終業式はまだだが、春の強化練習は続く。グランドでは日差しも強くなった。練習後の皮膚が痛いほどだ。しかし、今日もグランドを駆け回った。
　練習が続けば疲労も蓄積される。けが人も出てくる。何かと一歩目が重くなる。しかし、程度や目指すべきところの違いはあるにせよ、どのチームでも通る道だ。わがチームよりハードの練習に耐えているチームも五万とあるであろう。長いハンド歴のなかで、いろいろなチームを見てきたが、そのつらい局面を乗り越えるものはどのチームでも共通している。それは、チームの「目標」だ。世間では大きく「夢」というものかもしれない。その「目標」を心の支えにして、必死でボールを追う選手がいるチームはやはり強い。勝負の世界は一生懸命やれば結果が得られるほど甘くはない。時に残酷なまでな結果に身を切られることもある。しかし、一生懸命やらなければ勝てるチャンスはゼロである。まだまだ長い戦いは続く。日々精進あるのみ。
2008/3/16 (Sun) 立ち向かう勇気、戦い続ける忍耐力
　日常生活でもそうなのだが、ことさらに勝負の世界は思うようにならないことが多い。綿密に計画を立てていても一瞬で吹き飛ぶことなどざらだ。悲観して後ろを振り返っているよりも、楽観的に物事を考える方が利があることもある。もちろん反省や対策、知恵を絞ることなど忘れてはならないこともある。この先、頭では分かっていても心がいうことをきいてくれないなんてこともあるだろう。そういうときには前に進むにも勇気がいる。戦い続ける心の忍耐力も必要だ。現チームは笑顔を絶やさないところがいい。上級生の人柄がにじむ出て下級生をまとめ、良い方向に導いている雰囲気がある。テスト明けから約1週間がたとうとしている。疲労の蓄積もあるであろう。しかし、まだまだ目標達成のためには越えねばならない山がある。明日も元気に練習、練習。
2008/3/15 (Sat) 争い
　昨日の雨で、グランドの回復が心配されたが、午後から何とか練習することができた。4月のインターハイ予選に向けての準備を1日1日積み上げていく。時間は有限だが、ペースを上げすぎず、ゆったりとしたチーム作りを心がける。ピークはまだこの先にある。マラソンでもゴールが近づくとラストスパートをかけるように、例年、この時期の新3年生の伸びはすさまじい。同レベルなら下級生有利といわれる運動部において最後の最後には、集大成としてすべてをかけてくる上級生の責任感や使命感はその定説を覆すほど。むしろ、同レベルなら上級生というほどチームの信頼感は増す。良い傾向だが、チーム内のレギュラー争いも高いレベルで繰り広げられるようになったと思う。上級生の維持、下級生の挑戦心、お互いにすべてをかけての争いの先にはどちらが出てもそのコートにはライバル同士が一緒にいるような心境にいたる。打算のないスポーツマンシップがそこにある。そしてその思いがチームの結束をさらに強める。結果を求めよう。
2008/3/14 (Fri) 流れを読む力は流れに乗ること
　学年ごとの学校行事の都合で、2グループに分けて練習計画を練ったが、あいにくの雨のためご破産になった。しかし、午前グループには恵みの雨であり、午後グループには体育館を使用できる幸運にめぐまれたありがたい1日であったと考えている。午後グループの練習では、オールコートをフルに活かして実践的なトレーニングで試合勘を養った。もう少しこうしたらという提案やこれはしてはならないという指摘をすることもあるのだが、それよりも好プレーに目を細める場面が多かった。紅白戦とはいえ、1点を争う好ゲームで、流れは最後の最後までどちらに転ぶかわからない展開であったが、相手のミスにつけこみ一瞬の隙をついたチームが勝利をものにした。あの手、この手と手数、アイデアを増やすトレーニングとともに試合の流れを読む力も必要だ。たとえば自チーム退場時のセオリーを無視した速攻などもその例だろう。流れを読めば流れにのれる。流れに乗れれば流れを読める。物事の本質を見極める力が勝敗を分ける。
2008/3/13 (Thu) 原理原則は独創的アイデアの宝庫
　午前中答案返しのあと、午後からの練習。時間的なゆとりを有効に使い、体の疲れを長いそして頻繁な休憩でとりながら、頭の中のトレーニングを続ける。もっと体力をつけるべきだとお叱りを受けるかもしれないが、徹底してアイデアを搾り出せるように心がける。新人戦県大会で経験したが、窮地に追い込まれたときに働く頭（知恵）が真の頭。頭を使うことでは負けないチームに変貌したい。
　頭といっても、視野の広さ、判断力、ゲーム運びなど使うべき対象は山ほどあるが、今、身につけて欲しいのは、基礎的なプレーを構成するアイデアだ。いわば「遊び心」から生れる独創性。それは、“超緊張状態”でもなく“ふざけた状態”でもない自然な状態の中から生れる。その状態を作り出すには逆説的だが、チーム内の「原理原則」を守ることだ。チームメイトへの信頼、普遍的な動きから生じる読みやすさなどがプラスに作用するからだ。昨日の「自由と規律」の関係と相似している。原理原則を守ることによって独創的なアイデアは生れる。それこそが、独善とは違う、社会が求める“個性”なのだろう。
2008/3/12 (Wed) 自由と規律
　現チームは、ハンド暦が長い選手や球技センスがある選手もおり、自分でプレーを組み立てることができる選手も少なくない。そのため、歴代チームよりも指示も少なく自由にプレーさせている時間は長い。しかし、その自由と身なりや服装、時間遵守などの自由とは意味合いが違う。「最も規律があるところに自由があり、最も自由なところに規律がある。」といわれる。この場合の自由とは、自己実現を達成した真の意味の自由である。自由と規律の関係は組織において永遠のテーマなのかもしれない。この春で目標達成にむけての実力を蓄えたいならば、それにふさわしい人物にならねばならないであろう。
2008/3/11 (Tue) 勝負の世界を楽しむ
　高校は休養日だが、今日は中３生を引き連れて中学２年生主体チームとゲームを数本行った。たくましく成長した中学の新チームの突破力は、高校生でも通用するすさまじさ。あとは技術や勝負勘を養えば、目標とする西尾張優勝も夢ではないであろうと期待している。そのチームとの真剣勝負。中３生もフルメンバーが揃わなかったといえ、負けられない意地の一戦であった。接戦を演じるとお互い激しい声がこだまする。何ともいえない爽快感が選手の顔にみなぎる。勝負の楽しみはここにある。真剣に自分の持てる力を出し合い、互いに高め合う。公式戦であればなおさらだろう。本当の「楽しみ」を知った選手を高校で迎えるのは、何よりの楽しみだ。
2008/3/10 (Mon) シュートの大切さ
　得点を競うスポーツでは、そのフィニッシュにいたる過程も大切だが、何よりもシュートで得点を奪わなければ、勝利することはできない。実業団クラスの試合でも弱者が強者に勝つ試合は、得てしてシュートがバーに当たったりと不運なことが連続でおきる。運も実力のうちとも考えられるがことシュートに関しては果たしてそうだろうか。ディフェンスの枝に当たっているならまだしも、打っているのは本人（シューター）である。そこに意志が働く限り、意志（意識）を使ってシュートを打たねばならない。無意識に速いシュートがうてる天性の才能をもつ選手も確かにいる。しかし、人間には有意識下で行動を決定する力もあるのならば、その意識を使うに越したことはない。シュート（スピード）力１００で確率5割のチームが50点とるならば、シュート力が70でも、確率を2割5分増しの7割5分にすれば、52.5点で勝利することもできるのだ。
　ここ2日間の練習でシュートの大切さを再認識した。逆にいえばキーパーの頭脳でチームを救うことも可能ということだろう。互いに切磋琢磨あるのみ。
2008/3/9 (Sun) 学びて思わざれば、
学びて思わざれば、すなわち罔（くら）し

　有名な『論語』の言葉。普段の練習で様々な技術や戦術を身につけていく。身につけたものを「学んだもの」とすれば、それを自分の知恵で活用しなければ、どう生かせるか分からない。まだまだ、知識（技術）の向上を第一に考えて貪欲に好き嫌いなく吸収していけばよい時期なのだが、考えずにプレーすることほど無駄なことはない。失敗をするにしても、なぜ失敗をするのか？を追求していかなければ進歩は生まれない。
　ちなみに論語の後段では「思いて学ばざれば、すなわち殆（あやう）し」と続く。自分の狭い知識や体験をもとに自己流儀で思索するだけでは、独断的で危険であるという意味である。顧問のみならず、チームメイト、OB、他チームの選手、さまざまなところから学ぶことも多い。
2008/3/8 (Sat) “送”春
　終業式はまだ先だが、滝学園はこれから「家庭学習日」も多くなり、事実上の春の休みに入ったようである。今日は、暖かな一日で、紫外線も強く練習が終わるころには赤い顔した選手の笑顔が垣間見えた。プロ野球は球春到来などと騒がれるが、ハンドボール（送球）の春が江南にもやってきた。3月4月はインターハイ予選の「書き入れ時」で、みっちりと練習することができる。毎日を迎えるのが、日々成長していくのが、楽しみで仕方がない。そんな春を迎えたい。

金曜日まで中日新聞朝刊に掲載されていた有島武郎の小説「生まれいずる悩み」の最後はこの言葉で締めくくられていた。

君よ、春が来るのだ。冬の後には春が来るのだ。君の上にも確かに、正しく、力強く、永久の春がほほえめよかし‥‥僕はただそう心から祈る。
2008/3/7 (Fri) 山のふもと
　9度目のインターハイにむけて、本格的な強化期間が幕をあけた。練習開始時間が学年行事の都合でまちまちになってしまったが、全員揃ったところでチームの方針の確認を行った。幸い9度目の挑戦で9回の経験が蓄積されている。戦いまでのペース配分など、経験は財産となる。このベスト8までの道のりを登山で例えた。今日がふもとだとすると、これから2ヶ月で僕たちの頂上までたどり着かなければならない。また、頂上に近づけば近づくほど勾配は急になり、苦しさも増す。これを乗り切るためにはふもとでいかにペースを作り、力を蓄えておけるかだろう。日常生活からハンドボールの勝負まで、自分自身が問われる。
2008/3/6 (Thu) 練習再開まであと1日
　いよいよ明日でテストも終わり。インターハイ予選に向けて、チーム作りが再開する。毎年、確認することなのだが、新3年生にとってはこれが最後の大会となる。尾張優勝し、1位シードを取って県大会に出場し、ベスト8という目標達成まで１つも落とせない「背水の陣」だ。退路は断たれた前へ進むのみ。ただしかし、ここからの2か月は思いのほか長丁場になるということ。ペースを配分を忘れると思わぬ落とし穴がまっていることもある。慎重に一歩一歩を踏みしめて成長していくことを忘れずに。学問同様ハンドボールにも王道はない。しっかり草分けをし自分の信じた道を歩んでいくのみだ。
2008/3/5 (wed) 執念
　テスト監督で他学年の高校2年生の教室へ。文系・理系にいるハンド部の生徒の様子を観察。テスト中日で表情は真剣だが少し疲れも垣間見える。あと2日、持てる力を出せるよう（勉強するように）祈るばかりである。
　社会科の教師であるため新聞には毎日目を通しているのだが、すべての記事を読むわけではない。その普段はあまり目を留めない『「50歳プラス」を生きる』（中日新聞3月5日）という記事で司法試験を23回受験し59歳で合格した女性のことが掲載せれていた。波瀾万丈の人生ののち読書で出会った法律入門書がきっかけの1つであったという。それにしても23年の月日は長い。生活のためさまざまな仕事も経験されているそうなのだが、23回のチャンレンジは並大抵の根性ではできないであろう。自分もまもなく9回目のインターハイ予選が近づく。もちろん選手にとっては実質2年しかないチャンスだが、執念を燃やし必ずや全国出場を達成してみたい。
2008/3/4 (Tue) 筋を曲げない
　定期考査２日目。ここから佳境にさしかかる。しっかりとペースを守り規則正しい生活リズムを崩さず最後までベストをつくしてがんばって欲しい。
　NHKの人気番組「プロフェッショナル」でフランスサッカークラブGMの祖母井秀隆氏のプロの流儀を拝見した。高校顧問は、「ハンドボール」だけをすればよいわけではなく、GMと監督とマネージャーなど一人で何役もこなさなければならない。大変興味深く引き込まれるように番組にかじりついた。番組の中でこういうシーンがあった。ある有望選手が練習場までの飛行機代を出せとGMに交渉をしてきたのだ。チームは２部から１部昇格を目指しどうしても結果が欲しいところ。有望選手にへそを曲げられてはせっかくの目標も台無しになる可能性もある。しかし、祖母井氏は毅然として交渉を打ち切った。クラブに頼まれてやっているという意識が芽生えてはいけない。試合は自分でするものだという積極性をその選手に分からせるために。
　筋を曲げない徹底振り。口ではなんとでも言える。しかし、実際の現場では、とても勇気のいること。冷徹とのそしりもいとわず戦うことも必要だろう。人を動かす、人をまとめることは、本当に難しい。まとめる側もまとまる側も神経も休まらない。しかし、その分、成長の種があるのだろう。
2008/3/3 (Mon) 視点を変えてみると
　卒業式から一夜あけて、思い出に浸っているまもなく、現役選手は考査が今日からはじまった。一教科一教科、一問一問にこだわって勝負をしてほしい。真剣に勝負しないところに進歩はない。
　どんなことでも総体勝利に近づけるように１日を考えて過ごしている。読書も仕事も。今日は、夕方からOBと会い話をする機会があった。浪人して今年１年勉強をがんばったものや大学生となり、新たなステージでハンドボールを継続するもの。卒業したばかりのもの。これまで同じチームで同じ環境にありながら、感じているものはいい意味で人それぞれだと分かった。自分の先天的な気質や性格などで同じ言葉、同じ指導でも、自分のフィルターを通し、情報を取捨選択して解釈していることを。一つの物事を真剣に受け止めすぎてしまうものや、受け流しよいことを取り出しているものなど人間は千差万別だ。こうして、語らいあうことで自分の中にも別の視点が生まれる。すべてのことが自分で吸収しようと意志を持つ限り、有意義なものに代わる。OBのおかげで本当に有意義な１日となった。
2008/3/1 (Sat) 涙の卒業式
　１０年以上滝学園にいるが、今日ほど涙を見た卒業式は初めてだった。自分の流す涙ではない。会場からすすり泣く涙、涙。生徒はもちろんだが、保護者の涙をこらえる声が会場に響き、言いようの知れない感動の雰囲気が場内を包んだ。６年間という月日の重さ。片道２時間近くかけて通ってくる生徒も少ないない。それを６年間継続してご子息を送り出すご家庭の労苦を思うと感謝の言葉も見つからない。その涙を引き出す学年を代表する学年主任の謝辞。生徒退場後の保護者にむけてのものだったが、生徒にもぜひ聞いて欲しい心の謝辞であった。
　高校を卒業すれば聖人君主になれるほど、人間は単純ではない。今日というハレの日でさえも卒業生の言動に眉を顰（ひそ）める場面もあった。しかし、結果よりもその過程を大切にするならば、未来のある若人に希望の光も見える。涙あふれる卒業式を挙行できる学園とその保護者は、希望の光の礎を築いたと確信する。
　がらんとした教室は淋しい。互いに新たな「教室」で、新たな「授業」を始めよう。卒業おめでとう。

　卒業するハンドボール部保護者の皆様、本日は誠におめでとうございました。保護者の方のご理解なしには、このハンドボール部はここまでくることはできなかったと御礼の言葉もありません。心より感謝いたします。
　若いチームではありますが、幸い歴代OBのつながりも途切れることなく綿々と続いております。今後はOBとして、我が滝高校ハンドボール部を温かく支えてくれることと思います。末永くご高配を賜りますようお願い申し上げます。
2008/2/29 (Fri) 卒業式前夜
　久しぶりに高校3年生が登校した。明日の卒業式の予行のためだ。前期試験を終え、結果待ちの生徒が多いが、後期試験に備えて集中を切らさない生徒の姿はたくましい。えてしてこのような生徒が前期で合格するのだが。
　明日はいよいよ、卒業の時。高校からの進学の生徒もいるが、中高一貫校の6年の歴史は深い。伝統的に簡素かつ厳かな卒業式は、見ているものの心に響くと評判である。自身も3回目の卒業生を送り出す。儀式を、「儀式的」という時には形式的なものという意味合いがある。しかし、心のこもった儀式は、まったく別の心を動かすものとなる。創部以来最多の19名の部員が滝学園を後にする。心をこめて送り出そう。
2008/2/28 (Thu) やってるものが楽しく
　試験期間は選手とともに勉強を、と始めた1日1冊。タイトルと本の薄さ(100ページほど)に惹かれ『ご飯を大盛りにするおばちゃんの店は必ず繁盛する　絶対に失敗しないビジネス経営哲学』を読む。作者は人気司会の島田紳助氏。タレント店は成功しないというジンクスを打ち破り25年以上も前から失敗がない経営の指南書だ。企業経営とチーム運営は組織を動かすという点で勉強になることも多い。反対にチーム運営を企業経営に取り入れるケースもあるほどだ。「さおだけやはなぜ潰れないか？」とか「スタバではグランデを買え」など、その理由を知りたくつい手が伸びる本も多いが、これもその一例。経営と聞くと、客単価、利益率など「数字」を追求するものと思いがちだが、作者いわく最後は「こころ」だと。顧客を満足させるには、そこで務める社員自身を満足させること。では社員の満足は？それは、働く喜びを理解し社員が幸福であることという。ご飯を大盛りにするおばちゃんは、自分のご飯を食べてもらう喜びを幸せと感じ、その仕事に誇りをもって生きている。そういうお店は客も満足するから繁盛しつぶれない、というのだ。
チームという組織の中では、選手は「勝利（の女神）」という客を満足させる「社員」ともいえる。　ハンドボールを愛し、誇りをも持って生きるならば、顧客も満足するチームになるだろう。
2008/2/27 (Wed) 「自分らしさ」とは？
　授業で教える現代社会の「青年期」の項目で、アメリカの心理学者エリクソンが青年期の課題としてアイデンティティの確立をあげている。自我同一性と訳されるこの言葉、平たく言えば「自分が自分であること」。青年期には自我が発達して内面的な考察をはじめる。青年期まっただ中の高校生を相手とする教師として「自分とは何か？」の答えを探る手助けをするのも大切な課題でもある。昨日に引き続き読書第2弾で今日は『下流社会　第2章　なぜ男は女に“負けた”か』（三浦展著　光文社新書）を読んだ。格差社会ブームの火付け役となった2005年発行の『下流社会』の続編だが、本の中に30代の男性は下流ほど「自分らしさ」を志向し、上流男性は年をとるほど「自分らしさ」志向が減るというくだりがある。ここでいう「自分らしさ」とは何か？電車の車内広告や転職雑誌などに載る「自分らしく働く」などの文字はいかにも浅はかで商業的なものを感じる。本当の自分らしさとは、困難や苦悩に耐え鉄のようにたたかれて培われていくものではないか。体育会系的な封建社会を是とするつもりはないが、そうした環境で自分を磨き社会の一線で活躍する社会のリーダーをみることは少なくない。欲求にも低次から高次まで階層があるとマズローは述べたが、低次の欲求を満たすことが「自分らしさ」では決してない。他人や社会のために自らの身を役立てる高次の欲求を満たす所に「自分らしさ」はあるのではないか。青年期における部活動の果たす役目は、こういう時代だからこそ大きいと再認識した。
2008/2/26 (Tue) 人間教育
　テスト期間に入り2日目。テスト作成に追われる日々だが、それでも、放課後の練習がない分、その時間をチームの勝利に貢献させるための時間にあてたい。無教養な指導者たるゆえ、さまざま「指導者」の考え方を学んでいきたいと楽天イーグルスの野村克也氏の『あぁ阪神タイガース』を読んだ。野村監督の著書は、非常に読みやすく、『野村ノート』『巨人軍論』など数冊拝読させていただいたが、その思想には学ぶべきところも多い。阪神タイガースという素材を通しながら、自らの野球観を語っていくものであった。つまるところ、人格（人間性）がないところには何を乗せてもだめということであろう。人気球団ゆえにおこる協調性の欠如、おごりや傲慢さ、それらが（個として伸びても）チームを弱くする。指導者にとして身につまされる思いで読んだ。選手に人間教育をする指導者がまだまだではチームを強くすることは出来ぬ。まだまだ、自身も精進が足りぬ。勝利への飢餓感は誰にも負けぬ。明日もまた、勉強への活力が増す。
2008/2/25 (Mon) 思いやりは普遍的
　国公立前期試験の日、滝学園は在校生のテスト期間に入る。これから2週間は選手は勉強に集中する期間だ。普段あまり家族への協力ができない自分にとっては、やれる範囲で最大限の努力をする時間になる。シリーズで購入している『子育てハッピーアドバイス』（明橋大二著　一万年堂出版）に「忙しいパパのための」ハッピーアドバイスがあり、読むたびに胸が痛みながら読み進めた。子育ても教育も家庭生活も共通しているのは、相手の立場に立って考えること、思いやりの心だということだ。そして、一生懸命、誠実に生きることが何よりの人生の指針だということだ。
　勉強はやらされるものではなく、自分でするもの。自らの力で人生を切り開くもの。それを支えてくれる家族の支えに少し思いをめぐらせてみよう。お互いに。
2008/2/24 (Sun) １日の大切さ
　いよいよ国公立前期試験の前日となった。第一志望の大学を受ける生徒には格別な1日。明日(明後日)の試験で最大限の勝負脳を発揮できるよう祈る思いだ。「いざ勝負」という勝負所を肝っ玉でのりきる胆力は、知識や知恵と同じく将来の人生を左右する力になると思う。
　現役、ハンド部の選手には、この休日、学年末のテストで「目標設定」を行いそれに到達する課題を課した。達成できなくても何もないでは面白みがない。自分で課題を設定し、自分と対峙することが必要だ。自らを追い込み、勝負する。
　先に後悔することはできない。なんでもない1日を、黄金の1日に変えるのは自分しかいない。
　
　
2008/2/23 (Sat) 正当に自己評価
　時折、雹が舞い強風が吹く荒れた天候でのグランド練習。テスト前最後の練習を実施した。途中スコールのような雨で練習を中断した。すると、その後の動きが少し鈍く集中力にかける場面もでてきた。ディフェンスでは、飛び出す場面でないところで、相手を侮り不用意に飛び出して裏をかかれる場面もあった。実際の公式戦では、何が起こるかわからない。自チームや相手チームの選手が怪我をして試合が中断される場面もある。そういう場面でどれだけ集中力を持続できるかが勝敗を分けることもある。
　ある本で興味深い記事をみた。高い能力を持つものとそうでないもの、そして正当な自己評価ができるものとそうでないものを二つの軸でわける。すると４つのグループができる。すなわち、高い能力を持ち正当な自己評価ができるもの、高い能力をもつが自己評価が低いもの、能力が低いながら高い自己評価をするもの、能力が低くその能力を正当に評価するものの４つだ。ある大学の期末テストでもっとも成績が悪かったのはどのタイプか？答えは「能力が低いながら高い自己評価をするもの」であったそうだ。つまり自信過剰のうぬぼれタイプが最悪の結果を残すことになる。このことは、大学の成績だけではなく、社会のさまざまな場面であてはまる。ハンドボールにおいてもだ。
　悪環境の中でも、正当に自己評価する、周囲の状況を正しく把握する、他人を敬い、謙虚な姿勢でハンドボールや勉学に取り組む。そういうことの大切さに気づかせてくれたのが今日という日であったと思う。
　明日から2週間テストという名の人生勉強。個人が真剣に向き合えばチームが強くなる。
2008/2/22 (Fri) 息を吐く
　一気に春めいてきた気温の中で体も動く。半そでの選手も昨日もよりも増えた。中学3年生は今日から一足早くテスト週間に入り、練習はお休み。5人の部員が抜けたため、練習回数はいつもよりも増える。寒さや人数などいつもとは違う環境での練習となる。練習にも「勝敗」という緊張感を作り出すと肩で息をする選手も出てきた。混乱した状態では接戦での好プレーは期待できない。やはり相手よりも冷静にことを進めるほうが、勝利には近づく。呼吸は吐くことで整えることができる。目的を達成するために熱く燃えあげる。そのためには、混乱した状況の中でも常に心を落ち着けられる強いハートが必要だ。
2008/2/21 (Thu) リスクヘッジ
　毎日外に出ていると、気候の変化を肌で感じる。まだまだコートは手放せないが、グランドでは半袖の選手が走り回る。天気予報を見ることは、ハンドボール部が創部されてから毎日の日課だが、最高気温もここ数日10度を超えてきた。春の訪れは間もなくである。一頃前までは、春といえば心躍る季節であったが、近年は自身にとってはつらい季節になった。そう、花粉症の季節なのだ。暖かさとともにスギ花粉も舞い始め職員室ではマスク姿の先生やくしゃみが止まらない先生もあらわれるようになった。冬にインフルエンザの予防接種をうつように、花粉症で集中力が切れる選手は早めに対策を願いたい。
　日常生活でもそうなのだが、プレーでもこのリスクを回避することは大切だ。チーム間で戦う競技には、予想外のプレーも発生する。並の選手は、その予想通りのシナリオを描く力はあるかもしれないが、もう1枚上手の選手は、その先の状況も思い描き対応する能力があるように思う。リバウンドがチームの司令塔的選手によく飛んでくるのはそのためだろう。
　勝利にも色々なことを想定した準備が必要なのだ。
2008/2/20 (Wed) 自分で鼓舞する
　ようやく暖かくなってきた。今日は、またOBの進路報告があり、そのまま練習参加してくれたため、いつもにもまして活気ある練習ができたように思う。受験勉強のハンディはあるが、間合いのとれるOBのプレーは現役の参考になる。
　日々の練習で、いつもハイテンションを続けるのは難しい。しかし、ローテンションで練習してもなかなか前向きな発想にはならず、練習成果も落ちてしまう。メンタルトレーニングには「逆U字曲線」というのがある。あまりにも緊張感がなくても、また反対に緊張しすぎ（力みすぎ）ても、自分の持てる力を最大限に発揮することはできない。適度のほどよい緊張感が潜在能力を引き出す。大相撲の高見盛の塩撒きほどではないにせよ、自分で自分を鼓舞することは技術を習得する上で大切なことだ。日々の練習を実り多きものにするために腹の底から声をだすことも必要なことなのだ。
2008/2/19 (Tue) 「積極的なプレー」の実践
　火曜日の学習会で数名練習には参加できなかったが、冬型気圧配置が少し緩むグランドで練習を実施した。条件設定型の練習で、弱点の克服をはかる。ディフェンス隊形にはさまざまな特徴がありそれを知るのも武器になる。いずれにせよ、個人の状況判断力がものをいう。何でもないことかもしれないが、これまでなかなか自分で状況を打開できなかった選手が、ボールを持ちフェイントをかけた。その選手の日曜日の目標設定の項目には「積極的にプレーする」と書かれていた。漠然とした言葉ではなく、彼の中では「積極的にプレーする」とはきわめて具体的な言葉だったのであろう。少しの意識の変化がプレーの質を変える。意識が変われば自分を変えることができるのだ。試合で勝つこともうれしいことだが、選手の「気づき」や「変化」を感じることは指導者としてこれ以上うれしいことはない。それぞれのステージで上を目指せ。
2008/2/18 (Mon) 前向き練習に向けて
　週が明けて新しい1週間が始まった。高3生は自由登校日となっており、６限後礼で１学年少ないのはさびしい。先日のウインターカップ（一宮・尾西地区ハンドボール競技会）の賞状とトロフィーが校長から主将に渡された。寒さの中で身が引き締まる思いがした。
　練習は今日は休み。試験週間まであと１週間練習ができる。イチロー選手の打席前のルーティーンのように、週の練習のイメージを描く。どんなにわずかな時間でも思いを巡らせてするのと、受け身とではその効果が違う。明日から土曜日までの５日間。目標達成に１ｍｍでも近づけるよう前向き(積極的)に練習に取り組もう。
2008/2/17 (Sun) 修行の学習会
　学年末の考査まで2週間。春の大会までの課題は山と積まれているが、今日は、創部以来初の試みで休日に文字通りの「学習会」を実施した。ハンドボール同様、次回考査でも「目標設定」をし、学習会に入る。50分×４セット。睡魔が襲い、つらそうな様子の選手も。しかし、最後のセットに入るとみなが集中し、一体感がうまれた（様な気がした）。禅の修行で太鼓の音を合せチームが一体となるという話を聞いたことがある。これからおとづれるさまざまな困難もチーム一丸となって乗り越えていきたいという思いもあっての試みだ。テスト発表まであと1週間。今週は、練習をしながら試験勉強を始め、文武両道を実践して欲しい。己を律する強い意志を持て。
2008/2/16 (Sat) 狙いを定め、結果を検証
　時折小雪がちらつくグランドで午後から練習。かじかむ手を時折太陽の光が温める。一通りの練習のあと、チームを4つに分け、ミニ大会を実施した。選手の生の動きをより多く観察するために、Dチームで参戦した。高1は、中学生時代に紅白戦で戦ったことはあったのだが、さすがに高校に上がるとスピード、パワー、テクニックががつきとても太刀打ちできなかった。中でも「いやらしいプレー」を仕掛けてくる選手は、その頭の中に「狙い」があり、それを実行するテクニックをもっているところに共通点がある。「狙い」はあるが実行するテクニックがない、あるいは、テクニックはあるが「狙い（目的）」をもってプレーしていない選手は、ミスも多く非常に守りやすい。練習やプレーに「狙い」「テーマ」をもち、それを検証することでチームとして、そして個人の技量を高めていきたい。
2008/2/15 (Fri) 寒さも雨も吹き飛ばす
　寒い一日であった。おまけに練習が始まると小雨が降り始めた。グランドを滑らすほどの雨ではなかったが、ボールにつけば油のようにエラーの誘発剤と化す。悪コンディションではあったが、いつもどおりに課題を設定し練習に取り組む。途中どんなコンディションかを探るため選手に混じりコートに立つ。コンディションの悪い中で選手のプレーを観察すると、悪条件をものともせず孤高の世界でハンドボール取り組む選手もいる。すべるボールを環境のせいに投射するもののいる。目的意識を持つ選手の成長を頼もしく感じる。週末は、ハンドボール以外の自分との戦いも待っている。春の夢の実現に向けて決して遠回りではないと信じている。
2008/2/14 (Thu) 自分をつくる。自分からつくる。
　昨日より風のない分、温かく感じるグランド。気温10度は下回っていても今日もグランドで元気に練習した。木曜日の会議の日なのでグランドにいた時間は限られたが、少しでも成長しようとする選手をみると、自身も向上心がわく。
　サッカーやバスケットでも「司令塔」というポジションがあるが、ハンドボールでもセンタープレイヤーにはゲームメイクが求められる。しかし、ゲームメークはそのポジションにこだわったものではない。シュートを放つエースポジションも、サイドプレーヤーもゲームをつくることは可能だ。先日のウインターカップでもサイドプレーヤーのサイドシュート以外の得点によりチームが救われたこともあった。ディフェンスをよく観察し、自分でよくボールを持てるようになったという。
　自分のプレーを作り上げると、そこから自分がチームやゲームを作り上げることができる。そういう選手がコート上に7人もいれば、相手は的を絞ることはできなくなるであろう。（ボールを）持ちすぎを奨励するわけではないが、日々の練習で、自分のプレーに磨きをかけていこう。
2008/2/13 (Wed) ワン、ツー、スリー
　凍てつくような寒さがグランドを覆う。夜に凍結するグランドを昼の太陽が照らすが、若干水分が残り、少しぬかるむグランドで寒さに負けず元気に練習をした。
　気温が10度を切るとボールを握るのもままならない。いつものパス練習も動きながらのパスに変え体を温めてから、オールコートを使ったトレーニングで汗が出るまで動くことを目指した。
　選択肢のカードが年を変えてから増えてきた選手が出てきた。成長している証しだ。ワン、ツー、スリーとはディフェンス体形のことではなく、心の中でのカードの話。目まぐるしく変わる状況のなかで、ワン、ツーまでは大体の選手が見えるようになったが、次のプレーで新たな選択肢を探すか、さらには、味方へのパスならば、その味方がどういう体勢だとボールを取りやすいかなど、細かな配慮もできてくるようになる。
　もちろん、すべて3秒使うことが正しいわけではない。タップのように０でさばく方が正解だということもある。０から１、２、３、の長い時間の中で自分の頭を使って判断する。そして、その自分の判断により敵の裏をかき、得点につながった時はなんともいえない恍惚感にひたれる。ゲームの楽しみはここにあるような気がする。
2008/2/12 (Tue) 総合的な力の育成
　大会から一夜あけた。公立校とは違い、先に入試などの業務が終了しているため、学年末の考査までは2週間ほど時間がある。考査明けからは、インターハイ予選にむけてその準備のためのチーム強化一色になるが、この時期の時間の使い方については大会前に考えをめぐらせていた。
　最後の目標達成の期日に向けて着実に準備を進めていくことに変わりはないのだが、もう少し違った視点にたってチームで時間を共有する方法を考えた。ハンドボールの技術をつけることが勝利への近道であることはだれもが承知のことだが、それとともに、滝高校に通う一高校生として、より総合的な力を育成していく時間にあてたいと思う。学力の向上という結果を求めるのではない。なぜ学ぶのか？そして集団の規律の中で己を見つめる時間をつくり、自分とは何か？を探求してほしい。逃避的な「自分探し」ではない。逃れようもないピンチに陥った時、自分の力でチームを救うそういう人間に成長してほしいと考えるからだ。負けたら引退のデスマッチではこれまで以上に精神力や総合的な人間力が問われる試合が増えるだろう。
　人間が強くなればハンドボールも強くなる。
　
2008/2/11 (Mon) 道程
ウインターカップ決勝(1位)リーグ

第1試合　滝14(9−5,5−6)11津島東

　立ち上がりからリバウンドなどに集中し、ゴールを決め主導権を握る。前半終了間際のカットからの1点が15分ハーフという短時間決戦でもつ意味は大きかった。後半は自チーム退場をしのいだが、終盤激しい追い上げにあった。しかし、落ち着いて７ｍｔを決めダメ押しもあり3点差で辛くも勝利をものにした。

第2試合　滝20(11−7,9−7)14一宮

　リーグ戦の妙がここで出る。一宮は起工業を初戦で破り、その起工業と津島東が前の試合で引き分けたため、事実上の「決勝」となる。11月新人戦準決勝後半には、1時2点差に迫られ冷汗をかいた相手であったが、2か月の成長は大きかった。前に出てくるディフェンスをむしろチャンスとばかりに得点をあげるようになった。

第3試合　滝13(4−4,9−5)9起工業

　その前の試合で一宮が津島東に敗れたため、試合前に「優勝」は決まっていた。来年正月の新人戦県大会「決勝リーグ」に進出した場合、リーグ戦の戦い方も勉強しておかねばならない。選手も当然、その事実は知った上で「完全優勝を目指そう」と確認し、試合が始まる。前半は互いに守りロースコア。後半も立ち上がり2点を取られ重苦しい雰囲気になるところを、冷静に追いつき逆転に成功。最後のダメ押しもとり、2年ぶり4回目のウインターカップを文字通り手に入れた。

最終順位　優勝　滝高校　３勝０敗　準優勝　津島東　１勝１敗１分け
　　　　　３位　一宮　　１勝２敗　４位　　起工業　０勝２敗１分け

　県大会の悔しい敗戦から、決して恵まれたとは言えない環境の中でも寒さにも耐えよく頑張ってきたと思う。しかし、厳しいかもしれないが、この優勝はチーム結成当初に掲げたチームの目標の「道程」だと考えている。喜びを明日への糧にしてまた、前に進まなければならない。１００里を行くものは９０里を半ばとせよ、という言葉の通り、ここからが本当の闘いなのだ。３年前の初のベスト８進出時も幾多の試練が待ち受けていた。そして、その試練はチームが一丸とならなければ乗り越えることはできない。さあ、最後の決戦へいざ！