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顧問の練習日記です。

2006/7/29 (Sat) 練習の成果
　予選が終わり、夏の特別授業がはじまったこの１週間。炎天下の中での練習を本当によく耐えてきた。朝のホームルームや授業中のハンドボール部員の様子をみると、まぶたをあげるのさえ辛そうな生徒もいる。夏休みのはじめに選手に言ったことは「普通の高校生は夏を『休む』。しかし、滝高校ハンドボール部の生徒は、勉強にせよハンドボールにせよ夏を『休まない』。だから、夏こそ過酷な時間を過ごすことになると覚悟を決めよ。それが一生忘れない夏になる。」ということだ。今こそ、踏ん張りどころだろう。
　練習の成果が今実りとなってきている。アマチュアスポーツにとって何よりの報酬は「勝利」だ。その喜びは何物にも変えがたい。最高の美味の勝利の実をしっかり収穫できるだけの力が確実に備わっているように感じる。８月２日、初戦突破。そして８月３日を愛知ハンド界における歴史的１日にしよう。その成果は確実についている。今こそ、自分に来た道を信じよう。
2006/7/28 (Fri) 有限実行で自分にも克、相手にも勝つ
　特別授業4日目。今日も真夏日が続く。選手はもうこの暑さに慣れ、動きも軽やかに見える。与えられた課題は同じ数だが、今日は昨日よりもスムーズに練習を終えることができた。
　とある経済の本で面白い記事をみつけた。ライバル会社とされる2社が業界にはある。トヨタと日産など。ところが、普段何気なく「ライバル」と思われている企業には、数字の上ではライバルとはいえない格差がある。ポテトチップスといえばカルビーと湖池屋の2社がライバルとされるが、資本金だけで比較してみるとカルビーは27億4503万円であるのに対して、湖池屋はわずかに3000万円。広告業界では「デン・パク」と言われる電通と博報堂の2社がしのぎを削っているが、実はその資本金も前者が589億6710万円であるのに対し、後者は100億円。その差は歴然だ（各HPより）。実は、これ、世間でライバルと認められるよう、2番手企業の知恵を絞った経営戦略でもある。売り上げは10分の1しかないのに、ライバルと同じ時期に商品を開発したり、新広告を打ったりして「世論」を作り上げているのである。当然、リスクはあるがリスクを冒さない限りゲインもない。
　この夏、大きなチャンスがめぐってくる。「勝つ」と信じよう。それが自分に克ち、相手にも勝つことにつながる。
　
2006/7/27 (Thu) 予選終了、さあ本戦
　他地区の予選が本日全ての地区で終了した。３年生が最後の栄光を目指すチーム、新チームの力試しのチーム、いろいろな意味づけで８月２日からの本戦（県大会）をむかえることであろう。
　尾張２位で出場する滝は、今回１回戦を突破すれば、強豪愛知と対戦することができる。頼もしいのは、選手が「勝つこと」を目指していることだ。
　今日も特別授業が終わった午後から炎天下の中で練習を行った。真夏日の練習は３日目になったが、疲れもみせず、目標に向かって練習をした。この練習が、努力が報われるときが来るであろう。
　明日もまた暑い日が続く。自分に負けない強い精神力を養うチャンスととらえ、明日もまた練習しよう。
2006/7/26 (Wed) 心機一転
　特別授業２日目。暑い夏は続く。今日は校医のスポーツドクターの検診のため、練習開始は４時からと少し遅めではじまった。幸い今日検診を受けたものの中にはスポーツ障害はなかったが、ディフェンスの要、チームの大黒柱が数日前の練習で骨折していたことが判明し、長期離脱が決定的となった。あせる気持ちは痛いほど分かるが、あせらず完治させることが何よりのチームへの貢献になる。チームはまだ始まったばかり。じっくり直して欲しい。残った２８名の選手は、早く抜けた穴を埋められるよう気持ちを新たにしなければならない。
　検診のあと、検診の終わったものから部室の掃除を行った。ゴミ袋にして１０袋以上のゴミを全員で徒歩１０分の学校まで運んでいった。
　
隣のグランドでともに汗を流し、ともに戦ってきた中学の後輩が、今日の試合で中学ハンドを卒業した。創部期のメンバーで、高校にはなくてはならない戦力だ。
　色んな状況が変わる。めまぐるしく変わる状況に我々は対応していかねばならない。抜けた穴、新メンバーの受け入れ。部室の掃除で心機一転し、新しいチームを切り開こう。
2006/7/25 (Tue) 夏の太陽のように燦燦と
　今日から、夏休み特別授業が始まった。午前中全員が登校し、普段と変わらぬ授業を受ける。それでも、午後からは自由な時間があり、目一杯ハンドボールに打ち込むことができる。太陽も、この日を待っていたかのように晴天となり、梅雨明け宣言を待つばかりとなっている。
　午後からの練習は暑さや湿度の戦いもある。今日は、風が通りやや涼しく感じられたが、これからは、気温も上がっていくであろう。その環境の中でも「勝利」という目的に向かって邁進していきたい。
　ここから県大会までは、普段の練習でとれない「量」を増やすことを１つのテーマとして練習している。頭で分かっていても、やはり「反復練習」で身につけなければならない技術もあるからだ。辛い時間もあるだろう。しかし、みんなでこの時間をのりこえよう。辛いのは自分だけではない。みんな同じなのだ。
2006/7/24 (Mon) 鉄を打て
　敗戦から1夜あけた。3年生の総体予選ほどの気落ちはない。まだ、このチームは始まったばかり。次に向けて歩めばよい。県大会も間近に迫っている。
　ただ、敗戦の受け止め方によって、その先の進路は変わる。「まけて当たり前」と考えるか「次こそは」と考えるか。
　森永砒素ミルク事件や豊田商事事件を担当し、日弁連会長も勤めた中坊公平さんは、幼い頃、強度の近眼で運動もできず、「なぜ、自分だけが」と自問自答を繰り返したという。悪い成績をとったとき父親が担任の先生に「自宅で補習しては」と促されたとき、「うちの子は金ではなく、鉄として生まれた。家で補習をするということは、鉄の子に金メッキをすることと同じ。学校の成績はよくなるかもしれないが、メッキはいつかはがれる。それより、鉄としてどう生きていくのか考える力をつけさせたい」と応えた。
　勉強ができない、跳び箱が跳べないのは結果。結果には原因がある。「自分だけが」と悲観するよりも、その原因を考えるようになったことが自立の一歩となった（中日新聞7月24日付）。
　悔しいふりだけでは「メッキ」になる。心の底から「勝ち」を目指せ。熱いうちに鉄を打て。敗因を克服してこそ、勝者になる。
2006/7/23 (Sun) 準優勝、得点差以上に差はない
準決勝　滝２６（１４−５、１２−５）１０江南

昨日のビデオテープのように立ち上がりペースが上がらず０−３まで離される。キーパーの７ｍ阻止などで勢いづき、前半を１４−５と折り返し勝負を決めた。

決勝　滝１０（７−１０、３−１０）２０起工業

両チームレッドカードが出る白熱した（荒い）ゲームとなった。前半は、速攻で追いすがったが、後半はなかなか得点が延びず、時間だけが過ぎていった。おわってみればダブルスコアであったが、後半も前半のような試合内容だっただけに点差以上にトップとの差はないと感じた。起工業も２年生主体のチームと聞く。１年通じて５回（ウインターカップを含む）の対戦があるが、必ずや次（８月の尾張大会）は借りを返したい。

ファーストチャレンジは、失敗に終わったが、まだまだ先は長い。自分たちの実力を蓄えて、またチャレンジしよう。戦いは始まったばかりだ。
2006/7/22 (Sat) 代償は大きかった。しかし、勉強もできた。
滝２９（１１−６、１８−７）１３美和
準決勝進出

　昨日、練習場所に苦慮したが、最終的には練習できなかったことがそのまま立ち上がりの結果に。前半１０分過ぎまで０−４とリードを許す、苦しい展開に。気はあせり、放つシュートがディフェンスにはじかれ、枠をはずした。
　徐々にペースを取り戻し、終わってみれば大勝のゲームであったが、練習の大切さ、メンタルの重要性を認識させるゲームであった。心のコントロールは本当に難しい。練習という裏づけや、自分への誇り、感謝の気持ち、経験、いろんな要素があり、若いチームには本当によい勉強になったと思う。
　明日は準決勝、決勝とも３年生の残るチームだ。チャレンジャー精神を忘れずに一気に頂点まで登りつめよう。
2006/7/21 (Fri) 信じるとは任せること、と言い聞かす
　天気予報通りだが、朝から雨が降った。中学生の最後の大会も雨で流れた。１日限定で、中学生の審判をする予定になっていたが、これも流れてしまった。秋の大会でも雨で流れてしまい、地域の中学生の競技運営に貢献できなく大変申し訳なく思っている。とはいえ私学の教員であるため、転勤はなく、いつかは、地域の中学生に貢献したいと思っている。
　学園は中学の他の競技の会場校となり、今日は１日熱戦が繰り広げられる予定と聞いていた。残念ながら、雨と活動場所がないのとで、今日は大会前日の「全体練習休み」という苦渋の決断を迫られた。不安がないといったらうそになる。１日家にいながらも、選手たちは自ら練習してくれるだろうか、と自問自答を繰り返した。しかし、勝ちたい気持ちは選手も同じ。「信じるとは人の心に任せること」という、伏見工業ラグビー部総監督の山口良治先生の言葉を思いながら１日を過ごした。
　明日から再開される大会。気持ちを込めて戦おう。
2006/7/20 (Thu) 終業式、夏、スタート
　今日で1学期が終了した。顧問をしていると、インターハイ予選が1年の大きな節目になるが、学校生活では今日も１つの節目である。日頃は忙しく、過去を振り返る余裕もないもののいるかもしれないが、学年があがって3ヶ月ちょっとの時間、一度自分を振りかえって欲しい。そしてその反省をいかした夏休みを送って欲しいと願う。
　この夏休み、ハンドボール部にとっては毎年、「挑戦の夏休み」と位置づけて、いろんなことにチャレンジしている。特別授業などもあり、遠征や合宿などはないが、何よりも暑い過酷な環境の中での「自分のへのチャレンジ」を最重要課題にすえて欲しい。ハンドボール部の夏は、ある意味で普段の生活よりも厳しい生活かもしれない。ぐっと魂を込めてこれからの40日を人生最高に充実した40日にしていこう。
2006/7/19 (Wed) 雨のち晴れで練習
　朝から昨日から続いての雨。しかし、昼には夏の日差しが差し込み、あっという間にグランドの水分は飛んだ。少しぬかるみは残るものの、今の部員たちはその修復もお手のもの。岐阜県は大雨洪水警報の発令のため休学となり、４人の部員が参加できなかったが、心地よい日差しの下でみっちり練習することができた。
　全メンバーがそろわなかったため、組織練習はできなかったが、個人練習で汗を流した。大会を前にして気はあせるだろうが、選手一人一人が目的意識を持ちいつも以上に集中した練習ができたのではないか。何よりも「技術の向上」を楽しんでいたように思う。「楽しむ」とは、高きに目指すもの。明日も天気は不安だが、今のチームに迷いはない。勝敗にこだわらないわけではないが、今はその「楽しみ」を満喫できる練習をしたい。
2006/7/18 (Tue) 一呼吸
　雨は続く。今日は5限目前に岐阜地方に大雨洪水警報が発令され、岐阜地区在住の生徒が帰宅した。ハンド部の生徒も3名が帰宅。広域圏からの通学であることを改めて実感する。
　予定では、今日は大会翌日のため、練習は休みにしていた。2日間雨にたたられ、大会は順延され、「夏優勝」の楽しみは先に伸びたが、今日は予定表どおり休みとした。一息ついて、明日からの練習に備えよう。天気の早い回復を祈るばかりである。
2006/7/17 (Mon) 理論（ものの道理）の重要性
　大会は２日連続で順延となった。２２日から準々決勝からはじまる。１日でも多く練習できると思えば、この「間」は滝にとって恵みのものとなるであろう。そうするような練習をしなければなるまい。
　午後から急遽、体育館で中学と合同練習。中学、高校の交互に紅白戦を行った。高校生同士の試合では、紅白戦で大差の試合もあれば接戦の試合もある。不安定の要因は「得点」にある。得点をとれば大差（大勝）じゃないか、と思うかもしれないが、そうではない。取り方に問題があるのだ。現チームは力（パワー、スピード）がある。そのため、時に、得点を力に頼る。その力が切れてきたり力が通用しなくなると、得点がとまり不安定になるのだ。
　漫画「ドラゴン桜」のモデルになった英語講師竹岡広信先生は、「英語講師をしていて辛かったことは？」と聞かれて「たくさんの生徒をつぶしたこと。最初からうまく教えられたわけじゃない。二十代の前半は、何の理論もなかった。あるのは情熱だけ。詰め込み詰め込みで、地獄に連れていってしまった」とほぞをかむ。
　勝利を手中に収めるためには、取れるときに確実に取るしたたかさも大切である。情熱は必要だ。と同時に理論、理屈も身につけていこう。
2006/7/16 (Sun) 雨天順延、それさえも味方に
　朝６時に目覚め、江南の空を確認した。昨日は深夜から雨が降りはじめ、その雨が夜通し降り続いたのであろう。雨は小降りになっていたが、会場の古知野高校近くの第４グランドの状態を確認しに行ったところ、水が浮き出しているような状態であった。６時３０分雨天順延が決定した。
　優勝をねらう今大会、この雨は吉とでるか凶と出るか。気持ちを持続させねばならない点では経験の浅いチームとしては不利になるかもしれない。しかし、２１日まで決勝が伸び「時間」を確保できると考えれば、それも条件を有利なものに変えることができる。
　チームの失点はリスクを冒した速攻やシュートの後、とられるパターンが多い。行くべきところとめるところの見極めは当然重要だが、リスクを冒さない勝利はない。リスクを恐れず、そしてそのセーフティネットをチーム全員でフォローする、今は、すべて前向きに考えてプレーしていこう。
　明日も天候は微妙だが「試合はある」という前提で生活を送るように。
2006/7/15 (Sat) 完勝でスタート
滝１７（１０−２，７−４）６小牧南　
　愛知県選手権尾張支部大会が開幕した。朝から真夏日で気温はぐんぐん上昇した。滝は第８試合から登場。その頃には少し気温は落ち着き、ちょうどよい環境で試合を行うことができた。
　立ち上がり、シュートミスからの逆速攻で先取点を奪われる。続けざまに、相手フリースローの壁の上からのミドルシュートがキーパーの手をかすめてゴールを奪われ０−２のスタート。しかし、キャプテン、副キャプテンはいたって冷静であった。その様子が何とも頼もしくあった。速攻ですぐに追いつきその後は滝のペース。前半を１０−２のリードで折り返した。失点は最初の２点だけであったことも評価材料だろう。後半も立ち上がり失点を許さず７分までで１６−２。途中メンバー交代もあったが、終わってみてれば１７−６の完勝で見事初陣を飾ることができた。
　課題が全くなかったわけではない。退場になるケースや、シュート無理打ちからの逆速攻は反省しなければならない。しかし、その他「積極的なミス」に関してはみんなでフォローし流れを相手に渡さなかった。
　戦いはまだはじまったばかりである。明日は｢豊橋行き(県大会)」の切符をかけた大切な試合である。注意力が散漫になるのではなく、また気負いすぎることなく平常心で明日の戦いを迎えよう。
　今日の試合は、ＯＢや女子同好会、ご父兄の方に応援に来ていただいた。何もないところからはじめたこのチームが着実に成長している。感謝の気持ちを成長の糧に変えていこう。
2006/7/14 (Fri) 失敗を恐れずに
いよいよ、今チームの公式戦初陣が明日にせまった。６月からの２ヶ月弱。基礎練習からはじめ、ようやくチームのしての形も整ってきた。チーム結成時、大きな目標を掲げた。総体県大会ベスト４。そこにいたるプロローグが明日からはじまる。もう一つは｢今大会優勝」も例年にない目標設定だ。果敢にチャレンジし、１つ１つ積み上げていきそこ(優勝)に到達したいと思っている。こじんまりまとまるための戦いではない。未知数の現チームで、失敗を恐れず、上を目指していきたい。思うような試合展開ができないこともあるだろう。ミスが続きいやな雰囲気になることもあるだろう。それを乗り越えてこそ先に光が見える。どんなことがあってもチームは味方。失敗を恐れず戦うことを誓おう。
2006/7/13 (Thu) 暑さもぬかるみも想定
　梅雨晴れ宣言はまだだが、今日の日差しは午後から強くなり、真夏のような天候となった。昨年はこの天候に悩まされ、決勝では実力が発揮できなかったとOBが昨日語っていた。この暑さに慣れることも実力のうち。また、天気予報をみると、土曜日は天気が持ちそうだが、日・月は｢曇り時々雨」の予報である。試合はできるが、少雨のなかで試合決行ということも予想される。かつて尾張の大会は総体・新人戦全てがグランドでの開催の年もあったが、雨のせいばかりではないがそれが影響して勝利を逃した試合もあった。悪条件も想定しておかなければなるまい。
　大会まであと１日。しっかり練習して初陣に備えよう。
2006/7/12 (Wed) OB戦引き分け
　３年生クラブ写真の日。毎年、恒例となったが、３年生引退後１ヶ月ちょっと経ったころにOB戦を行っている。新チームになってこの間にでれだけ力がついたかを知る試金石となっている。
　今日の結果、前半６−１０でOB優位で折り返し。OBの試合巧者ぶりが光った。半面で現役の経験のなさがもろに出てしまった試合であった。
　後半は、OBのスタミナが切れ、そこを現役がついた形で追いつき、残り３０秒で現役逆転のチャンスもあったが、決めきれず、引き分けに終わった。
　過去数年のこのOB戦のスコアは、OBの圧倒であったので、その意味では善戦といえる。しかし、OBの体力が残っていたら、と考えるとまだまだ課題が多い試合であった。
　しかし、課題はあって当然である。だからこそ練習のやりがいがあるというものだ。この先楽しみである。
2006/7/11 (Tue) 柔よく剛を制す⇒柔も剛も
　雨は降ったり止んだり。急遽、大会前の調整のため近くの高校に練習試合に出かけた。空は暗闇に包まれたようなどんより雲でぽつぽつと降ることはあったが、何とか試合は続行できた。今日の１日は経験の浅い今チームにとって大変ありがたい１日となった。
　とにかく、今は｢試合経験」が重要である。練習試合であろうとも目的意識をもって取り組まねばならない。
　柔道の精神は｢柔よく剛を制す」である。今チームは特徴は｢剛」の選手が多い。スピードやパワーは非常にたくましい。しかし、ゲームスタミナ、怪我の発生、視野を狭めるなどデメリットもある。このチームの課題は｢しなやかさ」。タイミング、視野の取り方、コンビプレーなど力は大きな武器だがそれ＋αのことを積み上げていきたい。明日は３年生とのOB戦。公式戦と位置づけて、試合に臨もう。
2006/7/10 (Mon) 本質を見失わない
　月曜日、練習時間は１時間を切る過酷な曜日。新チームになってから、普段は日曜日練習した翌日は休日にしているが、大会前の確認事項もあり、今日はわずか数分の練習を断行した。１年生がグランドにきて、丁寧にラインの引きなおしを行っていた。練習開始近くになっても、整備は終わらなかったが２年生が率先してライン引きの手伝いをし、数分間でもはやく練習を始めることができた。
　チームの方針は各チームさまざまで、下級生が準備をする部活もあれば、共同で行う部活もあるだろう。伝統的な年功序列社会を否定はしないし、世の中の会社や組織でそれが一般的であるならば「素養」として、「下のものが動く」ことを教えるのも大切なことだと思う。しかし、ルールや秩序には意味がなければならない。学校の校則も生徒にとっては「くだらない」「うっとうしい」ものもあるかもしれない。しかし、学校社会を出た一般社会になれば、もっと自分の思い通りにならない規則やルール、場面がある。校則（外面性）に従うことも人間のトレランス（寛容性＝内面性）を養うという点で非常に重要なことだと私は考えている。
　物事の本質を見失ってはいけないということだ。今日は短い練習時間で大会に向けての練習をするという本質があり、その準備を率先して行えた２年生の行動は立派だと思う。「それは１年の役目だ」と思う前に物事の本質を見極められる選手に２９名がなれると信じている。
2006/7/9 (Sun) メンタルタフネス
　１５日から初陣の大会を迎える。今日は、大会に向けての最終調整。１０あるうちの８割までは集中できていたが、残り２割で少し本領を発揮できないプレーが生じた。これまで接戦で痛い星を落としてきただけに、ラストのプレーや最終局面のプレーはチームとして意識していきたい。練習ゲームであれば、たとえ大差の試合であってもゲーム終了のホイッスルまで、集中力を持続させたい。１本１本のゲームを大切にしていけば、１年後にその積み重ねが接戦に強い強靭な精神力となるであろう。スポーツ心理学者のジム・レイヤーは、最高のプレーをする精神状態として次の１２の項目を挙げている。
・からだ（筋肉）はリラックスしている
・落ち着いていて冷静
・不安がない
・自信に満ちている
・注意力が鋭い
・自己コントロールができている
・集中している
・エネルギッシュ
・楽観的で前向き
・とても楽しんでいる
・無理に努力している感じがない
・自然にプレーしている
プレー中にすべてのことを頭において行動することは難しいが、心の向きはこちらを向いてプレーをしていこう。
精神力の持続も大きな武器になる。
2006/7/8 (Sat) リスクを冒す＝勇気
　模試のため、せっかくの週末だが、練習開始は4時15分から。わずか1時間強の練習だが、短時間で集中して練習しようとする意志は感じられた。1年生も昨日の反省をいかし、今日も色んなポジションのトライ。1回目、失敗。2回目、失敗。しかし、3回目には少し上達の兆しが見られる。成長とはこうして失敗を繰り返していくものだ。どんどん失敗し、上達していこうではないか。
　思えば、滝高校ハンドボール部は、創部以来中学経験者のほとんどいない状況のなかで戦ってきた。その経験を埋めてきたのは、ミスを恐れない挑戦心であった。ギリシアの哲学者アリストテレスは、何も考えない「無謀」と考えすぎて何もしない｢臆病」の中庸として「勇気｣があると説いた。「リスクを冒す」とはまさに勇気をもって立ち向かうことだ。初心者の1年生、まもなく｢優勝｣にむかってひた走る2年生。それぞれが｢勇気｣をもってチャレンジしていこう。
2006/7/7 (Fri) 指針
　不安定な天気は今日も続く。しかし、最後まで雨は待ってくれ４時からの練習を行うことができた。
　試合も近い。今日は、１・２年生合同で実践的な練習を行った。１年生は、体力的にも２年生に追いつけるようになってきた。しかし、まだ、試合での局面でどう動いてよいのか分からず、右往左往している様子が手に取るように分かった。もちろん、それを指導するのが私の役目であるが、２年生は時間のある時１年生にしっかりと指針を浸透させていくことも役目である。また、１年生も受身の姿勢から能動的に動いてみよう。個性は組織の中で磨かれて育つからである。老舗の秘伝の「タレ」は創業以来切らしたことはないところもある。新しい材料を継ぎ足しても「変わらぬ味」を保つことができるからである。
　２年生にも優勝という「指針」がある。ゆるぎない「指針」に照らすと自身の行動が見えてくる。
2006/7/6 (Thu) 慌しいを言い訳にせず。腰をすえて
　第2回定期考査が終わった。これまでは生徒が一生懸命勉強してきたと思うが、今日から教員が採点、成績処理など格闘がはじまる。
　今日は、梅雨の晴れ間でグランドは少しぬかるんでいるところもあったが、練習できる状態にあった。少し遅れてグランドにいったが、選手はすでに練習をはじめ、テスト後初のボールを使った練習を黙々と行っていた。大会までの期間は本当に限られているが、時間はみんな平等のもの。一生懸命何かに取り組めば、時間がなくなるのは当然なのだ。ハンドボールでも集中した練習はあっという間に時間が経ってしまう経験は誰にでもあるであろう。あわてず、じっくり大会に向けての準備を進めていこう。
2006/7/5 (Wed) 夏、優勝に向けてスタート
　2週間にわたるテスト週間が明けた。選手の中には悶々とする思いもあったであろう。土曜日に模試があるなど時間に限りはあるが、初陣となる戦い、万全の態勢でのぞみたい。
　今日は、あいにくの雨空。午後から雨は上がったもののグランドは使用できず、はやる気持ちもあるが選手の疲労も考えて、今日は、江南市内の散策で気分転換をはかった。途中、にわか雨が降り、ウォーキングからランニングへの変更もあったが、心地よい汗を流せたのではないか。
　今日の練習の意図は伝わったであろうか。明日からは、すっきりとした気持ちで授業に集中し、練習で全力を尽くせるようにしてほしい。目標はこの夏の大会で「優勝」である。忘れないように、再確認。
2006/7/4 (Tue) 分業・協業・責任感
　よく晴れたすがすがしい1日。高校生のみんなはもう一日テスト勉強が続くが、今日もまた第4グランドで1時間のみ中学生の特別練習をみた。テスト終了時間が中高で異なり、わずかな時間しか指導することはできなかったが、選手の飲み込みは早く、昨日指摘したウィークポイントを修正して試合に臨んでいた。
　昨日、突然の引退を発表した中田選手も常に「チームの勝利」を第一の目的としきた。その思いが強すぎるあまり孤高の選手ともいわれた。サッカーやハンドボールに限らず、集団スポーツは、一人のスタープレーヤーだけでは勝てない。昨日の試合では、「個」のディフェンスが「弧」立していた。シュートをチェックする人、ポストをチェックする人、カットを狙う人、ボールが揺さぶられる間にめまぐるしく状況はかわる（分業）。スピードのある状況の中で、1つずつ丁寧にそれを対応＝変化させていかなければならない。一人では限界がある。が、みんなでは守れることもある。例えば、シューターをチェックしにいってポストがおろそかになったとする。しかし、両脇の選手は何もしなくてよいであろうか？マンツーマンを抜かれたそこで1点を失ってよいであろうか？そこで、分業から協業の発想があれば守ることは可能だろう。一人一人が責任を持てば、無敵のディフェンスとなるであろう。
　一緒に弁当を食べたり、放課にじゃれあったりすることだけで友情は生まれない。勝利という1つの目的に向かって自分をぶつけ合ってこそかけがえのない財産は生まれる。子どもから大人への脱皮の時、自分の殻をぶち破れ。
　
2006/7/3 (Mon) 厳しさは自分の心を鍛える宝
　週があけて定期考査３日目。高校生はまだ練習することはできないが、中学生は最後の菅内大会にむけての特別練習ができる。グランドは午前中の雨の影響で少しぬかるみ、急遽体育館に移動して練習することになった。中学主将はチームを代表し室内用ボールを第４グランドの倉庫まで一人で取りに行き練習は始まった。第４グランドまでの遠い道のり、制服は汗でぬれていた。３年間で培った責任感。何としてでも結果に結びつけさせてあげたい。
　一般的に考えれば、練習環境が整っているに越したことはない。しかし、厳しい練習環境も、勝ちたいという「心」を育てる宝ものかもしれない。かつて、ラグビー日本選手権でV7を達成した新日鉄釜石は、東北地方に位置していた。冬場の寒さは、「頬を削ぎ落とすように痛い」というほど。このような環境で、鉄の男たちは、一般社員と変わらぬ仕事のあと、”やらされる”練習ではなく、自ら”やる”練習を築き上げていったという。
　練習は、紅白戦を中心に行ったが、A・Bチームとも実力伯仲で互いに意地のぶつかり合いが見られた。欲を言えば、もう少しディフェンスの意識を他人のフォローにまわせる余裕がほしいが、速攻の勢い・ミドルシュートなど高校でも通用するレベルの高いプレーも随所にみられた。残された時間はあとわずか。創部メンバーの真の意味での”集大成”。滝の歴史に刻まれるチームであることは間違いない。
2006/7/2 (Sun) 原因があって結果がある
　晴れたと思ったら土砂降りが降り、雨が降ったと思ったら太陽がさす。そんな、猫の目のように変化に富んだ一日であった。雨というのも、都会暮らしの人にとっては厄介なものだが、農家にとっては恵みの雨。立場によっていろいろな見方が生まれる。
　ものには原因があって結果がある。瀬戸内寂聴さんが、インドのバラナシという都市に行った際、死期の迫る老人の家で小学校３・４年生くらいの女の子に出くわした。女の子は、片方のバケツからもう片方のバケツに水を手ですくって移し変えていた。「何をしているの？」とたずねると「私たちの田舎のお家のそばには、川が流れています。わたしのおじいちゃんは、その川の流れの音がとても好きで、懐かしがってます。ここにも大きなガンジス川があるけれど、おじいちゃんは耳が遠いし、この季節は流れがおだやかで、その川の響きが聞こえないから」と答えた。おじいちゃんの枕元で、ちゃぷちゃぷと水の流れる音を、おじいちゃんに聞かせていた国には、貧しくても少年犯罪はほとんどなかった。日本では、このような倫理観や道徳観が荒廃し、そのため、不自由ない豊かな国であるが、青少年の犯罪などが多発しているという。
　チームスポーツには、時に自分を殺すチームのための使命感や責任感が必要とされる。最後の一本で勝敗を決するような場面で結果を残せる選手は、生まれてきた環境や学校での生活が大きく関与してくるのである。ものごとに原因があって結果がある。
2006/7/1 (Sat) 生活習慣病
　昨日晩には大雨が降ったようであったが、朝から時より日差しも見られる汗ばむ天気となった。午後にはにわか雨もあり、相変わらず不安定な天気である。まもなくテストもあける。今週は、天気予報も気になる。夕刊の天気では、傘マークが曇りマークに変わっており、少し期待の日が差した。
　不安定な天候の中で、自分を律した生活が求められることは何度も書いた。卓球女子で白鵬女子高校・全日本女子の監督を歴任した近藤欽司先生は、松下電工の体育館で松下電工の社訓「物を作る前に物を作る人を作れ」の言葉に共感し、「卓球選手」の育成の前に「人間性教育」に重点を移した。自身のご病気も転機の１つであったそうだが、それ以降チームに自主性が芽生えたという。
　食べ物の偏りや生活習慣の乱れが、ある時「生活習慣病」になる。スポーツにおいても「練習だけしていれば、勉強は怠けてもいい」「自分さえよければ他人は何をしても構わない」という態度は、最後の総合的な力が必要とされる場面で真の力を発揮することができない。また、試合は１対１の戦いで、やられたらやり返す、相手以上の闘志を出すという点では、自己中心的な行動がメリットになることもあるが、反面で、こうした選手は試合ではもろい一面を出す。自分の思い通りにならない展開のときや、粘り強く我慢して次の転換を考えなければならないとき、試合を投げてしまうこともある。それを改善するためには、食事は好きなものしか食べない、学校生活でも授業中眠くなったら寝るという生活習慣を改める必要がある、と説く。
　「生活習慣病」を発症しないよう、普段から高校生として、人間として生活を送ろう。
2006/6/30 (Fri) 自分に厳しく
　定期考査2日目。今日の試験が終われば、生徒は土日2日間で息継ぎできる。高い目標に向かって努力する姿はスポーツも勉強も同じ。自分自身を律して残りの3日間のテストに全力をつぎ込んでほしい。そして、不安材料をなくした上で夏の大会モードに切り替えていきたい。
　シドニー五輪銀メダルの全日本の宇津木監督は、ノックを自分で打ち続けた。２時間３時間。本数では２０００本を超えることもある。並みの男の監督でもできず、”速射砲ノック”は国際大会の名物になるほどのすさまじさだ。
「練習は選手との戦いですよ。自分が負けるか選手が負けるか。それは年齢とともにいろんなところが痛くなってきますけど、選手が頑張ってるんだから私も頑張らないと試合は負けると思ってやってます」と。
　かつて猛暑の夏、本校の野球部の夏の大会の応援にいった際にも、照り返す日光でグランドは４０度近くになっている中で、試合後、監督に「暑くないですか？」と尋ねたことがあったが、「（練習も含めて）野球で暑いと感じたことはない」ときっぱりと答えていただいたことがあった。
　自分に厳しく。選手とともに戦っていきたい。
2006/6/29 (Thu) 夏空
　定期考査が今日から始まった。これから、生徒にとっては長い1週間がはじまるのだろう。睡眠不足や昼夜逆転の生活にならぬよう、くれぐれも注意してこの考査を乗り切って欲しい。
　中学校は昨日から最後の大会に向けての「熱中症対策」の特別練習がはじまった。今日はその2日目。高校の担任であるが、終礼が終わったあと、第4グランドで中学の選手とともに汗を流した。10分前後半のミニゲームで最後の調整を行ったが、前半で息が切れのどが渇き、頭は照り返しで奥底に熱がこもったような状況になった。普段の運動不足がたたったのだが、想像している以上に夏の空は厳しかった。
　高校生もテストが明ければすぐにこの炎天下との戦いにもなる。今は当然、勉強して欲しいが、土日には少しこの環境になれるためのトレーニングをしてほしいと痛感した。備えあれば憂いなし。
　汗をかくと頭も冴える。みんなの答案との格闘がはじまる。
2006/6/28 (Wed) 目標を１つに絞り込む
　夏の愛知県選手権尾張支部予選の組合せ抽選があった。いよいよ初陣も迫ってきた。新チーム結成の際のミーティングでは、先代の同大会の結果（準優勝）、その前の代の結果（準優勝）を引き合いに出し、目標を上方修正し、「夏の大会でも優勝」を掲げた。準備期間や試合経験、ライバルチームのチーム状況を考慮すれば、険しい目標設定かもしれない。しかし、１年後に「県大会ベスト４」を達成するためには、試練の道を進むのは当然の義務からも知れない。試験明けの練習からではなく、もうすでに戦いは始まっている。
　バルセロナ（92年）、アトランタ（96年）と過去２回の五輪は銀メダルであった柔道の田村（現谷）亮子選手は、2000年のシドニーの前に「私にとってシドニーは「挑戦」ですね。弱気になっているんじゃなくて、初めて五輪を迎える心境でやりたい。前回は気負って意識した面もありますから。９月１６日にここで勝つんだというイメージは、昨年８月のシドニー視察でつくってきましたから、それを実現させたいと思う。」の述べ、名言となっている「最高でも金メダル、最低でも金メダル」という言葉を残し、見事目標を達成して見せた。12年の月日の長さを思うと、その言葉と結果の重みは計り知れない。

　第４グランドでは、中学チームが最後の大会に向けての練習を始めた。チーム結成当初の目標を互いに達成させよう。
2006/6/27 (Tue) イメージをとらえる
　午後からぐんぐん気温は上昇し、今日から高校２年生の校舎にもいよいよエアコンが入るようになった。中学館や他の校舎はすでに使用が許可されていたところもあるが、これで６学年、どこにいってもエアコン使用の教室にいることになる。暑くて勉強に集中できない人にとってはありがたいものかも知れないが、発汗や代謝を下げるなど薬が毒になることもある。公立校ではエアコンなどないところもあり、その「自然」な環境でたくましく生活してきた選手たちとも、７月中旬の気温が３０度半ばに上がるグランドで県大会出場、優勝カップをかけて戦うのである。
　イチロー選手はあるスポーツ心理学者との対談で「どっちのボールが重いか」を問い「湿気を帯びている分だけ、こっちのほうが重い。」と答えた。鉄のボールとゴムボールを投げるときでは当然投げ方が変わるが、イチローはイメージでボールの感覚までを想像（内的イメージ）し、そして自分の投球ホーム（外的イメージ）につなげて微調整をしているほどだという。そのイメージがレザービームのような強肩を生み出しているのだ。
　野球部の試験期間中の特別練習が始まった。夏本番ももうすぐそこである。１年かけてチームを作ってきた野球部よりも一足早くわがハンド部は初陣に出る。特別練習はできないが、試合当日のイメージを膨らませておいてほしい。もちろん、夏の大会初優勝のイメージを。
2006/6/26 (Mon) 強くなるためには「公共心」
　週があけ、今日からは授業も始まった。滝の教員は、この時期、普段以上に忙しい。通常の65分授業×5コマに加え、英数国を中心に教師の周りには生徒の質問会が職員室で所狭しとはじまる。社会科の私はそれほどでもないのだが、問題作りなどには追われる。日常で部活に全力を注ぐためにはこの時期の教材研究の蓄えも欠かせない。自分の時間などほとんど省みず、職員室で生徒のために人生を賭して働く教師が多い私の職場には多くのことを学ばせてもらっている。子は社会の財産なのである。

　坂田ジュニアゴルフ塾で有名な坂田信弘さんの指導理念の１つは「公共心」の育成である。坂田塾ではボール、クラブ、芝生にあいさつをせえと教える。ある時、小学3年生の子に「みんな、練習場にあいさつして帰れ」「ボールも大事に扱え」というと、「どうしてですか？ボールなんか、700円で買えますよ。」と答えた。坂田さんが一喝していうには「ばかたれ！ボールは鉄の頭で、ヘッドクラブで引っぱたかれて痛かろうが。それでも我慢しとるんぞ。」と。続けて「ボールに心はなくたって、打つお前の中には心があろうが。魚も好きで食べられてんじゃねえぞ。人間が生きなきゃいかんために、こっちの勝手で食っとんだと。魚にしてみれば迷惑なんだ、人間っちゅうのは。それでもお互い生きていかなきゃいかん矛盾がある。せめて、できることは、ありがとうございましたというぐらいじゃないか」と。
　坂田さん自身、中学時代一家で夜逃げという崖っぷちの貧困生活を送りながらも、その父の「3分の1は世間に戻せ。3分の1は税金として国に納めよ。そして残りの3分の１を己の取り分にせよ」という遺言通り、成功を納めてからも、塾生からは１銭も取らず、年間１６００万円の自腹を切って社会の財産を育てている（『勝ちにいく身体』坂田信弘・齊藤孝著　角川書店）。

　世のため人のために生きることは成功の一歩である。

　
2006/6/25 (Sun) 技化するまで
　テスト週間の日曜日。昨日とは異なり今日の空は雲がかかり、気温も少し落ちた。こういう難しい時期にこそ鋼（はがね）のように叩いて体を鍛えたいが、選手の自主性に任せるしかない。
　勉強にもスポーツにも反復練習は上達の基礎だ。『声に出して読みたい日本語』の著者齊藤孝さんは、「私は、国語は体育だと考えているんです。国語は、もっと広く言えば勉強は、スポーツの上達と同じ構造を持っています。」ととらえている。たとえば初めて補助輪なしで自転車に挑戦すると、何度も何度も失敗するが、一度でも成功すると一生乗れる。これを「技化」と表現している。そこまでの「失敗」を耐える力があるかどうか。そこが自分で壁を越えていく「心の力」（＝忍耐力）の問題かもしれない。齊藤先生（明治大学）の元で才能が開花していく学生も、高校時代練習の厳しかった運動部員であるという。技化するまで徹底的に（勉強も運動も）反復練習をしてみよう。
　
2006/6/24(Sat) 心技体の体
　梅雨の晴れまで日中は30度近くまで気温が上がった。テスト期間は、まだまだ10日間以上続く。暑さが増すなか、テスト後のコンディションが不安になる。
　スポーツや格闘技の世界では、「心技体」の充実が必要とされる。試合で負けたときなど「根性が足りなかった。」「勝ちたい意識が負けていた。」など、とかく精神論、「心」の強さが強調されがちだが、心だけでは勝敗は勝てない。（負けるために試合をしている人はいないであろう。）ワールドカップ日本の戦いをみてみても、技は1級であるのに、体の大きな選手には、その技も跳ね返され、現地の暑さにも体力を消耗していた。
　体は物理的な体格や筋力、試合を戦う瞬発力や持久力と考えると、勝つためになくてはならない重要な要素だ。
　不惑の40歳を過ぎても１４０ｋｍを投げる工藤公康選手（巨人）の体力の源は、夫人の食事管理にある。東京からキャンプ地の宮崎まで弁当を運んだり、趣味の「遊技場」までも手作り弁当を運ぶ徹底振りであるという。
　心技体はやはりバランスが重要だ。すべて充実してこそ「勝利」が見える。時間を有効に利用してほしい。
2006/6/23 (Fri) らくだの時期
　考査発表2日目。週末とあり、生徒の様子も開放感に満ち溢れる。この表情こそ17歳の青年の本性だなとつくづく思う。長い人生のうちのこの時期は重たい荷物を背負って生きねばならぬ。数年前の梅原猛先生の講演に、今はらくだの時期と教授されていたが、まさにその時期を過ごしているのであろう。この時期を耐え抜いてこそ獅子の時を過ごせる。
　元B＆Bの島田洋七は、幼き頃、佐賀の「かばい（すごい）ばあちゃん」に育てられ、人生の幸福は金とは無縁の心の世界であると悟った。ばあちゃんは、歩く際には磁石を体にくくりつけ「ただ歩いたらもったいなかとよ。磁石つけて歩いたら、こんなに儲かるばい。」と鉄くずを集め、川から拾った二股の大根を「二股の大根も、切って煮込めば一緒。曲がったきゅうりも、刻んで塩でもんだら同じこと。」と、孫に諭したという。辛いことの先に栄光はある。
　
2006/6/22 (Thu) 不可能はない！
　今日からテスト週間に入った。本格的な梅雨が戻り、雨が降った。気温もそのおかげで昨日までの夏日から少し下がり過ごしやすくなった。家でも勉強に集中できることであろう。心を落ち着けて一つのことに取り組むことは、絶対にハンドボールにも生きてくる。勉強でも自分の壁を乗り越えて欲しい。
　小さな自動車修理工場から独立し、世界の「ホンダ」に成長させた創業者本田宗一郎は、たびたび常識破りの挑戦を試みてはそれを成功させている。通産省（当時）の意向に逆らって四輪車の生産に進出したり、F1レースに進出したり。こうした挑戦をいずれも優勝と成功で飾っている。「多くの人ができるとかできぬとか申しますが、できぬと断定できるのは神様だけであります。進歩を運命付けられている人間の辞典には、不可能という言葉はありえないと考えます。」と、ナポレオン同等の言葉を残している。
　日常の中で、自分の壁を自分で作ってしまうことがある。クラスの面談でも成績を見て早々と自分の目標を下方修正するものもある。しかし、不可能という壁は神様だけが決めるものなのだ。とことん、やってみよう。
　
2006/6/21 (Wed) やりたいことは、やらなければならないことの向こう側にある
　明日からテスト発表のため、2週間クラブ活動ができなくなる。梅雨や夏の到来で湿度や温度はこれからぐんぐん上がり、体調管理が大変な時期でもある。中学の部活では熱中症対策で考査中でも練習が許可されるほどで、試験期間の合間にも、汗をかくトレーニングを各自で実施して欲しい。
　考査前最後の練習。基礎的練習から応用練習へ１つずつステップアップを目指している。チームの戦術は多種多様で正解はないが、新入部員には「滝高校」のシステムを早く理解してもらいたい。ポイントは原理原則をおぼえることである。それを局面局面で応用していくことで自分の力がついてくると思う。
　テスト明けから本格的な応用練習からゲーム形式→練習試合→公式戦と進めていく予定だ。基礎練習とは違った楽しみや駆け引きの深みもあるだろう。しかし、その前に一大イベント＝第2回定期考査がある。「やりたいことは、やらなければならないことの向こう側にある」。100マス計算、蔭山メソッドで有名な蔭山英男先生の言葉。「勉強はときにハードなもの。だから、難しいものは無理にやらなくていいとする価値観がありますが、それでは子ども未来を狭めてしまうことになりませんか。困難をとおざけるのではなく、子どもが壁にぶつかっていくいくようにあえて仕向けます。つらくても頑張って克服する、そのとき心も成長するんです。学力向上と心の教育は決して別々ではなく、勉強を通して心も育つのだと考えています。」

テスト勉強も練習のうちのようだ。
2006/6/20 (Tue) 自由と規律
　テスト発表まであと2日。火曜日の呼び出し授業のため全員揃わないのが何とも空しいが、いるメンバーで好天の下、練習を行うことができた。
　くどいぐらい選手には言ってきたことの再確認。尾張のトップチームを目指すには、それなりの責任や義務が伴う。弱い草野球チームはシャツを出しそれぞれの服装でプレーしてもかまわないが、一流のチームは、ユニホームも揃え服装も正している。滝高校ハンドボール部は外面的な身なりはもとより内面においても周囲から信頼を得られる人物でありたい。当然、グランドだけではなくクラスや家庭生活においてもそれは求められる。
　練習で最後の1本がなかなか決まらない。技術がたらない部分も当然ある。しかし、それを補う精神力をチーム全体でつくってほしい。接戦の最後には自分の本性がでる。それは相手チームも同じだ。その精神的世界でも勝てる力を今全員でつけていこう。勝利を目指す「自由」は、「規律」が伴うのである。
2006/6/19 (Mon) 常勝の種
　新チームになり、月曜日は原則休みにしている。普段どうり学校がある日に早く帰宅できる。時間を有効に使うことは１つの能力であり、また、その時間に蓄えた知識はハンドボールにも役立つものであって欲しい。

　川上哲治、三原脩など常勝チームを作り上げたチームの条件は、ONや稲尾に代表される絶対的主砲、主戦の存在があることや、「負けない」野球理論があることなどの限られたエッセンスがある。名を成すために選手を酷使し、「一将校成って万骨枯る」では、常勝にはなれない。
チームメイトに信頼される絶対的存在になるためには、人間的な素養が必要だ。また、「負けない」理論を構築するためにも勉強が必要だ。休日のこの日を自分のため、チームのために活用して欲しい。自分に言い聞かせながら、時間を使っている。
2006/6/18 (Sun) チームとは
「チームをつくるには単独でも自立できるような人間が集まらなければダメで、たいした能力も個性もない人間が集まってみても、仕事できるチームにはならないのである。必要な員数を揃えるだけにいるような人間は、個人として活躍することを期待されていないし、また実際に活躍することはできない。これを「集団人間」ということにすれば、自らこの集団人間になることを望んで集団に入り、集団の中だけで生きようとするのが集団志向主義、あるいは集団依存主義である。これに対して、チームはこのような集団主義とは別の発想からでてくるものである。チームができる前に、まず個人がある。一人の個人があるプロジェクトを遂行しようとする。しかし自分一人ではそれが不可能、ないし困難である場合には、自分とは異質の能力をもった個人を何人かみつけて分業と協力の関係をつくればうまくいくかもしれない。そこで個人が集まってチームができるのである。チームはあくまでも個人主義から出発し、個人主義を超えることを狙ってつくられる。」（『チームの研究』竹内靖雄　講談社現代新書より）

チームは集団主義ではない。プレーで個性を磨こう。集団のルールは守ろう。最強の『チーム』になろう。
2006/6/17 (Sat) 天網恢恢疎にして漏らさず
　梅雨の晴れ間が続く。午前中の土曜講座の後、第4グランドで3時間弱の練習を行った。昼近くは気温も上がり、フットワーク中は汗がすぐににじんだ。熱中症や夏のゲームスタミナを視野にいれた水分補給のタイミングも試しに取り入れた。気温の上昇はこれから選手の体力を消耗させるであろう。それに耐えることも勝つための要素である。
　レギュラー候補の一人が体調不良を訴えた。体の具合や痛みは本人しかわからない。レギュラー争いも熾烈なだけに、本人の意思を信頼している。かつて、尾張初優勝の代の夏の大会の際、事前の雨天練習でレギュラー選手がひざの痛みを訴えて、ランニング練習を取りやめた。暑い中、チームメイトは歯を食いしばりトレーニングを続けた。これが直接の原因ではないが、夏の大会は5位に甘んじた。
　天網恢恢（てんもうかいかい）疎にして漏らさず。天の網は粗いが、悪事は見逃さずにとらえる。天はいいこともわるいこともお見通しである。
　人間は弱い動物で易きに流れる性分を持つ。自分でできないときは、チームを思い、高きに上り詰めよう。
2006/6/16 (Fri) 歩
　昨日の雨とはうって変わって、今日は晴天に恵まれた。一度雨で延期されていた校外清掃活動が授業後にあった。普段、近隣の方からの苦情電話を頂くことも少なくないと聞く。勉強は大切だが、社会を生き抜くにはそれだけでは足りない。いや、むしろ社会から信頼される心構えを持っていなければ、例え有名大学に合格したり、大金を手にしたとしても、人生はつまらぬものとなってしまうであろう。そのことを生徒に徹しきれない自分の責任も感じ、少しでも近隣の方に恩返しできたらという思いで校外清掃にでた。
　いつもは急いで通る道もゆっくり歩くと、色々なものが見えてくる。空き缶、ペットボトル、雑誌、そして何よりも多かったのがタバコの吸殻。「自分さえよければ」の思いを注意されずに大人になってしまった証なのか。歩むことによって、今日は教育の大切さを身にしみて痛感した。

　意味は異なるが将棋では「歩」は、数は多いし役割の軽い駒だ。歩は「と金」に出世したり、歩が一枚足りないために勝負を落とすということもあるなど、将棋に面白みや深みを与える駒である。
　校外清掃活動ののち、グランドにいった。途中入部の部員の1人がいなかった。仲間は大切である。一人一人かけがえのないものと思い、部員同士でも練習の尊さ、時間の尊さを伝えていって欲しい。
　職員室に帰ると、練習を休むという置手紙が置いてあった。入部してわずか1週間だが、みんなの思いは少し心に届いているのかもしれない。
2006/6/15 (Thu) １つのことを成し遂げる力
　本格的な梅雨が来た。これからもグランドで練習できない日々が続くこともあるだろう。「あせらず、くさらず、あきらめず。」１つのことを成し遂げる力を身につけていこう。今日は、会議があったため、雨天メニューの練習ができなかったが、いわば「恒例」となった勉強会を行った。辛抱する力、忍耐する力は何ごとにおいても必要である。
　啓光学園を前人未到の花園4連覇に導いた記虎監督（現龍谷大学ラグビー部監督）は、ロースコアゲームを制してこそ、4連覇が達成できたと振り返る。日本一の才能が集う学校ではないと自覚し、その年その年にあったチームをつくるには、理論（セオリー）を徹底することが必要である。点の取り合いをするのではない。一人一人が責任を果たし、どんな相手とも戦える力をつける。毎年選手が入れ替われば、自分の持ち場に責任がもてないタイプの選手が出てくる。それをしつこく指導していく。逃げたい気持ちを我慢して辛抱することが選手にも指導者にも必要なのである。
　敗戦を経験した時に友人から贈られた心にしみた詩があるという。

一零の汗で絆ができ
一筋の涙で感動を知り
一球のボールが勝ちにつながる
たった一つではあるけれど
全ては一から
全てはそこから
あせらず、くさらず、あきらめず
（常勝の理由「紅蓮たれ」記虎敏和ベースボール・マガジン社）
2006/6/14 (Wed) 日常で基礎の向上
　東海地方は入梅宣言はあったが、「梅雨の晴れ間」が続いている。今日も夏日となり、強い日差しの中で練習することができた。明日からは、本格的な梅雨の到来で天気が心配である。

　昨日の「特別授業」メンバーも加わり全員練習をすることができた。一人でもかけて練習するのと、全員練習とでは、チームのムードがまるで違う。日々の練習を本当に大切にしてほしいと痛感する。『僥倖（ぎょうこう）で得た勝ち戦は二度と来ない』織田信長の言葉である。僥倖とは、偶然に得る幸運である。すばらしいプレーは、たまたまできるプレーではない。日々の練習で培われるものである。おかげさまで練習させていただける天候にも感謝して、日常の中で日々精進していこう。
2006/6/13 (Tue) 妥協しない
昨日練習が休みだったため、今日が今週練習初日。しかし、部員全員が集まることはなかった。火曜日は英語、数学の呼び出し授業があるためだ。2年生から3名が引っかかってしまった。チームスポーツは、チームを単位として勝敗が決する。プロでない以上個人タイトルはない。であるならば、勉強も「チームのため」のものであるといえる。とくに、能力や才能に関係のない提出物を出してないなどで減点されているものは問題外だ。広い意味での勉強は、大学受験が終わっても、社会にでても死ぬまで永久に続くものである。今年のチームもそこで妥協しては、目標に向かうチームに水を差す結果となる。第2回考査では一人もかからぬよう、チームの問題として考えて妥協せずにしよう。基礎がなければ高い目標には届かない。
2006/6/12 (Mon) 学ぶはまねる
　今日もよい天気に恵まれた。絶好の練習日和だ。しかし、今日は練習を休みにしている。これからの梅雨の時期、天候との戦いもある。晴れた時に練習しないのは「練習貧乏性（欠乏症）」の顧問としてはいかにも「モッタイナイ」気がするが、これも選手の「積極的休息」の日と位置づけている。休息には単に体を休める消極的休息と、競技以外の他のことを行って気分転換をはかる積極的休息がある。日本中が注目するオーストラリア戦もある。その前に時間を有効に使って、明日からの練習に備えて欲しい。寝不足による体調不良は言語道断である。

　土日の練習試合で、ディフェンスの仕組みについて新チームの選手から質問を受けた。考えて行動することは何より大切である。妥協せず、自分の行動指針を見つけて欲しいし、自分もその答えを練習で示していくつもりだ。今日のような日に、先代のDVDなどをみて研究を続けて欲しい。徳川家康の処世訓に「学ぶ、は真似ぶである。」という言葉がある。人の知恵というのは高が知れている。己の才能は人並みと思えば先人の知恵を素直に受け入れられる。しっかり真似て（学んで）自分の血や肉に変えていって欲しい。
2006/6/11 (Sun) ホットなハートとクールな頭脳
　滝中学オープンキャンパスの日。朝8時に出勤するが、30分もすると駐車場は大混雑。模擬授業の受付は大行列ができ、学校説明会は2回でも講堂に入りきらず3回目の説明会をするほどの大盛況ぶりであった。それだけ、注目を集める学園であることを再認識した。

　午後からは練習試合に出かけた。20分ゲームで行ったが、2本目「無敗」記録が８で途切れた。といっても練習試合の話。当然、勝負は勝ちを目指して戦っている。負けていい試合などない。負けゲームの状況では、残り時間が減り点差が開かれる中で、あせり、いらだちが見え始め我を忘れた早撃ち、カットミスが連発、逆に点をとられる悪循環に陥った。その心理状態も初めての経験。公式戦で慌てふためくよりも、今、その状況を経験したおいたほうがよい。2点、3点、差がじわじわ開かれる。しかし、その局面でも、速攻で連取、じっくりまわして組織的に点を取る、状況を把握した上での戦略など頭を使わなくてはなるまい。劣勢もまた勉強の１つ。その後の試合はすべて好ゲームであった。マラソンでたとえるなら、まだスタートラインを出たばかり。テレビ中継でよく見かけるが、スタートから飛び出して、トップで帰ってきた選手はほとんどいない。ミスを恐れず、積極的にプレーして自分の幅を広げよう。
2006/6/10 (Sat) チャレンジ！
　新チームになって2週間。基礎的練習を繰り返し、今日、はじめて練習試合に出かけた。試合に向けての細かな準備は一切せず、「ぶっつけ本番」で試合に臨んだ。ただ、試合の目的のみ確認して。
　目的は「失敗を恐れず果敢にチャレンジすること。失敗したらそれを全員でフォローすること」だ。最初の試合は、オーバーステップ、速攻パスミス、ディフェンスミス、ミスばかりでいやなムードがただよったが、試合中に審判をしながら「目的の確認」を指示した。非常に抽象的な指示で選手には分かりにくいかな、と思ったが、その後は少しずつミスも減り始めた。すべてミスがなくなることはなかったが、結果を見ると20分ゲーム7本で全勝であった。まだまだ結果を求める時期ではないが、収穫の多い練習ができたと思う。ミスを恐れず果敢に攻めた結果、なぜミスが減ったのか、選手が一番理解できたのではないか。大会の時期により、固いプレーが求めらることがこの先はあるであろう。しかし、このチャレンジする心は忘れないでいこう。
2006/6/9 (Fri) 今を生きる
　今週は、天気に恩恵をうけた。今日も雨は午前中に上がり、少し湿り気のあるグランドを1年生が整備した。4月当初7名でスタートした1年生だが、途中入部で2名が加わった。その2名を含めてスコップと一輪車で一生懸命汗を流していた。見ていて、本当にすがすがしい気持ちになった。また、今日一人入部を希望する1年生がきた。これで1年生も10名の二桁にのった。うれしいことは続くものである。

　明日は、新チーム初の練習試合にでかける。最初の一歩だ。1年後、県大会でベスト4に入ることがチームの目標。練習試合でも、一戦一戦負けられない。しかし、明日は過去のしがらみも将来の不安もひとまず「おいて」おいて、１つ１つのプレーに全力を尽くすことだけを考えよう。「今を生きる」
2006/6/8 (Thu) 自分たちでルールをつくる
　女子ハンドボール同好会の設立が承認された。昨年冬の活動から半年で「形」のあるものが出来上がった。男子の指導も半人前であるのに、女子のチームも指導できるか不安もあるが、「学校公認」の同好会になった以上、ハンドボールのすばらしさを彼女たちにも伝えていきたい。

　設立はしたものの活動はまだまだこれからである。PTA期間の練習や雨の滴る今日の練習では５名をきる参加者しか集まらなかった。無断欠席もおかまいなしという状況である。これから、何を考えどう自分たちを変えていくか。まずは、自分たちで自分たちの目標とルールをつくることを課した。勝負にこだわるかこだわらないかも、チームの方針もだ。とことん話し合いをして「ルール」を決めて欲しい。
2006/6/7 (Wed) ノーブレス・オブリージュ
学級PTAが今日で終了した。3日間とも晴天に恵まれ、6月のテーマである「基礎力の向上と1年生の底上げ」には、絶好の練習となったのではないか。この3日間を通じて、ハンドボール部員の家庭での生活状況を聞き、部員の意識改革を考えた。ノーブレス・オブリージュという言葉がある。もとはフランスの言葉で、高貴な者はそれなりの社会的義務や責任を果たせねばならないという意味だ。滝学園で高い志を持ち、ハンドの世界でもゆるぎない目標を掲げて戦うには、それなりの覚悟や責任が必要である。与えられた課題は必ずやりきる責任感、学校での服装や立ち居振る舞い、礼儀作法。学校の中でも愛知県下でもトップのチームを目指すには社会的責任や義務を果たさねばなるまい。イギリスのパブリック・スクールは、全寮制の厳しい規律の中で学力はもちろんのこと、学校の名誉と威信をかけて身体を研ぎ澄ます。それは将来の人生において社会のリーダーとして、自由で理想的な生活を送るためである。だれからも信頼され、そして尊敬されるチームになろう。
2006/6/6 (Tue) 親の思い
　学級PTA2日目。進学校と評される滝において部活との両立は、いつもPTAの話題に上る。ハンドボール部に限らず、どんな部活であれ勉強であれ、一生懸命になれるものであれば応援したいとクラブ顧問である前に一教師として思う。

　あるハンド部OBの保護者から手紙をいただいた。PTAが終わり部活に行くまでの時間に読ませていただいたが、涙がこみ上げてとまらなくなった。グランドに行き、選手一人一人の表情を見ると、新たなる使命感と責任感がこみ上げてきた。思えば自分も親のありがたみに感謝せず、好きなことをやってきたように思う。選手の前でも話したことがあるが、自分が大学3年生の頃、弟を交通事故で亡くした。両親はあれから10数年たった現在でも悲しみにくれることがあるようだが、当時の自分は初七日も済ませぬうちに、ハンドの大会のため福岡に発った。それほど当時はハンドボールが自分の中を占めていた。今考えればなんて親不孝だったのだろう。しかし、それがよかったのか悪かったのか今でも答えは見つかっていない。

　教師という立場、そして親という立場に立って、子を思う親の気持ちが分かった気がする。そして、自分と同じように、子どももやがては自分の元を離れていくのであろう。

　滝中学のある顧問の先生がいっていた。「競技を教えるのではない。競技を通じて人間をつくるのだ」と。
2006/6/5 (Mon) 様々な教材
　真夏のような晴天に恵まれた月曜日。本日から3日間の日程で保護者の方に午後から来校していただき担任と面談する学級別PTAが始まった。生徒は午前中で授業が終わり、午後からみっちりと練習することができる。土日でリフレッシュしたのか新チームの自覚か、合間に見に行った練習では、声を出し活気あふれる練習をしていた。
　普段、あまりHR運営や教科指導では力量不足で恐縮する思いばかりでむかえるPTAだが、人生の先輩であるご父兄の方からは本当に勉強させていただけることが多い。
　自分の道（理想）を探り始め、「大学入試」という形でそれを具体化していく高校生という時期において、高校生は高校生になりに葛藤しているようだ。自分はこの道を進みたいのだけれど、親はこちらを薦めるというケースもあるであろう。選手には、親の意見に耳を傾ける度量はあってほしい。１００％親に従えとはいわない。懐の深さはハンドボールにも人生にも生きてくると思うからである。
　外国人力士で初の横綱まで登りつめた曙は、ハワイでバスケットの選手であったが東関親方にスカウトされて、相撲の道で大輪の花を咲かせた。最初はバスケットへの未練もあったであろうし、相撲へのこだわりもなかったであろう。与えられた環境でひたすら一生懸命努力した結果が「横綱」であった。
　途中入部の1年生が、今日「キーパー転向」を自ら申し出た。与えられた環境で大輪の花を咲かせて欲しい。
　人生には色んな教材が転がっている。
2006/6/4 (Sun) GOOD　LOSER
　今日も岡崎中央総合公園で3位決定戦、決勝を観戦した。3位決定戦も東海大会の出場権をかけた試合、決勝は大阪インターハイの出場権をかけた大切な試合だ。勝ちと負けでは天と地の差が生まれる。2試合ともお互いに意地と意地のぶつかりあいでみている自分も手に汗を握った。結果は春日井南、岡崎城西に軍配が上がった。3決は、残り15秒で同点、春日井南のタイムアウトの後、2秒で決勝点で試合が決まった。決勝は、残り30秒を切って1点を追う愛知にもシュートチャンスがめぐってきたが、キーパーのセーブで試合を決めた。明暗を分けたベンチの表情。判官びいきではないが、今年のチームの経験から負けたチームの表情に自然と目がいった。涙を流す選手。顧問の先生はこのあと、選手にどんな言葉をかけるのだろうと。

　「GOOD　LOSER」という言葉がある。すばらしい敗北者だ。イチローは大リーグ移籍後2年目首位打者を期待されつつも首位になることはできなかった。しかし、その後の活躍は承知の通りである。アトランタオリンピックのマラソンで、銅メダルに輝いた有森裕子選手は、金メダルを期待されていたことを承知で「自分を誉めたい」という有名な言葉を残した。2002年日韓ワールドカップサッカーの直前に最後の選考にもれた中村俊輔は「悔しいと思ったら、僕は強くなれると思う。」と語った。「負ける人がいるから勝つ人がいるんだよ。（相田みつを）」というように勝敗は世の常、時の運もある。

　負けの言い訳を用意しているのではない。勝敗は勝たねば意味がない。勝利を目指すことによって得ることは無限にあるからだ。しかし、負けたときにこそ学べることもある。一生懸命戦ったすべてのチームに改めて敬意を表したい。
2006/6/3 (Sat) 県大会2日目
各会場で行われた県大会1日目と違い、2日目に駒を進めるのは、男女合わせて１６校。男女のベスト８の戦いが岡崎総合公園で繰り広げられた。男子は3年前から2強時代が続いており、それを象徴するかのように、準決勝は互いに大差をつけて決勝へ駒をすすめた。見ごたえがあったのは、準々決勝で、中でも春日丘対桜台、春日井南対桜丘は大接戦であった。1年後、われわれはこのコートに立ち、勝利を収めなければならない。
2006/6/2 (Fri) 自分の力
朝からの曇り空。昨日までの真夏日から日差しがない分、気温は少し下がったように感じたが、練習開始後すぐに選手たちのTシャツは汗でにじんだ。新チームになって１週間がすぎた。わずか４日間の練習だが、大木になる前の根は少しずつ大地にはりはじめたと感じている。ここで一息。土日は県大会日程の都合で休日にしてある。観戦に行くも、自分の今までできなかったことをするも各自の自主性に任せる。頭を少し切り替えて、来週の練習に備えて欲しい。月火水と３日間はPTAのため、練習が長くできる。しかし、顧問不在の選手たちだけの練習だ。新チームの真価が問われる。昨日、全日本選手を多く輩出しているサッカーの名門校清水商業サッカー部大瀧先生の番組をみた。「勝つことよりも大事なことがある。」勝っているチームだからこその言葉だが、その「大事なこと」が勝つ要素であることは、逆説ではない。「自分が考えたことしか自分のものにならない。」
2006/6/1 (Thu) 無用の用
好天に恵まれての練習。6月にかわり気温も上昇してきた。今日も基礎練習に徹して練習をした。

『無用の用』老荘思想の言葉で、用が無いように見えるものこそ実は有用であるの意。
　基礎練習。基礎体力はつくものの「ハンドボール」そのものの技術向上という点では無用かもしれないが「勝利」を考えた場合には絶対に有用なものだ。1年生の声だし。声など出さなくても練習はできるが、一人一人の責任感、チームの士気を挙げるためには有用だ。腹痛の2年生が歯を食いしばって練習をやり続けた。足のつった1年生の涙に仲間が声をかけた。プロスポーツでない部活では勝っても何も形あるものはもらえない。しかし、その形の無いものを目指す過程にいくつもの有用なものがある。
2006/5/31 (Wed) 贈る言葉
先代の主将、副将からメッセージをうけとった。人間的成長を頼もしく思う。2人のメッセージをかみ締めて現役は読んで欲しい。

主将より

　僕の高校ハンドボール生活にはいろいろな思い出がつまっている。滝学園は中3から高校の部活への登録が可能なので、その頃から様々な経験をさせてもらった。中でも1つ上の先輩方の最後の大会である総体での強豪校との互角の戦いは今でも自分の中で最高の思い出となっている。
　自分たちの代になり、僕はみんなからキャプテンという大役を任せられた。部員全員をまとめるというのは想像よりもかなり大変なものだった。その時改めて自分たちをまとめていた先輩の偉大さを知った。初めは本当に何をしていいのか戸惑うばかりであった。しかし、自分がこれまでチームを引っ張ってこれたのは坂野先生や先輩方のアドバイス、そして何より仲間の存在が大きかった。キャプテンという立場上、部員をきつく注意するあまり厳しいことをいってしまって衝突したこともあったが、最後までこんな自分についてきてくれたみんなには本当に感謝したい。
　僕たちの代は昨年と比べてかなり小さく、不安が多い状態からスタートした。代替わりしてからの始めての練習はとても前代で県ベスト8まで勝ち進んだチームのものではなかった。しかし、夏から秋にかけてひたすら努力し、少しずつ技術も備わっていった。その努力の成果が、新人戦優勝という形で表れた。その時は最高にうれしかった。しかし、総体予選の決勝、同じ相手に延長戦の末敗れた。2代続けて守られてきた総体優勝を自分の代で逃してしまった。その悲しさは負けたことの悔しさよりも、先生や先輩方への申し訳ないという気持ちであった。
　総体県大会、僕たちはまたも延長の末敗れた。思えば、僕たちの代は常に接戦を落としてきたが。だが、自分の中だけかもしれないが、最後の試合は今までの試合とは違った。引退の悲しさで涙があふれとまらなかったが、その後の心はとても晴れ晴れとしていた。その試合で自分の力を出し切れたのか分からない。しかし、最後までこの滝高ハンドボール部のメンバーで戦い抜いてきたことが誇りに思えた。自分たちは県ベスト4という目標を達成できなかった。だが、この大きな目標を初めて掲げられたことをうれしく思う。
　これから後輩は東海大会出場というさらに高い目標を掲げた。達成できるその日まで、自分たちの分までがんばり続けて欲しい。

副将より

自分たちの代で滝高校ハンドボール部は7代目を迎えました。時折コートに来て、自分たちや後輩に技術や戦術を指導してくれるOBの先輩方や、グランドを開拓してくれた顧問と初代の方たちには、心から感謝しています。
　中3だった当時、自分の目に映った先輩たちのプレーに圧倒的に魅了されました。入部してからもその大きな背中を追いかけることで必死でした。それは、先輩への憧れもあったけれど、何よりも自分にのしかかってくるこの部の伝統、そして勝ちたいと思う自分の意志から自然とそういう姿勢になったのだと思います。部全体で意志を統一し、全員で同じ目標を目指したことが、今日の滝高ハンドボール部の強さに結びついていると思います。
　ハンドボール部での3年間を通して、辛い思いも、うれしいこともたくさんありました。そして、何より自分のためになったのは、高校生という大人と子どもの間の時期に、体当たりでぶつかってくれる顧問が常に自分たちの存在を明確にしてくれたことだと思います。間違いだと思うこと、正しいと思うこと、それらを言い合える仲間がいて、顧問がいてくれたから、ただ、ハンドボールの技術を得るだけでなく、自己形成がしっかりできました。
　残念ながら、自分たちの代ではよい成績を出せないまま引退することになりました。今まで自分たちの道を照らしていたものがなくなったようで不安ですが、これから先の道は自分が開拓するものだ、ハンドボールを通じてそう教わった気がしました。
　これからも滝高校ハンドボール部は高い目標を持ち続けるでしょう。そしてそのための過酷な練習に耐え、心身ともに鍛えられたたくさんの後輩たちが、伝統を引き継いでより強い部にしてくれることを楽しみにしています。
2006/5/30 (Tue) 上善如水
　新チームの練習が今日からスタートを切った。高校2年生は午後から球技大会であったが、その疲れも見せず、黙々とフットワークトレーニングをこなしていった。明日は筋肉痛で階段を上がるのも辛い選手がでそうだ。単調でしんどいフットワークトレーニングや基礎トレーニング。これまでのゲーム中心の練習からうって変わっての練習メニュー。辛い、しんどいと思うのは当然である。しかし、この時期の練習を「水」のような練習だと位置づけている。「上善如水」である。その心は（１）柔軟である。四角い器に入れば四角くなるし、丸い器に入れたら丸くなる。このように、器なりに形を変え て、少しも逆らわない。相手次第でいかようにも対応することができる。プレーの幅を広げる根幹を成す。（２）謙虚である。水は高いところから低いところへ流れていく。流れに逆らわず、人のいやがる低いところ へ流れていく水は謙虚だ。自分に負荷を与え、強い精神力を鍛えることができる。それが、接戦や延長戦でも勝ちあがる自信に繋がる。（３）弱く見えるが秘めたるエネルギーを持っている 。岩に当たるとはじかれ、飛び散ってしまう水だが、長い年月をかけて岩を少しずつ砕いていく。まさに「滝」のように大きなパワーを持つ。日々の積み重ねが大きな力になるのである。

明日の朝は辛いかもしれない。しかし、『上善如水』だ。滝のパワーで夏の大会『尾張制覇』だ。
2006/5/29 (Mon) 三本の矢
　3年生の引退から一夜明けた。1年間家族の生活を犠牲にして（協力をえて？）手塩にかけたチームだけにどのチームもどの選手も我が子のようにいとおしい。しかし、時間は待ってくれない。新チーム初陣となる愛知県選手権尾張予選までの残り時間は刻一刻とせまってくる。心を鬼にして気持ちの切り替えをはかり、明日から新チームの練習を始動しようと決意した。それが引退した3年生への何よりもの「恩返し」と思うからだ。毎年恒例のクラブ写真の日（引退して1ヵ月後）のOB戦では、ダブルスコアぐらいで現役が負けるが、新チームでは前例をくつがえす大勝で先輩への恩返しを果たしたいと思う。
　新チームの主将・副将は、その代の話し合いにより決定している。今年は、2年生部員が過去最多の19名いるため、副将を1名増員し、3人の幹部体制で1年間運営していこうと考え、選手に伝えた。時間をかけて意見をぶつけってある様子が伝わってきた。新たに就任した主将・副将は、それぞれタイプの違う個性的な人間であった。そして3人が揃って職員室に来ていうには「ベスト4を狙うなら東海大会に出たいです」という言葉であった。何とも頼もしい言葉であった。

毛利元就は息子たちを呼びよせ、隆元・元晴・隆景の三人兄弟に矢を一本ずつ折らせた。当然矢は簡単に折れた。次に三本の矢を束ねて折らせるとなかなか折れなかった。元就はこうして三人が協力すれば弱い者でも強い敵に対抗できると教え訓したのだ。これは『三本の矢の訓え』である。

元就は「心を同じくして相親しむべし」と遺言した。そのとき隆景が「争いは欲より起こる。欲張らず、本義（根本となる最も大切な意義）を守るなら兄弟争いはない」と述べ、父元就は「隆景の言に従え」と喜んだと言う。
『和すれば則ち相依って事を済す。和さざれば則ち各人おのおの敗す』

個性的な3人に大切なのは『和』の心。和すれば事（県大会ベスト4）をなすと信じる。