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顧問の練習日記です。

2006/5/28 (Sun) 引退する選手へのあえて宿題
滝２３（１２−９，７−１０　延長１−４，３−４）２７市工芸

３年生最後の試合。負ければ引退という状況を１番知っているのは３年生自身。気の緩みはなかったように思う。接戦も公式戦でいやというほど経験してきたし、練習でもトレーニングしてきたつもりだ。勝負の世界で「タラレバ」はご法度だが、「この１本が決まっていたら」、「フォーメーションをミスしなければ」、と思ってしまうケースもあった。精神論に終始するつもりはない。それを最後まで徹底できなかった自分の責任も強く感じる。このチームになってからの１年を振り返るとそこに「壁」があったと思う。

２年前から続く尾張連続優勝、先代の県大会ベスト８、岡崎城西との接戦と「常勝滝」を背負ってのチームであった。時には自分も力以上のものを要求したかもしれない。しかし、君たちはそれに十分答えてくれた。プレッシャーを真正面から受け止め苦しい練習にも耐えてきた。残念ながら目標達成はならなかったが、目標に向かって一生懸命やることの尊さは体感できたのではないか。

　最後のミーティングでも伝えたが、目標を達成できなかった君たちに大きな人生の宿題を出した。それは、接戦や延長戦を制する力をつけることだ。初陣の古知野高校戦の残り３秒で優勝を逃した試合、インターハイ尾張予選決勝の延長戦の敗戦、そして、今日の延長での敗戦。重要な試合で最後の最後で逆転負けを喫することが多かった。それが「壁」だ。ハンドボールが人生の縮図とするならば、人生の舞台で同じような局面がこれから起こるだろう。そのときには、ぜひ、「逆転勝ち」を収められる強い精神力を持ってほしい。勝ち負けは人それぞれだと思うが、それを自分の宿命としてこれからの人生を歩んでいってほしい。最後の主将の言葉にあった「自分を信じる」ことの意味を長い人生のなかで培ってほしい。自分自身も大学主将時代、あと一歩のところで「目標」を逃した苦い経験ののち、ユニホームを脱いだ一人だ。それがハンドボール部を指導している原動力にもなっている。

３年間、本当にありがとう。
2006/5/27 (Sat) やはり「仲間を信じ、己を信じ」
県大会前最後の練習が今日、終わった。長かった3年間短かった3年間、選手の思いもそれぞれだが、明日は思う存分3年間培った力を発揮して欲しい。

勝ち上がってきた地区、中学での経験、対戦相手も様々だが、同じ高校生。そんなに力の差はない。その激戦を勝ち上がるには、勝ちたい精神、魂の強さが必要だ。一人では強くなれない。これまでともに戦ってきたチームメイトを信じること、そして何よりも目標を達成させる力がある自分自身を信じることである。

明日、大きな舞台で戦えることを感謝しよう。自分をここまで育ててくれた両親や先生に感謝しよう。グランドを切り開いてハンドボール部を作ってくれた諸先輩に感謝しよう。人の支えによって、今、自分がある。さあ、決戦。
2006/5/26 (Fri) 熱い想いの継続
OBから滝学園８０周年にむけての原稿が届いた。今でもまぶたに焼き付いている創部の想い出。ありとあらゆるものの力をかりて、目標達成に邁進したい。ハンド部創部の原点から熱い想いを継続しよう。

３代目OB M.I
　私は滝学園には高校から通ったので、滝高校の入学式では初めての高校生活に対して期待よりも不安のほうが大きかったと思います。そんな中、入学式後に熱心に勧誘活動をしていた唯一の部活がハンドボール部でした。その時創部間もないクラブでまだ同好会だが、先輩後輩仲良く楽しくやっている、と聞き少し興味がわきました。瞬く間に新入学期が過ぎる中、部活動の仮登録期間に入り、特に当てのない私は入学式の時の勧誘活動時の印象や友人の誘いもありハンドボール部に行きました。ハンドボール部の活動は学校から少し離れた第４グランドで行われていましたが、そこはお世辞にも設備の整った場所ではありませんでした。しかしその練習風景は活気にあふれていて部員全員がとても楽しそうにプレーしていたので、ここなら続けられるかなと思い入部を決めました。後に第４グランドは顧問の坂野先生や先輩方が草むしりから始めて開拓したグランドと聞きとても驚きました。入部後は練習後のコートの草むしりや石拾い、水道が通っていなかったので競技中に手に塗って使う松脂のすすぎにはたまった雨水を使う等決して楽ではありませんでしたが、坂野先生や先輩方にはとても良くしてもらい、部活を続けていくことが出来ました。そしてその年の夏には部に昇格し順調に実績を残し、ひとつ上の先輩達の最後の大会では念願の県大会出場を決め顧問・部員全員で涙を流して喜びました。その後自分達の代になってからは伸び悩みの時期や後悔した事もありましたが、最後は笑って終わることが出来たと思います。またハンドボール部を通じて出来た友人関係はずっと続いているし、試合の記憶は今でも鮮明に思い出されます。滝高ハンドボール部は私の高校生活において欠くことのできないものでした。最後に、現在の滝高ハンドボール部は地区では常に優勝を争う強豪校と聞きます。坂野先生の下、宿願の全国大会出場を是非果たしてください。
2006/5/25 (Thu) イノベート滝
　五月晴れの1日であった。しかし、つかの間の青空で明日からは天気も下り坂だという。県大会開幕まであと２日。とにかく悔いの残らないようにできる範囲で工夫をして知恵を絞って大会を迎えたい。
　今日も会議のためグランドに顔を出せたのは６時近くになっていた。下校時間までのわずかな時間だが、選手と一体となった練習ができたように思う。監督である以上当然主観的に自チームを見てしまうが、それを差し引いてみても以前に増してかなり力がついてきたように思う。何より「勢い」がでてきた。この「勢い」を大切にしたい。やがては雪だるまのように大きくなって、県大会で強豪校を倒していけるのではないか。
　日本経団連の新会長に就任した御手洗富士夫さん（７０）のスローガンは「イノベート日本」だそうだ。革新、変革を意味する。旧経団連・日経連の会長は新日鉄、トヨタなどいわゆる重厚長大産業の代表が務めてきたが、御手洗さんは精密機械のキャノンの出身だ。経済界に新風を巻き起こす意気込みなのだろう。
　創部７年目の滝高ハンド部。この県大会で新風を巻き起こすまたとないチャンスだ。「勢い」で古い殻を打ち破れ。自己改革を怠るな。
2006/5/24 (Wed) 失うものは何もない
　ようやく第1回定期考査が明けた。昨日までの登録メンバーのみの練習から一気に40名近くの大所帯の練習となった。5月に入り大型連休明けから入梅したかのような天気が続いたが、今日は晴天に恵まれた。久しぶりのグランドでの練習であったため腕も真っ赤になっている。このグランドからはじまった部活。3年生は本当に最後の最後の戦いを迎えるにふさわしいこのグランドで悔いの残らない練習をしてほしい。
　平日にもかかわらず、今日は2代前の主将が練習に来てくれた。１年の勉強の後、今年見事に第１志望の大学に合格。そして現在も大学体育会ハンドボール部に入部し、一年ながらもレギュラーの座を狙っているという。そのOBに練習に加わってもらえるのは、選手にとってはいい勉強になった。１・２回戦は名北地区のチームと当たる。両チームともキャリアという点では及ばないかもしれない。しかし、チーム一丸となった練習と組織力、チーム力によって、これまでも何度も困難な局面を打開してきた。先輩たちもそうして、尾張の壁、県ベスト８の壁を突破してきたのである。自分たちにも絶対に目標達成できる。そう信じてあと３日間の学校での練習を続けていこう。失うものは何もない。がむしゃらにボールを追いかけよう。
2006/5/23 (Tue) ハンドボール愛から平常心
テスト4日目。いよいよ明日でテストは終わる。今日は心なしか選手の気持ちにも余裕があるように思われた。最後の大会という気負いは感じられない。平常心で試合に臨みたいものである。

将棋の谷川浩司は昭和58年に加藤一二三先生に勝利し21歳で史上最年少の名人位についたが、その後わずか3年で名人の座を失い、その後、文字通り眠れぬほど苦しい大スランプに陥った。その負けパターンは１．自分がいいと思っていた将棋を逆転されたとき、２．自分が立てた作戦に対して途中から気が変わり、それが結局悪い手になって負けたとき、３．自分より後輩に負けたとき、深い悩みにはまりスランプから抜け出せなくなったという。勝ちたいというあせり、この試合に勝つと・・という余計な計算が、集中力を焦燥感に変えていたことに気づいた。「もっと新鮮な気持ちで盤面に向かえないだろうか」落ち着いてそう考えられるようになったとき、スランプ脱出の光明がさしたという。（『集中力』谷川浩司　角川書店）

県大会ベスト4という実績は確かにほしい。そこが目標でもある。しかし、実績を得るために戦うのではない。周囲への感謝の気持ちを忘れず、そして何よりもハンドボールという自分を育ててくれたスポーツを愛し、県大会を迎えよう。
2006/5/22 (Mon) 集中力
　週があけていよいよ、県大会までの時間は残り１週間となった。今日も午前中の考査が終わってからの特別練習のみを行った。
　勝負の世界は全て戦う前から勝敗が決しているものはない。まもなくはじまるサッカーワールドカップやプロ野球の開幕前夜にも、評論家がいろいろと順位予想をする。戦力を緻密に分析するものもあれば、過去の実績で評価するものもある。プロ野球でいえば毎年「巨人」が優勝候補にあがるのが象徴だろう。しかし、現実には、「やってみないとわからない」のが勝負の世界であり、そこに面白みがある。前にも書いたが、それは勝敗が相対的なものであり、絶対的なものではないからである。勝敗には数字で現れない「勢い」なども、大切な要因である。その勢いを増すためには、自分を律し、周囲からも応援されるような人間性を持たねばならない。限られた時間の中で周到な準備を進めていこう。それこそが「集中力」である。
2006/5/19 (Fri) 原点から
　テスト２日目。週末ではあるが土日をはさんで定期考査は折り返し、残り３日間ある。教室では、多くの生徒が居残り勉強、多くの生徒が職員室に質問に来る風景も見られる。そういう雰囲気のなかで、今日も１時間の特別練習を行った。今週末に県大会のあるテニス部や陸上部、テスト明けから県大会のはじまるバスケ部など、同じ境遇のなかで必死に練習する姿をみると、心強い。滝は勉強だけはない、一生懸命な姿を見ると心の底からエールを送りたくなる。

今年、滝学園は８０周年を迎える。記念行事委員会の先生に７０周年から８０周年の間で学園がかわったことの１つに「ハンドボール部創部」があるということで、特別に記念誌のページを割いてもらうことになった。本当にありがたいことだと感謝している。数名のOBにも原稿を寄せてもらっている。
そのうちの１つの紹介したい。

２代目OB　S.A

私が、ハンドボール部に入部した当時は、まだ部活ではなく同好会でした。当然、ハンドボールをするための満足な設備はなく、あるのは草で覆われ荒れ果てていた第四グランドだけでした。
初めての練習はグランドの草刈。炎天下の中、坂野先生と草刈の道具をホームセンターまで買いに行き、それらを使って先輩方と全員で黙々と草むしりをしていたことを覚えています。この頃の練習といえば、もっぱら授業が終わってから日が暮れるまで草刈をし、その後少しだけ学校のグランドでボールを投げる…、ハンドボールの練習とは程遠いものでした。しかし、全員「ハンドボールがしたい！」という気持ちだけで、黙々と草刈をしていました。今のハンドボール部の原点がそこにはありました。
グランドの草刈がおわると、次はゴールやボール、消耗品などをそろえなければなりませんでした。しかし、同好会であったため学校からお金がもらえず、ゴールをはじめとするハンドボールに必要なほとんどの物を坂野先生に買っていただきました。また、私たち部員も、消耗品などお金を出し合って買い集め、少しずつ部活らしい活動ができるようになりました。
　結成から半年後、私たちはインターハイ予選に参加しました。私たちにとって初めての公式戦であり、当然、それに向けて練習をしたのですが、結果は残念ながら一回戦敗退でした。とても悔しかったです。しかし、それ以上に、「ハンドボールがしたい！」という気持ちをハンドボール部という形にした充実感がありました。
昨今のハンド部の活躍はめざましく、年を重ねるごとに成長しています。このハンド部の創部に関われたことは、私の誇りです。坂野先生をはじめとする関係者の方々に、この場をかりて深く感謝の意を申し上げます。

このような体験があったからこその「今」である。OBの力も学校８０周年の力も全ての力をかりて目標達成に邁進しよう。
2006/5/18 (Thu) 目標達成への道〜劣勢でも跳ね返す
　テスト初日。選手たちは手ごたえを感じる出来であったであろうか。土日をはさむがテストはあと4日。試合に不安を残さないよう、メリハリをつけて勉強してほしい。学校の考査中練習の規定もあり、今日は練習は休み。対戦相手も決まり、「目標達成」まで突き進む道も用意された。あとは自分たちの手で切り開くしかない。
　人間である以上、体格や選手の特性など毎年違って当然である。その学年にはその学年のカラーは当然あってよい。このチームにはこのチームの戦い方があることを再確認しよう。勝敗は勉強（絶対性）と違って、相手に勝つもの（相対性）である。40点取られても41点取れば勝つし、10点に抑えても9点しか取れなければ負ける。100点満点で評価されるものではない。
　最後の大会は尾張2位での出場だ。自分たちよりも強いチームがこの地区にはある。まずそれを認めよう。一人一人がそれを認識し、その上で勝つ方法を見つけていこう。決勝で負けた「弱さ」を自覚するところから、「強く」なり始める。体力的、技術的に「強い」チームが勝てるとは限らない。その試合に勝つ強さを備えていこう。それは何か。目に見える技術だけでなく、団結力、勝利への執念、みんなで考えるなど「全員ハンド」となる目には見えない力ではないだろうか。目標達成まで最後の最後まで前進あるのみ。
2006/5/17 (Wed) くどいけれど、今、自分との戦い
明日から定期考査が始まる。世間では「進学校」と評価される滝高校において、定期考査の比重は重い。テスト中の練習も最小限にとどめ、県大会に向けての準備を進めていく。今日は組み合せ抽選会の日でもあり、対戦相手も気にならないといったらうそになる。ただでさえ過酷な時間の中で、今、あえて、自分を見失わないように努めて欲しい。1時間弱の練習で足がつる。足がつってしまったため思うような試合ができなかったでは、最後の試合として悔いても悔やみきれない。いつもの多人数とは違う、登録メンバーのみの練習だからこそ、一つのパス、一つのシュートをたとえ倒れても吐き気を催しても全力でプレーする強い魂で戦いたい。くどいようだが、今、自分と戦え。
2006/5/15 (Mon) ゴマの練習
　今日から特別練習がはじまった。といっても学校の規定に則り、1時間のみの練習でなおかつ練習できる日数も限られている。2・3年生とも、初めての定期テストで、勉強もおろそかにすることはできない。めりはりをきちっとつけて練習に参加して欲しい。
　ゴマは一粒一粒の粒は小さいが栄養価は高いといわれている。1単位の練習時間は少ないが、実りある「ゴマのような練習」を心がけたい。集中して県大会での結果に絶対につなげたい。
2006/5/13 (Sat) エンジョイ・ハンドボール
今日は土曜講座のあと、午後から学級別PTAがあり、保護者の方を前にしてお話しする機会があった。小心者の私は、何年経っても、PTAと聞くと（少し大げさかもしれないが）胃がきりきりするような緊張感にさいなまれる。保護者の方の期待する担任業が自分にはできるのだろうかと、なかなか自信がもてないからかもしれない。教室に向かう前には襟をただし気合を入れる。しかし、保護者の方とうまくお話ができるとその日はすごく充実した気分になる。

スポーツを「楽しむ」とは、次元は違うにせよこの「緊張感」を楽しむことではないかと思った。目的は「勝つこと」以外にない。立ち上がり5分の緊張感、接戦の緊張感、同点の緊張感、延長戦、その全てを楽しむことではないか。心臓に悪いといわれるような接戦をものにできる真の勝者になろう。
2006/5/12 (Fri) 主体的行動
　終礼後、2年生部員が職員室に訪ねてきた。県大会は5月28日にはじまり、第1回定期考査は5月24日に終わる。その最終日に、学校主催の「裁判員体験」の講演があり、自分の将来を考え、どうしてもそちらに出たいと申し出た。部員一丸となり、県大会を迎える練習も限りなく少なく、その1日は全員練習をする大切な1日だ。しかし、二つ返事で許可をだした。むしろ、真剣にそのことを申し出てきたことをうれしくも思った。
　塾に行きたい、習い事をしたい、個人個人の要望を全て聞いていたらチームは絶対に成り立たないし、今後もそれを認める気はない。しかし、その部員のまなざしには、将来を見据える真剣さがあった。葛藤の末選んだ結論であったこともわかった。
　私の目指す「文武両道」「質実剛健」は、ハンドボールで勝つこととただ学校の成績がよければよいというものではない。もちろん、学校成績が悪ければしりをたたくが、それ以上にハンドボールと勉強を通じ「人間的な力」を身につけて欲しいと願っている。
　ある店でお客がワインを落として割ってしまった。しかし、その店のアルバイト店員は、お金の心配をするでもなく、新しいワインをお客に持っていき「怪我しませんでしたか」といって渡した。そのお客は何回もその店に来るようになった。
　きっと、チームの力になってくれると信じている。
2006/5/11 (Thu) ベクトルを自分に
　今日から第1回定期考査の試験期間に入った。特別練習は数時間組んであるものの本業の学業が中心となる。普段練習に明け暮れ、なかなか本業が手につかないというもののいることであろう。全体での練習ができない分、ベクトルを自分に向け、身の回りの恵まれた環境をもう一度よく観察してほしい。

　自分のクラスの清掃の際、教室掃除のものが最後の戸締りもせず帰ってしまったことがあった。自動ドアとでも思っているのであろうか、用務員さんが閉めてくれるとでも思っているのであろうか。少し想像力をめぐらし、自分のことを考えてみれば、おのずと行動できるものの多々あるのではないか。

　ちょっとした気遣いが自分の人生を変えるものであろう。テスト週間。勉強はやらされるものではなく自分のためのもの。ベクトルを自分にむけてみよう。
2006/5/10 (Wed) ナンバーワンとオンリーワン
考査前最後の練習日であったが、あいにくの雨。県大会は考査終了直後に開かれるため、考査中にも特別練習を行うため、今日は練習時間を「学習時間」にあてた。50分−5分−50分の勉強時間を組んだが、選手の中には集中力が続かないもの、最後までやりぬき時間がたらなそうにしているものまちまちであった。勉強の成績は個人個人で異なるが、集中する力はハンドボールと通じるものがあるように思う。

ひところ前から「オンリーワン」が評価され、序列化は悪のような風潮がある。中学の絶対評価（1や2は付けにくくなった）や幼稚園の徒競走で同時ゴールなどがその象徴であろう。自己否定観をもつよりも自尊感情を育てることを意図してのことと思われる。しかし、本当の自尊心とは、もっと努力や忍耐や悲しみを乗り越えて身につくものであると思う。勝敗の世界はまさに「ナンバーワン」を決める過酷な競争社会である。そのなかで、努力し忍耐しときには敗北の悲しみを乗り越えてこそ真の自尊心、プライドが身につくのではないか。ナンバーワンを目指そう。その過程でオンリーワン（個性）は生まれる。
2006/5/9 (Tue) 自分に厳しく
朝からの雨も昼ごろにはあがり、終礼ころにまたいったん少雨が降り始めたものの、慣れた手つきで特設コートを設営し、シュート練習、3対3など基本的練習を行った。練習はいったん明日で終わり。第1回定期考査にいよいよ突入する。総体予選で県大会に出場するのは5回目で、ここ4年は連続で出場している。選手も毎年の恒例になりつつあり、事前の試合と試験の準備も分かりきったこととして進めて欲しい。自分に甘えていてはこの過酷な時間を乗り切ることはできない。高校生活で受験に匹敵するほど、いやそれ以上に持てる力を発揮するときだと思う。自分に厳しく、毎日を過ごしていこう。
2006/5/8 (Mon) 小さなことをこつこつと
定期考査の発表まであと3日。練習時間は本当に厳しい。毎年そうなのだが、この時期、練習時間を確保できないことで頭を悩ます。平常時間のテストも組まれており選手はもっと大変な時間を過ごしているのかと思うと、1日25時間でも26時間でもあったらなあと思ってしまう。しかし、この限られた時間のなかで準備を進めていかなければならない。日々こつこつと積み上げた技術や精神力がきっと大きな花を咲かせることを信じている。優雅に泳ぐ白鳥も水面下では必死で水かきしている。県大会まで全力でもがきあがき最後の最後まで全力をつくそう。
2006/5/7 (Sun) 日常の中で
ゴールデンウィークが終わってしまった。予選は準優勝と不本意な成績で終わったが、われわれには最後の目標である県大会が待っている。ベスト8入りすれば、尾張優勝に匹敵する価値があると思うし、先代の記録にも並ぶことができる。そして更にその上には、創部以来の大きな目標である県ベスト4がある。正月明けの新人戦で敗北した東海高校が数年前県優勝、選抜に出場したときには名北6位で予選を通過したと聞く。われわれも万全を期して練習をしてきた。このあとは、普段の学校生活、そしてテスト期間のなかで限られた時間の中で力をつけていくしかない。ハンドボールだけする環境にないことは重々承知だ。ならばこそ、明日からの練習で、また、日常生活で勝つための要素を積み重ねて大きくしていこう。延長で敗れたのなら、50分＋αの時間を授業時間や家庭学習で集中できるようにすればよい。神経を研ぎ澄まし、絶対に目標達成（県ベスト4）できるよう、明日からもがんばろう。
2006/5/6 (Sat) 目標を信じぬく〜極限状況をこえる
ゴールデンウィークも残りあと1日。週明けからテスト週間に入る。県大会までには、日程との戦いも視野に入れなければならない。

尾張の予選からは「背水の陣」を意識して戦ってきた。背水の陣も常に水際にたたされると精神的にも麻痺してきたり、肉体的にも限界を超えてしまうこともあるだろう。

　現代社会の授業で出てきたV.フランクルの『夜と霧』を読み返した。フランクルは精神科医で、アウシュビッツ収容所で、筆舌に尽くしがたい極限状態を経験している。収容所ではいつガス室に送られるかと恐怖におびえ、それに耐えられず、自ら電流の通った有刺鉄線にぶつかっていく人もいる。その後、無気力、無感覚、無関心の状態となり、死体が転がっていようが、リンチで仲間がたたかれていようが、あるいは、寒さで足の指が腐り、ピンセットで抜く光景を見ようが、何とも感じなくなる。明日生きるために、一片のパンと一杯のスープを求め、監視人にへつらうものも出てくる。
　このような極限状況にあっても、人間的な姿を見せる人々もいる。どんなにへとへとに疲れていても、明るく挨拶し、やさしく声をかける人、一切れのパンを弱った人に譲る人、美しい夕日を見て「この世界はなんて美しいのだろう！」と叫ぶ人。
　生死の境で、フランクルは「いかに生きるか」をみつける。肉体は強制労働でがんじがらめに縛られていても、自分の精神はだれも縛ることはできない。その精神の世界を自由に豊かに生きている人間が、最も人間らしく、もっとも強靭なのではないかと。

　フランクルほどの極限状態ではないにせよ、人生の苦悩は一人一人違うものだ。苦しいときこそ、目標を明確にしよう。自分を信じよう。
2006/5/5 (Fri) 高い授業料を次の決戦でいかせ
負けた結果を変えることはできない。しかし、次に活かすことはできる。なぜ負けたのかを考え、反省し、次への課題をみつけ修正していかなければ進歩はない。課題の克服も時間のかかるもの、意識を変えるだけでできるもの、頭の中で整理しなければならない。せっかく高い授業料をはらったのなら、次の決戦で活かさなければ意味がない。チーム結成当時の目標を思い出せ。｢県ベスト4」。全力を尽くせる人間力を今ここで出せ。
2006/5/2 (Tue) 負けたくないからやる
　ゴールデンウィーク前の平日。朝方の雨も上がり、少し風も強かったが、3学年そろっての練習をした。尾張の大会後、今日からの練習は、県大会にむけての練習になる。目標はベスト4。1位のシードは取れなかったが、フリー抽選を前向きにとらえ、どこのゾーンに入ってもいいように連休中も準備を進めていきたい。

　今日の報道ステーションを何気なくみていたら、中田英寿の対談が放映された。勝っていたら聞き漏らしたかもしれない言葉もずしりと心に響くことがある。「ディフェンスは好きではない。だけど、負けたくないからやる。練習で走るのは嫌いだ。しかし、相手に走り負けて負けたくないから、走る。」
当たり前いえば当たり前の言葉。負けるのは本当に辛い。最後の試合で同じ思いをしないためにも今は人生において一番大切な時間の1つかもしれない。3年生は、部活を引退し、受験勉強を本格化させるクラスメートもいることだろう。しかし、今こそ、ハンドでも、受験でも、ひいては人生においても負けないために過酷な時間をあえてすすんでいこう。
2006/5/1 (Mon) 負け、勝ち
　悪夢の尾張決勝から丸２日が過ぎ、今日からは学校も平常どおり始まった。
最後まで全力を尽くした“死闘”だっただけに、辛い思いで日曜日を過ごしたものも多いのではないか。

　人気先行の全日本女子バレーを見事建て直し、アテネオリンピック出場に導いた柳本晶一監督の信念は「負け、勝ち」だそうだ。どんな絶望がせまっても｢負け、負け、負け｣の人生は絶対にない。挫折したり、苦しんでいるときこそ、実は｢勝ち｣に向かっている、という。
　苦しいときに絶対にしてはならないことは、周囲やほかの人間のせいに転換してしまうことだ。次に勝ちをつくるのは自分自身だからである。柳本氏自身、栄光ののち、2度の廃部を経験している。しかし、元オリンピック選手の肩書きも日本一数度のプライドを捨て、ビラ配り、お茶くみ、通勤路の清掃、などできることなら何でもやった。そこから全日本監督への道が開けてきたのだ。

　滝高ハンド部も｢負け、負け、負け｣の人生はない。｢負け、勝ち｣である。一から出直しを図ろう。何でもよい、できることからはじめよう。
2006/4/29 (Sat) 上をむいて
準決勝
滝２１（９−１０、１２−６）１６津島東
前半立ち上がりの悪さから1次３−７とリードを許す。ベンチ、選手もあわてず後半一気に引き離した。精神的に成長した半面、立ち上がりの悪さが課題となった。

決勝
滝１７（５−６、９−８、延長１−４、２−５）２３起工業

正規の時間内はがっぷりよつ。後半2点差から3点差に開けなかったところに相手が息を吹き返した。追いついたほうに勢いがあり、延長戦は完全に起ペースのまま、あっというまに10分が立ってしまった。

試合には負けたが、力は全部出し切れたと思う。ほとんど攻守のミスはなく、唯一シュートの決定力の差が最後に出てしまったのだと思う。

以前なら接戦になるとシュートチャンスもボールをまわしてしまう局面が見られたが、今日は真っ向から勝負した。ただ、シュート力が足りなかった。

敗戦はしたが、得たものも大きいような気がする。準々決勝からの接戦の中でも逃げない姿勢がついた。あとは、決めきるシュート力だと思う。

人生には「これだけやったのに」と思っても結果は伴わないこともある。死ぬ気で勉強しても大学に合格できないこともあるだろう。最後の最後の大会で｢結果｣が伴わなかった悔しさは残るが、いつまでも未練を残していても始まらない。上を向いて次なる目標に標準を絞ろう。

次の県大会が最後の最後の大会になる。｢背水の陣」で目標達成にチャレンジ！
2006/4/28 (Fri) 平常心で
汗ばむ陽気につつまれて、決戦前の最後の練習を終えた。チーム結成当初の２つの目標「尾張優勝」「県ベスト４」の１つ、「尾張優勝」を実現する時が来た。県大会出場が決まったあとも、１週間最大限の練習をしてきた。やり残したことはない、と思えるほどに本当によく練習したと思う。明日は平常心で試合に臨もう。普段どおりのプレーができれば必ずカップを手にいれることができるであろう。とにかく平常心で。
2006/4/27 (Thu) 自信
天気予報では雨のち晴れ。朝は駅前の交通立ち番であったが、傘は途中で必要ないほどの小康状態になった。昼からは太陽も顔を出すほどの天候に恵まれ、グランドも最良の状態であった。天気だけは人間の力でどうしようもない。今日も練習をすることができたことに感謝しよう。
木曜日は定例の会議の日であったが、いつもより早く終了した。つきも回ってきたようだ。1年生部員も増え、現段階で６チームが組める。ハンドボールを初めて数日の選手から、まもなく決戦を迎えるレギュラーチームまで試合形式の練習をしたが、それぞれが課題をもって練習に取り組めた。とくに１年生のプレーははつらつとしており、それをみて上級生もアドバイスや声援を送るなど「スポーツの原点」を見ることができたように思う。これだけの選手が１つになれば、有形無形に大きな力となるであろう。選手の顔にも自信がみなぎっている。あと１日、最後までしっかり練習して決戦に備えよう。
2006/4/26 (Wed) セルフコントロール
決戦まで残り2日となった。今日も普段どおりの練習。選手たちに気負いはなく、黙々と目標にむかって突き進んでいるように思われる。新人戦、ウインターカップと2度尾張の頂点にたっている強みであろう。思った以上にたくましく成長している選手たちに、今日はいい意味で驚かされる練習だったように思う。結果が出れば、波にも乗れる。自分自身をよくコントロールし、現在の精神状態で望めば、結果は出ると確信している。あと2日。気負いなく大会を迎えよう。
2006/4/25 (Tue) 忍辱（にんにく）
勝負の世界は結果が全て。結果を追い求める。しかし、なかなか結果が伴わないと人間はあせる、いらだつ、自分を見失う。耐えることだ。辛抱することだ。以前日記に書いた「忍辱」。精神的に辛い時こそ我慢をするのだ。必ずや辛い経験が結果に結びつくこともあるだろう。耐えて耐えて耐えて結果を出していこう。
2006/4/24 (Mon) 自律
１つ目の大きな目標まであと２勝。頂上に近づくほど、勾配は険しい。みんなで手をつなぎ、協力しないと登れない。残りわずかな時間を力の限り尽くして準備を進めていきたい。１０の力があっても「心」がなければ、５・６割しかでない。自分の心とチームの仲間の協力をもって、１０の力を出し切れるチームになろう。優勝するのはわれわれだ。それだけの準備はしてきたのだ。時間を無駄にするな。
2006/4/23 (Sun) プラス思考で
準々決勝。予想に反し苦戦を強いられる。前半終わって６−６。新人戦の2回戦(一宮興道戦）のような展開に。重苦しい雰囲気を振り払って後半3連取も波に乗れず、3点2点の攻防が続く。10分過ぎに4点差5点差と開き安全圏に入ったが、周囲からは｢滝の試合としては不完全燃焼？」との声もあった。

しかし、冷静になると、今日の試合は、次の準決勝・決勝につながる試合だったと考えている。１つはやはり相手チームはそれなりの力を持っていたこと。5位決定戦でも新人戦4位校とも最後の最後まで死闘を演じれる力があった。（前半7-9,後半7-7であった。）そして、もうひとつは滝高校本来の形は崩れていないこと。シュートミスが多く目立ったが、早く引き離したい、安全圏に入りたいという苛立ちなど、気持ちの部分がかなりあった。常に謙虚な姿勢、感謝の気持ちを忘れずに心をもう一度整理しよう。

今日の試合は、準決勝レベルの試合を2度戦えるととらえれば、よい経験ができたといえる。目標の尾張優勝まで気持ちをこめて練習に精進しよう。
2006/4/22 (Sat) 次へ
今日から始まったインターハイ予選。各地で熱戦が繰り広げられる。滝高校は、大治スポーツセンターで初日。２回戦からの出場で、前半で勝負を決める上々の滑り出しとなった。欲を言えば、後半の後半に出場したメンバーも平常心を忘れず、普段のプレーをしてほしいことだ。昨年は、準々決勝でエースが捻挫し、胃が切り切り痛むなかでの準決勝を、当時控えであった現３年生がすくった記憶が残る。控え選手が気持ちを作っておくことは、スタートで出るよりも難しいかもしれない。しかし、スタートから出る選手と思いを１つにして不測の事態にも対応できるよう心の準備をしておいてほしい。

明日は、県大会出場権をかけた大事な1戦だ。油断、慢心はいらない。とにかくすべての力をだしうるだけ。「アルティメットクラッシュ（完膚なきまでの）勝利」を実践するのみ。
2006/4/21 (Fri) 千里の道も一歩から
いよいよ明日からインターハイ予選が始まる。３年生にとっては最後の大会だ。目標到達には、一戦一戦必勝だ。全力で戦うことを誓おう。千里の道も一歩から
2006/4/20 (Thu) 防御は最大の攻撃〜ディフェンスでペースをつかめ
　PTA総会の都合で、４０分×５コマの変則授業。午前中で授業は終わり、朝からの雨のグランドも太陽と風のおかげで練習できるほどに回復した。

　ラグビーの精神に「One for all All for One」がある。一人はみんなのために、みんなは一人のために。今日は一人の選手と練習時間の始めに長い時間話をした。一人がみんなのことを思えば、自分の行動の指針は見えてくる。一人一人の力をあわせた全員の力で優勝を勝ち取りたい。

　１本のみの紅白戦。Bチームには申し訳ないが、Aチームとしてはようやくかたちが見えてきた結果となった。とくにディフェンスが冴えていた。ディフェンスの大切さを体感したゲームだったのではないか。

　練習の途中、PTA総会の時間になったためグランドをあとにし、会場にいったが、思いはグランドにあったため、行事終了後、再びグランドに舞い戻った。高校２年生の有志と中学生がゲームを行っていた。途中少しゲームに参加したが、中学生の成長に驚いた。シュート力は普段見る高校生とかわらぬ力強さがあった。来年の高校入学が待ち遠しい限りだ。しかし、ゲームの結果は高校生と高さと力強さにおされていた。大きな選手、力強い選手を守るには組織の力が必要だ。

守りの大切を再認識した。
2006/4/19 (Wed) 長い目、短い目
昼間に通り雨はあったものの練習には影響なし。少し肌寒さが残るなかで練習した。今日は高1クラブ登録の日。先週の仮登録から1週間で、どれだけ部員が増えるか期待したが、残念ながら現状の7名が登録した。滝高校運動部の中では極めて少ない登録人数になってしまったが、他校に比べれば7名は標準なみ。一人一人を大切に育てること、私の初心を忘れないようにという思召しだと前向きに考える。長い目で見て、自分自身の指導力をあげるチャンスだと思うことにした。

練習では、GKからの球出しが冴えた。これまでの練習ゲームでも頭を抱える場面が多かったが、何かきっかけをつかんだのか、今日は速攻の起点となるすばらしいスローだった。「できなかったことができるようになる」何ともうれしいことではないか。短い目でみて物事を決してはならない。大局観をもつことが、選手にも指導者にも必要とされる。「教育とは忍耐」である。
2006/4/18 (Tue) チームを愛せよ
今日は学校行事の遠足。好天に恵まれ、暖かな遠足日和であった。練習は通常通り行った。

世の中は自分の思い通りにならないことが多い。勝負には勝ちたいものと勝ちたいものが争い一方しか勝者にはなれない。そんな時の行動の基準になるのが「チームへの愛」だと今は思う。勝つだけの資格の備わったチームは、個々の技術とともに選手一人一人がチームを何よりも思っている。辛い時にもリーダーシップはとなれければならない。コンビネーションが合わなくても、自分の思いを指示するだけで、感情をぶつけてはならないこともある。自分自身は二の次に。今は全身全霊でチームの勝利だけを思え。
2006/4/17 (Mon) 抽象的なものを具体的なものへ
大会までの日程が、当然ことながら日に日に迫る。今週を天候をにらんで、今日は、4時25分までの授業ののち1時間の練習を、予定を変更して行った。
春休みから続いた練習試合も終え、残すところ部内の練習のみとなる。細かなことでも１つ１つ最終調整していかなければならない。選手同士の指示も抽象的なことから、より具体的なことにしていこう。
2006/4/16 (Sun) マネージ(manage)
　インターハイ予選まで１週間を切った。明日からは５限（１コマ６５分）の授業後の練習だけに限られる。また、遠足や学校行事もあり、天気も移ろいやすい。時間の管理、体調の管理、技術の向上、メンタル面のコントロール、自分自身をマネージしなければならない。

　わが滝高校の現理事長滝富夫先生は波乱の人生の中で「マネージメントは世界共通だ」の信念でニューヨークに渡り、アン・クライン、ダナ・キャランなどを育てた。マネージ(manage)とは１．方向を示し、管理する。２．力を発揮させる。３．権威や秩序、説得に従順させる。４．実践者に目標を示す。５．難しいことに継続的に挑戦する。（アメリカン・ヘリテイジ・ディクショナリー・オブ・ジ・イングリッシュ・ランゲージ）意味だそうだ。滝先生はこれを、お金を儲けることが第一義ではなく、人を育てること、人に機会を与え、信頼して任せ、方向を示唆し、世界レベルのオーソリティやディシプリンとは何かを教え、安易なことよりも困難ことに挑戦する力と勇気を与えることと理解され、実践されている。

　自分自身を、そして自分の属する「滝高校ハンドボール部」をマネージしよう。
2006/4/15 (Sat) 練習は試合のつもりで、試合は練習のつもりで
　朝から春の少雨。午前中は本校土曜講座の１年初めの恒例講演でC.W.ニコル氏の講演が江南市民文化会館であった。その間も雨が気になっていた。講演終了後、雨は小康状態。グランドはまだ活動可能な状態であったため、練習を決行した。こういう１日の練習の積み重ねが大きな力になると信じたい。

　ゲーム形式の練習では、この７代目チームの実力は伯仲しており（よく言えば層が厚い）、また、新２年生の台頭もあり、接戦が日々続いている。チームメイト同士の対戦とはいえ、真剣勝負の様相である。気持ちを高め、それを結果につなげるように。
　「練習は試合のつもりで、試合は練習のつもりで。」
2006/4/14 (Fri) 心を１つに
今日の顧問会でインターハイ予選の組み合わせが決まった。あと２週間後には、優勝チームが決まっている。「尾張優勝」はわれわれの大きな課題である。新しい仲間も増えた。ここからは心を魂を１つにして、戦いにのぞみたい。全身全霊でチームを思え
2006/4/13 (Thu) 理想の２４時間を想像してみよう
学校の安全教育の日。（江南駅からを含む）自転車通学者は、グランドに来る時間が遅れた。全員揃うころには、会議開始時間がせまりグランドをあとにした。大会までの時間も日に日に短くなる。時間の貴重さをこれほど感じることはない。しかし、時間は誰にでも平等に与えられている。これからの１日。理想の２４時間を想像してみよう。時間を大切に。勉強も部活も自分自身も大切にできる。
2006/4/12 (Wed) 創部以来の危機
　新入部員仮登録の日。前日のポスター作戦、当日の２年生部員の勧誘作戦空しく、新たに登録してくれたのは、７名であった。滝の運動部のなかでも極めて少ない数となってしまった。７名の選手には本当に感謝している。しかし、この７名が「勝つための勝てる練習」をするためにはそれなりの人員も必要で、本登録までの１週間、２年生部員や１年生の同期生の更なる勧誘活動に期待したい。

　もし、このページをよんでいる新入生の関係者がいたら、ぜひハンドボール部を進めて欲しい。伝統の灯を絶やしてはならない。
2006/4/11 (Tue) 率先垂範
雨が続く・・。
指導者として何をすべきなのか、暗中模索の毎日である。限られた練習スペースで如何に効率よく「勝てる練習」をできるか、常に自分に問いかけている。

模索の中、熊谷商業、埼工大深谷、青森山田の卓球部監督を歴任し、２００２年までに全国優勝１０９回を数える「名将」の本に出会った。目からうろことはこのことか。自分の未熟さも改めて痛感した。

卓球界では知らない人はいない吉田安夫先生の指導哲学は「率先垂範」である。「やってみせ、いって聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ。」山本五十六連合艦隊司令官の言葉である。

【チーム作り】
一、チームづくりに努力し、愚痴をこぼしていないか
二、強力かつ品位あるチームになっているか
三、温情と厳格さをもってチームを育成しているか
四、素質ある選手を発掘し、鍛えているか
五、学校及び父母、OBなどの理解と協力をえることに努めているか

【監督心得】
一、卓球を通じて人間教育に大いなるプライドと確固たる信念をもつべし
二、卓球に対する情熱と信念、選手に対する愛情を片時たりとも失ってはならない
三、選手の個性と性格を不断に研究、熟知して指導目標を立て、計画的に訓練する
四、常に学び、研究することによって正しい情報を選手に提供するとともに、合理的・科学的な練習法の開眼に努める
五、練習内容が惰性になっていないか常に反省し、何時如何なる時でも真剣に集中して取り組むよう、常日頃から指導する
六、練習については、ミーティングを時間の許す限り取り、卓球に対する相互理解を深め、指導の一方通行を避ける
七、上達への道は基本の繰り返しである。単純な練習であるが、何時如何なる時でも目標を持った、気迫のこもった積極的な練習をしなければ効果は上がらない
八、能力の差は小なり、努力の差は大なりと信じ、毎日の指導に専念する
九、選手と接している時間が長いか短いかがその年の成績につながる。万難を排してユニフォームに着替え、練習場に出る。指導の上手、下手は二の次である
十、必勝への道においては、監督の情熱と”為せば成る”という信念が最も大切である

【練習の心得】
一、集中して極度の緊張状態で訓練しよう
一、基本的技術を身につけよう
一、常に頭を働かせて、より実戦的に訓練しよう
一、練習内容と方法の質を高め、より一層効果を上げよう
一、戦術があり、技術があることを自覚して毎日の訓練に励もう

【選手心得】
一、卓球を通じてスポーツ精神の真髄を把握せよ
一、自己により卓球部が構成され、また卓球部により自己が育成されることを忘れるな
一、自己の責任を自覚せよ
一、自己の目的に忠実に努力せよ
一、何時如何なる時でも与えられたものを自己の進歩向上の途とせよ

卓球を送球（ハンドボール）に当てはめれば、自分の胸に突き刺さる言葉ばかりだ。
「率先垂範」、まず、自分からだ。
2006/4/10 (Mon) 精進と忍辱
　宿題考査が終わったが、今日は、学年間で終了時間が異なり、高３のみ先に練習を始めることになった。雨はいつ降り始めるかとの様相で、寸暇を惜しんでの練習を行った。まさに「一球入魂」。１つ１つのシュートに魂を込めて打たなければ、この先限られた時間の中では効果を発揮しないであろう。結局高２が合流するころには雨が激しくなり、練習続行は不可能になってしまった。春の天候を恨んでも始まらないのは分かっているのだが。

　大乗仏教の徳目に、「六波羅蜜」というのがある。布施、持戒、禅定、智慧、忍辱（にんにく）、精進の６つだ。
　「勝つために努力しよう。」というが、精進はさらに精神的な意味、すなわち自分の心の欲望をつつしんで、努力を重ねることを意味する。
　勝つまでは忍耐。しかし、忍耐はどちらかといえば物質的・身体的なものに対し、忍辱（にんにく）は、もっと精神的な（例えば誤解や非難や嫉妬にも堪える）ものを耐えるということだ。
　明日からも天気は崩れる模様。思い通りにならないことも多いだろう。努力の上の「精進」、忍耐の上の「忍辱」で、この時期を乗り越えていこう。
　
2006/4/8 (Sat) 信とは「人の心に任す」こと
　宿題考査中の土曜日。休日に部活の練習をすることは認められている大切な日だ。この期間、２つの意味で選手はつらい。１つは、日曜日の休日に練習できないこと。愛知県内のトップチームはこの時期最後の追い込みをかけてくるであろう。しかし、明日は練習をすることはできない。もう一つは、勉強面。受験生になった３年生にとっては、この時期他の生徒は宿題考査もおろそかにせず、また、土曜日も練習を休みにして学習時間にあてているクラブもある。ハンドボールの面でも勉強の面でも、選手にとっては過酷な時間となる。しかし、だからこそ「時間の大切さ」をかみ締めて有効に時間を使って欲しい。試練をこえられない者に試練は与えられないのだから。

　チームもこれから仕上げの段階に入る。まだまだ、ベンチで見ていてもどかしい思いもある。山口良治監督が平尾誠二主将率いる伏見工業ラグビー部を初めて全国優勝させたとき、大事な決勝（大工大戦）の前、ベンチからかけた言葉は、「これだけやってきたんだから好きにやってこい！」「今この一瞬を精一杯生きろ！」だったという。この日のために何年も何年も文字通り命を削って臨む決勝に前に、技術的な指示も何もなかった。信とは、「人の心に任す」ことだと。それだけのことをチーム全体でやってきたんだという裏づけもあったのだろう。とにかく選手が顧問や仲間やそして自分自身を強く信じることだ。
2006/4/7 (Fri) 気づく
　春休み明けの宿題考査が今日から始まった。土日の連休のため、今日は練習「解禁日」。気づけば、尾張の大会まではちょうど２週間。本当に速いものだ。１日１日を大切にしていかねばなるまい。

　チームの勝敗を左右するのは、何といっても「選手」だ。ここ一番で点がほしい時に決めるべく人間が決めれば勝負はつく。はずせば負ける。監督やコーチは優秀な頭脳を持っていても試合に出ることはできない。選手が試合をつくるのである。自分の役割に「気づく」こと。決めるべく時に決めなければならない人間であることを。決められなかったら、決まるまで、練習するのみ。
2006/4/6 (Thu) 「自分探し」と「一生懸命」
今日は始業式。一年の始まりだ。学年もあがる。3年生は学園生活最後の学年。悔いの残らぬように全力投球して欲しい。昨日の名古屋大学の平野真一学長は『「自分探し」に逃げずに、置かれている場所で最大限の努力をしてほしい」と新入生に呼びかけた。今生きている場所、滝学園という学園でハンドボールのコートで戦う。この場所から目をそらしてはいけない。

新聞記事で「一生懸命」の大切さを伝える記事を目にした。

「涙の理由」
　長久手町に住む元中学校音楽教師の和泉真弓さん（47）は、この1年間、尾張旭市のある小学校で音楽科の講師を務めた。すぐに勘を取り戻し、毎授業、全力で子どもたちと向き合った。
　同校の歌のテストは、これまで教師と児童の一対一の形式で行うことが多かったが、和泉さんは「みんなの前で堂々とやろうよ」と提案し、児童もそのオープンなやり方になじんでいった。
　６年生のクラスで、２学期のテストでのこと。一人の女子児童が「今日は、すごく自信がある。伴奏なしで歌いたい」と申し出、胸を張って課題曲に挑んだ。他の子どもたちが気おされるほど見事な”熱演”だった。
　歌い終えた女子児童はポロポロと涙を流し、「先生、おかしい！感動したわけでも、すごくホッとしたわけでもないのに涙が出てくる」と体を震わせた。和泉さんは包み込むように言った。「先生は分かるよ。それはね、人が一生のうちに一度か二度、流せるかどうかの涙なのよ」
　卒業式の日、その児童が和泉さんに手紙を渡した。あれからずっと考えていたという「涙の理由」が書かれていた。
　「あの涙は『うれしい』や『悲しい』ではなく『一生懸命』なんだと思います。先生はいつも、うまい、下手ではなく、一生懸命があればいいと言っていましたね。きっと一生懸命が自分に伝わると、”すごい涙”が体の中にできるんです」
　かけがえのない答えを得て、児童は大きくはばたいた。
（中日新聞『ペーバーナイフ』（上田寿行）０５年４月３日）

一生懸命の涙を流そう。
2006/4/5 (Wed) チーム内競争
けが人も復帰のめどが立ってきた。その間、控え選手の成長もあった。チーム内競争もますます激化しそうだ。競争社会と聞くと、今世間でいわれる「勝ち組」「負け組」なる言葉が示すとおり、格差や足の引っ張り合い、恨みやねたみなどマイナス面がクローズアップされる。しかし、正々堂々とした戦い（レギュラー争い）の果てに生まれる友情は、チームの力になるであろう。スポーツの世界では、一般的には「同じ力なら若い方を使う」という不文律がある。選手ののびしろを考えれば、そのほうがチームのためになると考えられるからである。しかし、新3年生に意地があるはずだ。最後の底力で「同じ力」ではなく、「上の力」を持てばよい。現状に満足することなく、あがき続けて欲しい。全身全霊の戦いののちには、「チーム愛」が深まることは疑いがない。たとえレギュラーをとられたとしてもコートには自分が立っていると同じ心情が生まれるだろう。最後の最後までチーム内でも争って欲しい。